政治や選挙で用いられている・発生する『マイノリティ・インフルエンス』や『ラリー・アラウンド・フラッグ現象』、
『沈黙の螺旋理論』といった心理テクニック・心理バイアスなどについて解説しています。
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「東京都知事選挙」
2024年7月7日(日)に投票日を迎えた「東京都知事選挙」。
日本の首都である東京のリーダーとなる都知事は大きな権限を持つことになります。
2024年度の東京都の一般会計予算は8兆4,530億円にものぼり、数多くの企業が集まっていることから、日本のGDP(国内総生産)の20%を占める規模になっています。
1,400万人の東京都民のうちの有権者、1,150万人に選ばれるために、過去最多の56名が立候補し、各候補者の選挙活動に注目が集まりました。
東京どうする? 東京都知事選挙投票日は令和6年7月7日(日曜日)です。
「第50回衆議院議員総選挙」
そして、2024年10月27日(日)には、石破 茂 首相の就任から戦後最短となる衆議院の解散によって、小選挙区選挙と比例代表選挙が行われます。
総務省によると、直近の令和3年(2021年)の選挙の投票率は55.93%と若干の微増傾向となっており、自民党の「政治とカネ」の問題とともに投票率にも注目が集まっています。
こういった選挙活動や政治の場面には、多くの「心理テクニック」が活用されています。
以下では、政治や選挙で用いられている代表的な心理テクニック・心理バイアスについて解説しています。
何度も接することで興味を引く!?『ザイオンス効果』
同じ人やモノに繰り返して接する回数が増えるほど、その対象に対する印象や好感度が高まり興味関心を持つようになる『ザイオンス効果(単純接触効果)』(※)。
人間には、接触頻度が増えると、その対象に親しみを覚え、受け入れやすくなるという性質があります。
初めは興味関心のなかった人やモノでも、何度も接する・目にすることにより、警戒心が薄れて親近感を持つようになるということです。
特に、2024年10月27日(日)の小選挙区選挙と比例代表選挙は公示期間が短いため、活用には不向きな選挙と言えますが、それでも選挙カーなどで繰り返し「党名」や「候補者名」などを連呼することで『ザイオンス効果』を誘引する、という手法が考えられます。
※『ザイオンス効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
接触回数を増やすことで興味関心や好感度が高まりやすくなる『ザイオンス効果』。どういったメカニズムなのか、ビジネスでの活用例を解説しています。
共通点があると親近感を持つ!?『類似性の法則』
自分と共通点が多い人に対して、親近感を抱きやすくなる『類似性の法則』(※)。
選挙の際であれば、立候補者が出身地で出馬する、左派思想 or 右派思想を掲げることで、近しい思想感を持つ有権者からの支持を得る、といった活用のケースが考えられます。
※『類似性の法則』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
自分と共通点が多い人に対して親近感を抱きやすい『類似性の法則』。メカニズムやマーケティング・ビジネスシーンでの活用例、注意点について解説しています。
特定の印象が全体の評価に影響を及ぼす!?『ハロー効果』
対象を評価する際に、その対象が有する1つの特徴に影響を受けてしまい、その対象の評価全体が歪められてしまう心理現象である『ハロー効果』(※)。
良い面に引っ張られる『ポジティブ・ハロー効果』と、悪い面に引っ張られる『ネガティブ・ハロー効果』の2種があります。
選挙の際であれば、「政治とカネ」問題の渦中にある候補者に豊富な実績があったり、素晴らしい公約を掲げていたとしても、「裏金(不記載)問題の人だからな・・・」と『ネガティブ・ハロー効果』が作用し、思うように得票数が得られないというケースが考えられます。
※『ハロー効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
ある特定の特徴に影響を受けてしまい対象全体の評価を歪めてしまう『ハロー効果』。ビジネスでの発揮例や注意点、活用する際のポイントを解説しています!
