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「Afterコロナ」「Withコロナ」における日本の2つのトレンド
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行された「Afterコロナ」・「Withコロナ」下において、流行期と比較するとさまざまな変化や特筆すべき現象が起こっています。
テレワーク・リモートワークから「出社回帰」へ
日本においては、2020年1月15日に最初の感染者が確認された後、緊急事態宣言や自粛要請を受けて、企業は従業員の出社を制限しテレワークへの切り替え対応に追われることになりました。
それまで従業員個々の端末に保存することもあった業務データをインターネット上のサーバーに保管し、場所や時間を問わずにアクセスできるクラウド環境の構築が進み、在宅勤務・リモートワーク化が加速することになりました。
その後、「5類」に移行することで、感染拡大のための行動制限や水際対策が無くなったことも相まって「出社回帰」する企業が増えています。
いち早く「出社回帰」の流れを作った日本企業として知られているのは、レシピ検索サービスを展開しているクックパッド社です。
クックパッド社は、2021年5月から原則出社を前提とした勤務体制に戻し、さらにIT大手企業である楽天グループ株式会社も、2021年11月から原則テレワークから週4日以上の出社を促す形へと変更しました。
2022年に入ってからも、段階的に出社を基本とする体制に切り替えた自動車メーカーの本田技研工業株式会社、原則在宅勤務から週1回の出社へ出社頻度を増加させた消費財メーカーのユニ・チャーム株式会社、「出社制限の緩和」として、実質出社を拡大する対応をとった電通グループや株式会社日立製作所などが例として挙げられます。
さらに、2023年3月に株式会社帝国データバンクが実施した「新型コロナ5類移行時の働き方の変化に関する実態調査」(調査対象:27,628社、有効回答企業数:11,428社)によると、約40%が「コロナ前と同じ(働き方)」と回答し、「コロナ前と半分以上異なる」「20%程度異なる」の回答が合わせて約40%、残りの約20%が「わからない」という結果となっています。
これらの傾向・結果から、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行後、日本でも大手企業を中心に、フルリモートワーク・フルテレワーク体制からオンラインワークの割合を減らす傾向が強まっています。
マスクの着用率は依然として高い
株式会社日本リサーチセンターが英国YouGov社と、2020年3月~5月、2021年4月~9月に実施したグローバルに対する合同調査と、2023年3月~5月に日本のみに対して実施した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する調査結果によると、日本において「新型コロナウイルスの感染予防策として、過去2週間以内に公共の場でマスクを着用した」と回答した人の割合は、以下の通りとなりました。
●2021年4月~2022年9月:85%~90%
●2023年3月:71%
●2023年4月:68%
●2023年5月:66%
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行直後の5月調査でも、マスクの着用率が60%以上と減少傾向ではあるものの、高い水準を保っていることがわかります。
マスク着用によって生じやすくなっているのが『マガーク効果』
世界各国(特にヨーロッパ)と比較しても、日本においてはマスク着用率は高い水準をキープしており、着用しつつ「出社回帰」に応じて通勤頻度が増えていることがわかります。
元々、日本では冬が近づくにつれて風邪やインフルエンザが流行することから、マスクをつけることに対する抵抗や違和感は諸外国と比べても少ない傾向があると言えます。
マスク着用による聞こえづらさ・伝わりづらさ
マスクを着けるということは、お互いの口元がお互いに見えないということになります。
マスクをしながらの会話やミーティングにおいて、相手の言葉が聞き取りにくいと感じた経験をしている方も多いのではないでしょうか。
このコロナ禍・コロナ禍以降における、聞こえづらさや伝わりにくさによる意思疎通の難しさの要因の一つであるのが『マガーク効果』です。
『マガーク効果』とは?
『マガーク効果』とは、視覚による読唇といった情報が聴覚の情報に干渉し、音声の聞こえ方を変容させてしまう錯覚現象のことです。
端的に表現すると、口の動きと音声が一致しなくなってしまう錯聴現象です。
ハリー・マガーク 氏とジョン・マクドナルド 氏が、1976年に”Healing lips and seeing voices”という論文で発表されました。
マガーク効果の実証実験
マガーク 氏とマクドナルド 氏は当時、人は顔を合わせて会話をする際、聞き手が話者の姿を見ているにも関わらず、音声知覚は聴覚的な情報処理のプロセスのみに依存していると考えられていた点に疑問を持ち、実験を行いました。
被験者に「ガ」という音を発している口の動きの映像と「バ」という音声を組み合わせた映像を視聴してもらうと、多くの被験者は「ガ」でも「バ」でもなく「ダ」という音に聞こえたように感じた、という結果が出ました。
マスクの着用は日本人向き?
上述の実験結果において、人間は音声知覚をする際に視覚情報の影響を無意識に受けるということが明らかになりました。
この『マガーク効果』と呼ばれる錯聴現象は、視覚からの情報が音声知覚へ影響を与えている『多感覚統合』の例とされていますが、常に聴覚情報よりも視覚情報が優位性を持つというわけではありません。
この実験のほかにも、文化や習慣による違いに焦点を当てた研究もあり、その中で「日本語母語者に生じるマガーク効果は諸外国と比較すると小さい」という指摘があります。
別の報告によると、英語母語者が発話者の口の動きに注視して、次に発話される音の予測に利用しているのに対し、日本語母語者はより聴覚情報に頼った音声知覚をしていることが示されました。
●英語母語者:口の動きという視覚情報に注視して次に発せられる音を予測する傾向。
●日本語母語者:聴覚情報に頼った音声知覚をする傾向。
確かに、欧米人と日本人を比較すると、欧米人は表情豊かに話し、話を聴く時は相手をのぞき込むようにします。一方、日本人は会話する際、それほど表情は変化せず、話を聴く際は耳を澄まして聞き取ろうとする傾向があります。
つまり、日本では表情の動きをあからさまに出すことをしないという文化的もしくは生物学的特性があり、欧米人と比べると口の動きとコミュニケーションの円滑さの関係性はあまい無いと考えられます。
そのため、欧米人はマスクの着用を強制されるとコミュニケーションがうまくいかないという恐れを感じ、逆に日本人は会話のコミュニケーションにおいてマスクはそれほど阻害されないこともあり、マスクの着用率の高さにつながっていると思われます。
Afterコロナ・Withコロナにおけるコミュニケーション
会話をする際の口の動きと音声が一致しないという状況は、Afterコロナ・Withコロナでよく起こる事象となっています。
例えば、オンラインミーティング時のWebカメラ映像の遅延による音声とのズレや、回線の不具合で映像が途切れてしまうことが挙げられます。そのため、相手や対象に伝わっているかを話者は注意をする必要があります。
また上述の通り、日本語が比較的「口の動き」に頼らずに相手の話を聞き取っているとしても、マスクを着用することで口の動きといった視覚的情報がない中で、伝えたい内容が変容してしまう『マガーク効果』が発生することによって、相手に「伝わらない」「聞こえにくい」と感じたり、真意とは異なる解釈をされてしまう可能性が高まってしまいます。
そのため、マスクを着用している時はよりハッキリ話すことを意識するなど、コミュニケーションに工夫が求められます。
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