イメージが似通っていて、使い分けに悩むことが多い『デザイナー』と『クリエイター』。
それぞれの言葉の意味と違い、関連するさまざまな職種を含めて解説しています。
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『デザイナー』と『クリエイター』の違い、わかりますか?
デザインはマーケティングと密接です。
よくマーケティングとは「取り扱う商品やサービスがセールスを介さずに『売れる仕組み』を作ること」と定義されますが、『売れる仕組み』を作るためには、取り扱う商品やサービスを見込み客へ訴求するための「コンテンツ」が必要になります。
今ではツールの普及もあって誰でもコンテンツを作れるようになっていますが、「餅は餅屋」と言われるように、デザインスキルを有した「デザイナー」の方が、見栄えは元より高い訴求力を担保したコンテンツを作れることは自明の理と言えます。
そんな『デザイナー』『デザイン』とイメージが似通っていて、使い分けに悩むことが多いのが『クリエイター』『クリエイティブ』。
この記事では、「マーケティング界隈の豆知識」(※)として『デザイナー』と『クリエイター』のそれぞれの意味や違いについて解説します。
※『制作』と『製作』の違いについては、こちらの記事をご覧ください。
使い分けに悩みがちな『制作』と『製作』という言葉。それぞれの言葉の意味と、使い分けるケースなどについて解説しています。
『デザイナー』の意味とは?
『デザイン』とは?
まず『デザイン』について解説します。
『デザイン(design)』の語源には2つの説があります。
まず、ラテン語の「デシグナーレ(designare)」という説。
「デシグナーレ(designare)」には、「示すこと(to designate)」と「描くこと(to draw)」の両方の意味が含まれると言われています。
それぞれ「示すこと(to designate)」=意図や計画、目標、「描くこと(to draw)」= 描画やモデル、スケッチと日本語で表現することができます。
そしてもう一つの説は、否定を示す接頭語の「デ(de)」と記号や意味の「サイン(sign)」が組み合わさったもの=既存の否定を示す言葉と言われています。
これらの説からみると、『デザイン』とは「既存の思考や概念を否定し、意図や計画を描写する表現方法」と言うことができます。
『デザイナー』とは?
『デザイナー』とは、「既存の思考や概念を否定し、意図や計画をモノやコンテンツという形に描写・表現する専門的な職業」となります。
この『デザイナー』には、一般的にはグラフィックやゲーム、ホームページやアニメーション、印刷物といった紙媒体や服飾といった分野ごとにさまざまな種類があります。
以下では代表的な『デザイナー』の職種を記載します。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーとは、一般的に雑誌に掲載する広告やポスター、販売商品のパッケージといった、商品に関する広告のデザインを担当する職業と言えます。
主にクライアントから依頼・発注を受けて、消費者を惹きつける訴求力の高い広告デザインを制作します。
また、グラフィックデザイナーはゲーム業界では「キャラクターや背景などのデザインを担当する職業」を意味するため、業界によって仕事内容が異なります。
ゲームデザイナー
ゲームデザイナーとは、ゲームの企画の魅力や意図を理解し、制作チームが意図に沿って制作ができるよう、指示を出すプロフェッショナルな職業のことです。
ゲームデザイナーと聞くと「キャラクターや背景などのデザインを担当する職業」と捉えられがちですが、上述の通りそれは「グラフィックデザイナー」の担当領域となります。
Webデザイナー
Webデザイナーとは、個人事業主や企業などのクライアントからの要望を受け、消費者(ユーザー)にとって使いやすいWebサイトをデザインする職業のことで、場合によっては下述のUIのデザインもカバーします。
厳密な言葉の線引きはありませんが、一般的にWebの「見た目」に関わる部分に特化しているのが「Webデザイナー」、Web制作に関する作業全般を手掛けるのが「Webクリエイター」と呼ばれています。
UI/UXデザイナー
UIデザイナーとは、UI(ユーザーインターフェース)のデザインを担当する職業のことです。
ユーザーインターフェースとは、主にパソコンやスマートフォンのアプリと利用者をつなぐ「接点」という意味で、利用者(ユーザー)が操作しやすい・使いやすいものに作り上げることを「UIデザイナー」が担います。
一方、UXデザイナーとは、UX(ユーザーエクスペリエンス)のデザインを担当する職業のことで、利用者が商品やサービスを通じて得られる体験に注目して、使いやすさや楽しさという体験を得られやすいようにデザインすることを「UXデザイナー」が担います。
CGデザイナー
CGデザイナーとは、CG(コンピュータグラフィックス)を用いて、2D(2次元)もしくは3D(3次元)のデザインを担当する職業のことです。
アニメーションやゲーム、映画やCMなどの幅広い分野で活躍する職種です。
DTPデザイナー
DTPデザイナーとは、雑誌や新聞、カタログやポスターといった販促物のデザインをパソコンで行い、それを紙媒体に印刷するために制作する職業のことです。
DTPとは「Desk Top Publishing(デスクトップ パブリッシング)」の略で、パソコン上で印刷物のデータを制作することを指しています。
制作するために、IllustratorやPhotoshop、InDesignといったソフトウェアを使用するケースが多くあります。
ファッションデザイナー
ファッションデザイナーとは、服飾の分野において、デザインを担当する職業のことです。
クライアントやユーザーからの要望や、世の中の流行にあわせて、衣服やバック、靴などの装飾品のデザインを手がけます。
『クリエイター』の意味とは?