「型にはめて」決めつけてしまう!?『ステレオタイプ』
先入観や固定観念という「色メガネ」を介して、属性に該当する人=特定の特徴があると「型にはめて」決めつける『ステレオタイプ』(※)。
選挙の際であれば、「自民党推薦の候補者=裏金(不記載)議員だ」とレッテルを貼ってしまう、ということがあるかもしれません。
※『ステレオタイプ』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
特定の属性に対する先入観や思い込みによって「型にはめて」決めつけてしまう『ステレオタイプ』。代表的な7つの具体例や生じることによるデメリットとメリット、予防する・克服するための方法などについて解説しています。
少数派が劣勢を覆す!?『マイノリティ・インフルエンス』
『マイノリティ・インフルエンス』とは?
『マイノリティ・インフルエンス』(minority influence)とは、少数派の意見が聞き入れられ、最終的に形勢が逆転し、多数派意見にひっくり返るという心理現象のことです。
直訳すると「少数派の影響」という意味で、当初は少数派で劣勢に立たされていたが、以下のような条件や方法によって形勢が逆転し、多数派の地位を得るようになる効果を指します。
実証した集団心理実験
フランスの心理学者であるモスコビッチ 氏 が『マイノリティ・インフルエンス』を実証するために行った有名な実験があります。
4名の参加者に、さまざまな形や色、大きさの図形を見せ、特徴を一つだけ答えてもらいました。
例:四角で黒い図形・・・「四角い」か「黒い」と答えてもらう。
4名のうち1名はサクラであり、サクラは必ず「色」を特徴として答えました。
一貫してサクラが「色」を答え続けた結果、形や大きさを答えていた他の参加者も、実験を繰り返すうちに「色」を答えるようになりました。
※参加者が6名のパターンの実験も行っています。
この実験により、「一貫した意見が他人の心理に影響を及ぼす」ことを証明しました。
発生させるための条件:「アクティブ・マイノリティ」
『マイノリティ・インフルエンス』を発生させるためには、以下の2つの要因が必要になります。
- 集団の意見がまだ定まっておらず、流動的かつ不安定な状態。
- 積極的に(少数派の)意見を主張する「アクティブ・マイノリティ」が存在する。
集団の方向性が定まらずに不安定な状態だと、人は周囲に意見を求めるようになります。
この時、例え少数派の意見であっても、一貫した意見を主張する「アクティブ・マイノリティ」がいることで、形勢がひっくり返り、意見が採用されやすくなります。
発生させるための方法:バンドワゴン効果
周囲の意見や雰囲気に影響される人間心理を利用した方法として『バンドワゴン効果』(※)が挙げられます。
「バンドワゴン」とは行列の先頭を行く「楽隊車」を意味し、「みんなが持っているなら自分も欲しい」「世の中の流行に乗り遅れたくない」という、他者との同質化に対する願望が評価や判断材料、行動を促す『バンドワゴン効果』。
※『バンドワゴン効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
バンドワゴン効果とは? バンドワゴン効果とは、経済学者であるライベンシュタインが1950年の論文の中で提示した行動心理学の事象の1つです。 「バンドワゴン」とは行列の先頭を行く「楽隊車」を意味し、「みんなが持っているなら …
政治や選挙の場面でいうと、拍手をしたり「ヤジ」を飛ばすことにも、周囲の人々の気持ちが高揚するように煽り立てて賛同者を増やす効果が期待でき、『バンドワゴン効果』を誘発しやすくなるといえます。
発生させるための方法:アンダードッグ効果
ほかにも、「負け犬効果」とも呼ばれる、弱い立場にある人や、不利な状況に追い込まれている人に心を寄せて応援したくなる『アンダードッグ効果』(※)も、『マイノリティ・インフルエンス』を発生させる方法の一つに挙げられます。
※『アンダードッグ効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
行動心理学の1つである『アンダードッグ効果』。弱い立場や不利な状況に追い込まれた際に有効な心理効果の活用例や効果を発揮させるための条件などを解説します。
政治や選挙の場面でいうと、自身が劣勢であることをアピールして「どうか私を助けてください」とお願いし、「同情票」を得ようとする方法です。
危機的状況にはリーダーの支持が高まる!?『ラリー・アラウンド・フラッグ現象』
『ラリー・アラウンド・フラッグ現象』とは?
