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『自己奉仕バイアス』とは?
『自己奉仕バイアス』とは、成功した場合の要因は自分に、逆に失敗した場合の要因は他人など外部にあると思い込む心理的傾向のことです。
「セルフ・サービング・バイアス」とも呼ばれています。
何かがうまくいった時には「自分のおかげ」と考え、失敗した時には「〇〇が悪い」というように他に責任を押し付ける・責任逃れするというもの。
つまり「成功は自分のおかげ、失敗は周りのせい」とするバイアス(※1)と言えます。
成功は自分の手柄にするのに失敗の責任は取らない人間の「自己保身」的な傾向をあらわしています。
この心理的傾向は、欧米では顕著に見られますが、アジアでは逆の傾向が見られるという報告もあります。
成功の要因を自分とするバイアスを「自己高揚バイアス」と呼び、失敗の要因を他人などにするバイアスを「自己保護バイアス」と呼ばれています。
『自己奉仕バイアス』に陥ってしまう例としてわかりやすいのが、学校のテスト結果です。
テストの点数が良かった時は「自分の努力のおかげ」「自分は頭が良い」と自分を褒め、点数が悪かった時は「先生の教え方が悪かったから」「勉強する時間が取れなかったから」と原因を先生や勉強時間を不足させた外部環境に責任を押し付けるというケース。
※1:バイアス(bias)=日本語だと「先入観」「偏り」「偏向」という意味です。人間はさまざまなことを記憶し知識にする・経験値を得ていくと、それが「先入観」になっていきます。
その先入観に影響を受けることで偏った見方をするようになり、物事をありのままに捉えることができなくなってしまいます。複数のバイアスがあり、それぞれが独立したものではなく互いに干渉し合っています。
なぜ発生するのか?
『自己奉仕バイアス』が発生する背景には「自尊心(プライド)を保ちたい」「自身の気持ちをポジティブにしたい」「他人からの見られ方をコントロールしたい」という心理があるとされています。
こういった心理は人間にとって根源的であるため、『自己奉仕バイアス』から抜け出すことは容易ではありません。
また、自己奉仕バイアスは、直感や過去の経験に基づく先入観によって物事の判断が非合理的になる『認知バイアス』の一つです。
『認知バイアス』には、自身にとって都合の良い情報だけを無意識に集めてしまう『確証バイアス』(※2)もあり、特に『確証バイアス』は自己奉仕バイアスと関連性が高いバイアスです。
自己奉仕バイアスを正当化するために『確証バイアス』が働くことで客観的な判断ができなくなるというわけです。
※2:『確証バイアス』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
自身にとって都合の良い情報ばかりを集める心理傾向である『確証バイアス』。ネガティブな影響とポジティブな活用例について解説しています。
自己奉仕バイアスの発生例・陥りやすい状況
上述の「学校のテスト結果」以外にも、『自己奉仕バイアス』が発生しやすい・陥りやすいケースがあります。
自動車事故
自動車事故に遭った時、もしくは回避した時も、『自己奉仕バイアス』が起こり得ます。
●事故に遭った時 「車に欠陥があった」「天候が悪く視界不良だった」
●事故を回避した時 「自分の運転が上手いから」「機転を利かせたから」
営業・商談シーン
営業・商談が成功・失敗した際も、陥りやすい傾向が見られます。
●営業・商談に成功した時 「自分には能力・才能がある」
●営業・商談に失敗した時 「営業相手・商談相手との相性が悪かった」「タイミングが悪かった」
上司と部下の関係性
会社組織内の上司と部下の関係にも、『自己奉仕バイアス』が起こりやすい例と言えます。
●売上目標を達成した時 「(上司)自身のマネジメントによるものだ」「(部下)自身の頑張りによる成果だ」
●売上目標に未達だった時 「(上司)部下の能力が不足していることに原因がある」「(部下)上司の指導方法が悪い」
企業内の人事評価
人事評価は、評価が明確・曖昧、公平・不公平など、難しさのあるシーンと言えます。
そんな中で、「人事評価が低い場合」においては特に、評価する側(上司)とされる側(部下)の間で認識が一致しないケースが起こり得ます。
