7つの学習方法ごとにその効果や定着率を「ピラミッド型」で可視化する『ラーニングピラミッド』。
取り入れることによるメリットや学習定着率を上げる方法などについて解説しています。
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思うように学習効果を得られない・・・
特に社員にスキルアップを促す人事部の方や、スキルアップしたいビジネスマンの方々の多くが、以下のような悩みをお持ちではないでしょうか。
- 「社内でスキルアップを奨励しているが、効果が上がっていない」
- 「本業の合間を縫ってスキルアップのために学習機会を設けているが、思うように身に付いていない」
そんな時は、学習方法によって頭の中へのインプット率が異なることを示す『ラーニングピラミッド』を理解・活用することで、悩みを解決しやすくなる可能性が生じます。
『ラーニングピラミッド』とは?
『ラーニングピラミッド』とは、アメリカ国立訓練研究所が発表した、7つの学習方法ごとにその効果や定着率を「ピラミッド型」で可視化した考え方のことです。
学校の授業や企業の研修などの場面において、座学や実技、ディスカッションなどのさまざまな方法で学習を行いますが、学習時間が長ければ理解度が深まるとは限りません。
学習方法ごとに頭脳への定着率が異なることを図解した『ラーニングピラミッド』を理解することで、状況に応じた効率的な学習方法を選択しやすくなり、学習効果が高まりやすくなります。
『ラーニングピラミッド』の7段階
『ラーニングピラミッド』は、7つの段階に分類され、下の段ほど学習定着率が高い傾向があるとされています。
- 講義を受ける:5%
- 読書する:10%
- 視聴覚(ビデオ・音声による学習):20%
- デモンストレーション(実演):30%
- グループ討論、ディスカッション:50%
- 自ら体験する:75%
- 他人に教える:90%
講義を受ける:5%
学校の授業や大学の講義、企業のセミナーに参加して「聞いて学ぶ」学習方法が該当します。
ポピュラーな学び方であるものの、学習定着率(頭の中へのインプット率)は「5%」と最も低い数値となっています。
そのため、ノートをとる、予習・復習などを行うことで、学習定着率を高めることが求められます。
読書する:10%
教科書や専門書などの書籍を「読んで学ぶ」学習方法が該当します。
座学形式でただ話を聞くよりも学習の定着率は高まり、「10%」という研究結果となっています。
ですが、ただ漫然と目を通すのではなく、読書することで得たい情報を意識するなど、目的を持ったうえで読書をすると学習定着率が高まりやすくなります。
視聴覚(ビデオ・音声による学習):20%
YouTubeなど動画配信プラットフォームに公開されたコンテンツや、企業などが実施するライブ形式や収録形式のオンライン講座などで「目や耳から情報を取得し学ぶ」学習方法が該当します。
最近ではコロナ禍を経て、動画コンテンツ(※)やオンライン講座の視聴が定番になっていますが、単なる文字の羅列や静止画と比較して、脳へインパクトを与える傾向があり、学習定着率は「20%」となっています。
とはいえ、「ながら視聴」や聞き流すと定着率は低くなってしまうので、視聴する際は「集中できる環境」や「目的意識」が求められます。
※『動画コンテンツ』については、こちらのページをご覧ください。
リード(見込み客)の枯渇を避けるための活路はリードナーチャリングと言えます。『都市鉱山』の例を交えて解説しています。
※ちなみに『動画』と『映像』の違いについては、こちらのページをご覧ください。
あやふやな使い分けをしがちな『動画』と『映像』という言葉。それぞれの言葉の意味と、違いを見極めるための指標などについて解説しています。
デモンストレーション(実演):30%
学習の場でデモンストレーション(実演や実験)を見る、工場見学に行くなどで「実際に見て学ぶ」学習方法が該当します。
聴覚や臭覚、触覚に直接訴えかける内容もあるため、座学や読書、動画コンテンツよりもインパクトがあり、学習定着率は「30%」と上述の学習方法よりも記憶に残りやすい傾向があります。
また、その場でわからないことを質問して説明してもらえるケースがあるので、より理解度が深まります。
グループ討論、ディスカッション:50%
集団の中で意見を交換し合うディスカッションやディベート(討論)などで、「意見交換して学ぶ」学習方法が該当します。
学習定着率は「50%」と比較的高く、自身の意見を相手に伝えることで自身の考えがまとまりやすくなる、相手の意見を聞いて新たな発見を得るなどのメリットがあります。
自ら体験する:75%
自ら実験をする、実際に自分の手や体を動かすという「実践して学ぶ」学習方法が該当します。
学校の授業でいうと体育や美術、家庭科、また現地に出向いて調査・研究を行うフィールドワークなども該当します。
学習定着率は「75%」と高く、能動的に取り組む姿勢が求められます。
他人に教える:90%
研究・論文発表やプレゼンテーションなど「人に教えて学ぶ」学習方法が該当します。
物事を他者に教えるためには、内容の理解はもちろん、よりわかりやすく相手に伝えるスキルや質問への対応力が求められます。
このフェーズの学習定着率は「90%」と最も高くなっています。
「受動的学習」と「能動的学習」
このラーニングピラミッドには「受動的学習」と「能動的学習」という2つの要素があり、その中に上述の7つの学習方法があります。
受動的学習とは、受け身で「教えられる」「見せられる」学習のことで、比較すると学習効率が低い傾向があります。
上述の7つの学習方法のうち、4つが該当します。
- 講義を受ける
- 読書する
- 視聴覚(ビデオ・音声による学習)
- デモンストレーション(実演)
一方、能動的学習とは、後述する『アクティブラーニング』と呼ばれる学習方法のことで、学習する当人自らが能動的に学ぶため、学習効率が高いのが特徴です。
上述の7つの学習方法のうち、3つが該当します。
- グループ討論、ディスカッション
- 自ら体験する
- 他人に教える
学習に『ラーニングピラミッド』を取り入れることによるメリット
『ラーニングピラミッド』を学習に取り入れることで、学ぶ側だけでなく教える側にもメリットが生じます。
学習の定着率を判断できる
ラーニングピラミッドを使うことで「学習する人が現在どの段階(の定着率)なのか」を判断できるようになります。
クリエイティブな発想を身につけることができる
ラーニングピラミッドの「能動的学習(討論、体験、教える)」は特に「自発的に行動する」姿勢を身につけることにつながります。
その結果、クリエイティブな思考や行動を育めるようになります。
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この続きでは、『ラーニングピラミッド』を活かして学習定着率を上げる方法などについて解説しています。
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