2026年2月8日に投開票が実施された「第51回衆議院選挙」での序盤の情勢調査が、投票行動にどんな心理的影響を及ぼすのか
マスメディアの情勢調査が「裏目」に出なかった要因について解説しています。

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2026年2月8日に投開票が実施された「第51回衆議院選挙」

自民党が単独で「3分の2以上」の議席を獲得する結果に

2026年1月27日に公示され、2月8日に投開票が実施された「第51回衆議院選挙」

物価高対策を含む経済政策や外国人政策などを争点に、465議席(小選挙区289/比例176)を争い、小選挙区と比例を合わせて1,200名超が立候補を届け出た選挙となりました。

悪天候の中の争いとなった選挙戦

投開票当日は広い範囲で雪が降ったため、投票率の低下が懸念されましたが、期日前投票者数が2,700万人以上(全有権者の26.10%)と過去最多を記録するなど影響は限定的となりました。

投票率は「56.26%」となり、自民党は公示前の「198議席」から「310議席」に大幅に増やして「3分の2以上」を確保し、自民党結党以来、最多の議席となりました。

マスコミ各社の「情勢調査報道」

電話やインターネットで実施される事前調査

これまでの選挙と同様に、予め無作為に抽出したモニターに対して、メールやアプリでアンケートURLを配信して回答を得る「ネット調査」と、自動音声アンケートを用いた「電話調査」で、マスコミが実施した情勢調査をみてみると、各社揃って「自民党が単独過半数」という見出しで報道しました。

「情勢調査報道」が投票に及ぼす影響とは?

投票前に取得した情報がどんな影響を及ぼすのか?

こういった公示直後の序盤調査報道は、調査精度の高さ・低さ、メディアの意図の有無に関わらず、「投票を済ませていない有権者」に対してさまざまな影響を及ぼすと考えられます。

  • 「みんなが応援しているなら自分も応援しよう」『バンドワゴン効果』
  • 「劣勢 or 可哀想だから投票しよう」『アンダードッグ効果』
  • 「みんなが応援するなら自分が応援しなくてもよいだろう」『傍観者効果』
  • 「あまりにも勝たせ過ぎるのは良くない」『成功恐怖』
  • 「圧勝することで大きく変化して欲しくない」『セルフサボタージュ』

「みんなが応援しているなら自分も応援しよう」『バンドワゴン効果』

「勝ち馬」に乗ろうとする心理

「特定の政党が優勢」という報道がポジティブに作用しやすくなる効果として、バンドワゴン効果が挙げられます。

特定の政党が優勢との情勢報道を見聞きした際に、「多くの人たちが投票するなら自分も投票しよう」「大勢の流れに乗り遅れたくない」という、他者との同質化に対する願望が、判断や行動に左右しやすくなる、というわけです。

『バンドワゴン効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

「劣勢 or 可哀想だから投票しよう」『アンダードッグ効果』

「判官贔屓」とも呼ばれる苦境に立つ人に応援しようとする心理現象

『バンドワゴン効果』とは逆に、特定の政党が優勢という情勢報道を見聞きすると「劣勢の政党に応援(投票)しよう」と思う心理現象のことをアンダードッグ効果と呼ばれています。

2026年2月の衆議院選挙の場合、本来であれば『アンダードッグ効果』によって「劣勢と報道された野党側」に有利に働くことになりますが、メディアや野党の批判的な報道や姿勢によって「高市総理が責められて可哀想」という心理作用が広がり、自民党に「同情票」が流れやすくなったと言えそうです。

『アンダードッグ効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

「みんなが応援するなら自分が応援しなくてもよいだろう」『傍観者効果』

自分の貢献度が僅かならと「傍観者」になってしまう心理

仮に投票しようと思っている政党が「優勢」であると見聞きすると、「どうせ勝つなら自分が投票に行かなくてもいいか。当日は天気も悪そうだし」と、投票行動を控えようとする心理が働きやすくなります。

この現象は傍観者効果(責任の分散)と呼ばれ、「自分の貢献は微小である」と認識するため、応援(投票)へのコミットメントが低下するようになるのです。

『傍観者効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

「あまりにも勝たせ過ぎるのは良くない」『成功恐怖』

圧勝(=成功)することへの心理的恐怖

また、「特定の政党が優勢」という情報に接触した際に、「あまりにも勝たせ過ぎるのは良くない」という心理になり、その政党への投票を回避しようとする現象のことを『成功恐怖(成功恐怖症)』と呼びます。

「圧勝後の大きな変化」などを恐れて、自分で自分の邪魔(セルフハンディキャップ)をしてしまう、というわけです。

もちろん選挙の場合、ただの「1票」で情勢を大きく左右するケースはほとんどありませんが、そういった心理に陥る人が増えることが「大きなうねり」となって、当落に大きな影響を及ぼす要因になるかもしれません。

「圧勝することで大きく変化して欲しくない」『セルフサボタージュ』

願望と裏腹な行動や思考をしてしまう心理現象

さらに、「応援している政党に多くの議席数を獲得して欲しい」と望みながらも、「圧勝とは呼べないほどの議席しか獲得できなかった時の失望感」、「圧勝した後の変化に対する恐れ」などが頭をよぎって、無意識に投票を避けようとする心理現象のことを『セルフサボタージュ(自己破壊行為)』と呼びます。


この続きでは、マスメディアの「圧勝」の情勢調査が「裏目」に出なかった2つの要因について解説しています。

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