●上司からの評価が低い-部下が納得しない(上司) 「部下が納得しないのは自己評価が高いからだ」
●上司からの評価が低い-部下が納得しない(部下) 「評価が低いのは頑張りや成果を正しく理解していないからだ」
メリットとデメリット
『自己奉仕バイアス』はデメリットしかないと思われがちですが、実はメリットも存在するバイアスです。
メリット
成功すれば自信につながり自尊心(プライド)が高まる『自己奉仕バイアス』。そのため・・・
●自己評価が高まる=自信を持って行動できるようになり能力が高まる(自己評価との差が埋まる)
自己評価が高ければ自信を持って行動できるようになります。行動によって良い成果が出ればより自信が高まります。
そうなると、高い自己評価と実際の実力の差が少なくなるケースも。●自尊心が高まる=難題に取り組みやすくなる
自尊心が高いことで達成が困難な案件や対処が難しいことへの心理的障壁が下がり、取り組みやすくなります。
デメリット
失敗すれば他者など外部要因のせいだと考える『自己奉仕バイアス』。そのため・・・
●失敗を外部要因のせいにする=自省せず同じ失敗を繰り返してしまう
失敗を他責にすることから「自分ごと」として反省せず、同じような失敗を繰り返してしまうというリスクがあります。
●失敗を外部要因のせいにする=変化や成長機会を逃してしまう
失敗した際に他者などに責任を転嫁するようになると「どうすれば失敗しなかったか」という視点を持たないため、成長する機会を逃すことになってしまいます。
自己奉仕バイアスから抜け出す・克服する方法
(上述のメリットがあるとはいえ)『自己奉仕バイアス』に陥ると、成功要因は自分にあり、失敗要因は外部要因にあると見なしてしまうため、なぜ成功したのか?なぜ失敗したのか?を客観的に分析することができなくなってしまいます。
そうすると、成功しても成功要因がわからないため再現性が低くなり、失敗したことに対する解決策を立てることができずに同じ失敗を繰り返してしまう可能性が高まります。
経験した成功や失敗を活かすためには、それぞれの要因を理解し、次のアクションに取り入れなければなりません。そのためには、自己奉仕バイアスを克服する必要があります。
『自己奉仕バイアス』に陥っていないか自問自答する
第一に、『自己奉仕バイアス』という存在を認識して、普段から自身の主張や行動に対して疑う姿勢を持つことです。
「今、自分は『自己奉仕バイアス』に陥っていないか?」と自問自答することが必要になります。
なぜ成功したのか?失敗したのか?要因を分析してみる
次に、自身の主張を検証する客観的な姿勢を持つということ。
自身の主張を検証するために、何が原因となって成功したのか?失敗したのか?冷静に検証・分析する習慣を身につける、ということです。
何かを失敗した時には、短絡的に他責思考にならずに「自分に非がないか」と考え原因を分析してみる。
失敗の原因に少しでも自分が関わっていることがわかった際、それを認めることができればバイアスを克服する可能性が高まります。
失敗の原因を分析し、それを認めて次の機会に同じことを繰り返さないようにすることがポイントになります。
また成功した場合にも「成功した要因」を分析することで、上司や周囲の人たちの助言やサポートによって出た結果であると気づけるでしょう。
その際には、感謝の気持ちを忘れずに伝えることが大切です。
引いて見る・俯瞰する視点を持つ
自己奉仕バイアスを克服するためには、検証・分析するために引いて見る・俯瞰する視点を持つことも必要になります。
最後に
「成功は自分のおかげ、失敗は周りのせい」と思い込むようになる『自己奉仕バイアス』。
言い換えると、失敗した責任を他人に転嫁するということになりますが、社会で評価されている「仕事ができる人」ほど「失敗したのは自分の責任」「良い結果を出せたのは周囲のおかげ」と考える傾向があります。
『自己奉仕バイアス』を理解し「陥っていないか?」と自身に疑いの目を向けつつ、成功と失敗それぞれの要因を俯瞰して分析し、客観的に事実を捉えることがバイアスを抜け出す・克服することにつながります。
そして何よりも、周囲の人々への感謝を忘れずに研鑽を続けていくことが必要になってきます。
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