1970年に政治学者であるジョン・ミューラー 氏 が提唱した『ラリー・アラウンド・フラッグ現象』(Rally ‘round the flag effect)とは、アメリカの歴史において、戦争などの重大な外交問題といった非常事態が発生すると、政権の支持率が急上昇することから「国難においてはリーダーへの支持が高まる」という理論のことです。『旗下集結現象』とも呼ばれています。
『ラリー・アラウンド・フラッグ現象』が顕著に起こった「9・11」
2001年9月11日にアメリカのニューヨークやアーリントンなど計4か所でハイジャックされた旅客機を使った同時多発テロ(9・11)が発生しました。
ワールドトレードセンターに旅客機が激突する映像が衝撃を与えた事件で、このテロによる死亡者は3,000以上とされています。
この「9・11」直後、アメリカは報復のためにアフガニスタン、イラクとの戦争を開始することになりますが、その当時のブッシュ大統領の支持率は約90%まで急上昇しました。
発足した当初は支持率が約60%程度だったブッシュ政権の支持率が急上昇した理由が、『ラリー・アラウンド・フラッグ現象』だったのです。
非常事態に陥った際、人々はリーダーの下に集い、一致団結して危機を乗り越えようとします。
そして、こういった状況下では、強い指導力を発揮する「専制型リーダー」が求められます。
ブッシュ大統領は、「戦争」という最も攻撃的な手段をとることで、強いリーダー像を示したといえます。
ですが、危機的な状況が去ると人々が求めるリーダー像は変わるため、『ラリー・アラウンド・フラッグ現象』の効果は消え、任期終了間際の支持率は約20%まで下落することになりました。
発生するまでの「プロセス」をまとめると・・・
つまり、以下のプロセスをたどって『ラリー・アラウンド・フラッグ現象』は発生することになります。
- 非常事態になり、国民は極度の不安に陥る。
- 早急な意思決定を要する場合に適した「専制型リーダー」に状況の打開を期待する。
- 愛国的感情が高まる。
- 団結や連帯の「シンボル」としてリーダーの存在感が高まる。
非常事態≠政権支持率アップ
「危機的状況や非常事態の際には、政権の支持率は上がる」というのが通例となっています。
ですが、日本の直近の出来事から見ると、そういった傾向が見られないケースもあります。
2011年3月11日に発生した「東日本大震災」
NHK放送文化研究所の政治意識月例調査によると、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」後の、当時の菅直人内閣の支持率を見ると、わずかではありますが上昇傾向がみられます。
新型コロナウイルス感染症
2020年1月16日、日本国内で初めて感染者が確認された「新型コロナウイルス感染症」。
その当時の第2次安倍内閣の政権支持率を見ると、直近の2月に微増したと言えるかもしれませんが(1月:44P→2月:45P)、それ以降は下降傾向が顕著にみられます。
『ラリー・アラウンド・フラッグ現象』が発生するプロセスで考えてみると、「①非常事態になり、国民は極度の不安に陥る」という要件は満たしていたと思われますが、それ以降のプロセスの「リーダーシップ」力に国民の疑問符が付き、求心力が低下したとも考えられますが、一つ言えるのは「必ずしも非常事態に大統領や首相といったリーダーの支持率が上がるわけではない」ことを理解しておく必要がありそうです。
無党派層ほど多数派に流されやすい!?『沈黙の螺旋理論』
『沈黙の螺旋理論』とは?
1973年にドイツの政治学者であるノエル・ノイマン 氏 によって提唱された『沈黙の螺旋理論』(spiaral of silence)とは、政治に無関心な無党派層ほど周囲の多数派に流されることで、螺旋(らせん)が収束するように多数派が増大し、少数派は周囲から「浮いてしまう」ことを恐れて沈黙し、さらに少数になっていく理論のことです。
政治の世界において、政権のスキャンダルや失策などが続くと、政権交代の気運が高まります。
そういった流れが強まると、特定の政党を支持しない「無党派層」は特に多数派の意見に同調しやすい特徴があります。
一方で、少数派はそういった多数派が増大する流れに対して「孤立する」ことを恐れ沈黙を保ち、ますます多数派が増長する傾向があるという理論です。
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この続きでは、『沈黙の螺旋理論』のトリガーとなる2つの要因について解説しています。
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