
道徳的に問題があったとしても「権威者」の指示や命令に従ってしまう『ミルグラム効果』。
実証することになった電気ショック実験、発生するメカニズムやネガティブな発生例などについて解説しています。
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『ミルグラム効果』とは?
『ミルグラム効果(Milgram effect)』とは、道徳的に問題があったとしても「権威者」の指示や命令に従ってしまう心理現象のことです。
ここでいう「権威者」とは、専門家や有資格者などの社会的地位の高い人や有名人・著名人が該当します。
この心理事象は、当の本人はまったく意識していない「潜在意識」に作用するため、強い効果を発揮することが特徴です。
別名『権威バイアス(権威性の法則)』
『ミルグラム効果』は、別名『権威バイアス(権威性の法則)』と呼ばれています。
この記事では、「服従」させる集合心理・集団圧力的な観点で『ミルグラム効果』を取り上げています。
『ミルグラム効果(権威バイアス)』をポジティブに捉え、販売促進やコンバージョン(成約)を高めるための活用方法については、こちらのページをご覧ください。
権威がある地位や肩書きによって、その人物や言動に対する評価が高く歪められてしまう『権威バイアス』『権威性の法則』。なぜ効果が発揮するのか、ビジネスシーンでの活用例などについて解説しています。
『ミルグラム効果』によって生じる傾向
『ミルグラム効果』によってどんなことが生じるのか。具体的には、以下のような事象が起こるようになります。
- 権威者への強い「服従」傾向
- 「状況依存性」が強くなる
- 「責任の所在」が希薄になりやすい
権威者への強い「服従」傾向
『ミルグラム効果』によって、権威者からの指示や命令に対して、強い服従傾向を示すようになります。
「状況依存性」が強くなる
『ミルグラム効果』には、権威者が物理的に近い距離にいる、指示や命令が正当なものに思える場合、より服従の度合いが高くなる傾向があります。
「責任の所在」が希薄になりやすい
権威者からの指示や命令に従うことで、個々人の責任感が希薄になってしまうことから、結果的に非人道的な行為につながってしまう可能性が生じてしまいます。
「ミルグラムの電気ショック実験」
『ミルグラム効果(権威バイアス、権威性の法則)』は、アメリカのイェール大学の心理学者、スタンリー・ミルグラム(Stanley Milgram) 氏が1963年に発表した「電気ショック実験」で知られるようになりました。
この実験は、第二次世界大戦中のナチス・ドイツの将校であった アドルフ・アイヒマン(Adolf Otto Eichmann) 氏の裁判をきっかけに実施されたことから、「アイヒマン実験」や「アイヒマンテスト」とも呼ばれています。
アドルフ・アイヒマン 氏は、ホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)に深く関わったとされた人物で、誰もが極悪非道で冷徹な人間だと思っていましたが、裁判では「命令に従っただけ」と主張し、ただ職務を全うする人物であることが明らかになりました。
裁判中のそんな アイヒマン 氏の様子から、ミルグラム 氏は「なぜこんな人物が大虐殺の指揮をできたのか?」と疑問を持つようになりました。
そういった疑問を解明しようと実施された「ミルグラムの電気ショック実験」は、被験者を「教師役」と「生徒役」のグループに分け、「教師役」が出す問題に「生徒役」が間違えるごとに、権威者の指示で電気ショックを段階的に与えるというものです。
結果的に、多くの人が権威者の指示に応じて、致死レベルの電気ショックを与えてしまいました。
この実験から、人間は閉鎖的など特定の状況下では正しい判断をすることができず、悪意のある権威者に服従し、残酷な非人道的行動を行ってしまうことが明らかになりました。
『ミルグラム効果』が発生するメカニズム
道徳的に問題があったとしても、多くの人が「権威者」の指示や命令に従ってしまう『ミルグラム効果』。
権威者に従ってしまう原因としては、以下の点が挙げられます。
- 権威に服従することによって得られる「安心感」
- 権威者に従うことで「恩恵」を得られる
- 「エージェント状態」になってしまうから
権威に服従することによって得られる「安心感」
まず要因として挙げられるのが、権威者に服従することによって「安心感」を得ることができるから。
なぜなら、権威を有する人の指示や命令は「正しく」、「従っていれば自分は間違えることはない」と考える傾向があるからです。
こういった傾向は、進化の過程で培った「集団で行動した方が生存率が高まる」という、生き残るための知恵によって生じ、「集団を指揮する権威者に逆らわずに従えば集団内で安心して暮らせる」と本能的に理解しているからと考えられます。
権威者に従うことで「恩恵」を得られる
権威者の指示や命令に従えば、安心感も含めて「恩恵をもたらす」ことを、これまでの経験から学習していることも要因の一つと言えます。
「エージェント状態」になってしまうから
人が服従する原因を、ミルグラム 氏は「エージェント状態」という言葉で説明しています。
「エージェント状態」とは、自分を自身の意志で行動するのではなく「他人の願望を実現するための実行者」と捉えるようになる状態のことです。
この「エージェント状態」に陥ってしまうと、権威者からの指示や命令に意識が集中してしまい、それ以外のことには散漫になってしまいます。
そのため、「権威者」からの指示や命令に対しては責任感を感じることになりますが、自身が行う「行為」に対しての責任感は感じなくなります。
その結果、非人道的・非道徳的な指示や命令だと認識していても、従うようになってしまうのです。
『ミルグラム効果』の発生例
『ミルグラム効果』のネガティブな発生例としては、以下のケースが挙げられます。
- 戦争における兵士の行為
- カルト教団信者の過激な行動
- 日本大学の反則タックル事件
戦争における兵士の行為
戦争における兵士の残虐な行為も、『ミルグラム効果』の影響を受けている可能性が考えられます。
カルト教団信者の過激な行動
狂信的な崇拝や過激な教義を持つ「カルト教団」。
教義として「人類の幸福」などを掲げていたとしても、教祖から攻撃的な指示を受けると、それに盲従してしまう信者の行動も、『ミルグラム効果』の一例として解釈することができます。
日本大学の反則タックル事件
実際にあったケースとしては、2018年に日本大学のアメリカンフットボール部の選手が、試合で相手選手に悪質な反則タックルを行った、という事件があります。
この事件の背景には、試合の出場機会に恵まれなかった選手がコーチから「相手選手を潰せば試合に起用してやると監督が言っている」と聞かされ、後がないと思い詰めた学生が監督に直訴し、反則タックルをしてしまったという経緯がありました。
この選手自身も「反則タックルをすることは間違っている」とわかっていながらも、権威を有する監督に「服従」してしまうことになり、被害者を生み世間に注目されるような事件となってしまいました。
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この続きでは、ビジネスシーンにおける『ミルグラム効果』のネガティブな発生例などについて解説しています。
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