『クリエイティブ』とは?
『クリエイティブ(creative)』の語源は、英語の「創造する」という意味である「create」と「~の性質を持つ」という意味のある「ive」が組み合わさった単語です。
また「create」の語源は、ラテン語の「産む、育てる」という意味の言葉です。
つまり、「新しいアイデアを創造し、実際にアウトプット(具体化)する」ということです。
一般的に、「ゼロからイチ」よりは、現象や要素を結び付けて、新たな形を生み出すことと捉えられています。
『クリエイター』とは?
『クリエイター』とは、「新しいアイデアを創造し、実際にアウトプット(具体化)する専門的な職業」となります。
この『クリエイター』の意味は広く、漫画家や編集者、コピーライターやシンガーソングライター、陶芸家や家具職人、デザイナーなど、多くの職業が含まれます。
つまり、クリエイターは特定の1つの職業をあらわすのではなく、有形・無形問わず「ものづくり」に関わるすべての職業を意味しています。
以下では代表的な『クリエイター』の職種を記載します。
Webクリエイター
Web制作に関する作業全般を手掛ける人を「Webクリエイター」と呼ばれています。
上述の通り、WebクリエイターとWebデザイナーには明確な線引きはなく、一般的にWebの「見た目」に関わる部分に特化しているのが「Webデザイナー」と呼ばれています。
そのため、デザインに関する知識やソフトウェアの扱い、HTMLやCSSといったコーディングやプログラミングのスキルなどが必要になる職業です。
動画クリエイター
動画クリエイターとは、動画コンテンツの制作に携わる職業の総称。
動画と一言でいっても、テレビ番組・CMや企業のプロモーション、YouTubeやSNSなど用途はさまざまで、制作するための工程(プロセス)も企画から撮影、編集や配信など複数存在します。
つまり、動画全般の知見や技術を有して、企画から撮影、編集や配信までを担当、もしくは一部の業務を担当する職業を「動画クリエイター」と呼びます。
※『動画』と『映像』の違いについては、こちらの記事をご覧ください。
あやふやな使い分けをしがちな『動画』と『映像』という言葉。それぞれの言葉の意味と、違いを見極めるための指標などについて解説しています。
ゲームクリエイター
ゲームクリエイターとは、ゲームアプリやゲームソフトの制作に携わる職業の総称。
最近のゲームは複雑化が進んでいるため、企画、シナリオライター、デザイナー、サウンドクリエイター、プログラマーなど、さまざまな役割に特化した専門家が分担してひとつのゲームを作り上げています。
まとめると・・・
●『デザイナー』:既存の思考や概念を否定し、意図や計画をモノやコンテンツという形に描写・表現する専門的な職業のこと。
●『クリエイター』:新しいアイデアを創造し、実際にアウトプット(具体化)する専門的な職業のこと。※『クリエイター』には『デザイナー』などのさまざまな職種が含まれる。
『クリエイター』はデザイナーよりも意味の範囲が広く、有形・無形問わず「ものづくり」に関わるすべての職業を指します。
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