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『ディドロ効果』とは?
『ディドロ効果』とは、今までとは異なる「理想的な価値」がもたらされた際、その理想的な価値に合わせて所有物やこれまでの環境などを統一しようとする心理作用のことです。
「1つ買ったから全部揃えたい」「新しい〇〇を買ったら次は△△が欲しい」「趣味で集めている□□をコンプリートしたい」といったように、新しいモノを取り入れると次々に・すべて同じ属性のモノを揃えたくなる心理的傾向を指します。
このディドロ効果は、昨今のさまざまなマーケティングシーンで活用されており、顧客単価アップやファン・リピーターを生み出すことに寄与しています。
発祥・由来
このディドロ効果は、1988年にカナダの文化人類学者であるグラント・マクラッケン 氏が、フランスの哲学者のドゥニ・ディドロ 氏が執筆したエッセイにちらなんで命名されました。
そのエッセイの中で、友人からオシャレな洋服をプレゼントされた筆者が、その服に見合う空間を整えるために所有していたモノを手放し、最終的に借金を背負うほどに次々と新調していく話が紹介されています。
この「新しい所有物の調和を求めてモノを消費してしまう」ことの例えとして『ディドロ効果』と名付けられたとされています。
なぜ『ディドロ効果』が発生するのか?(メカニズム)
ディドロ効果が起こる理由としては、人間の性質の一つである『一貫性の原理』によるものと言われています。
人間には元々、自身の行動や発言、態度や信念などについて一貫性を持たせたいとする『一貫性の原理』が働きやすい性質があります。
複雑な要因が絡み合って成り立っている社会生活において、自らの考えや行動を決める際に、できるだけ負担少なく簡単に決定できるように、自身の思考や行動に一貫性を持たせると言われています。
つまり人間は、自身のアイデンティティに基づき商品を購入し、その新たに取り入れた商品と一貫性を持たせよう・統一させようとすることに安心感を覚えるわけです。
この性質は言い換えると、一貫性を損なうような既存の所有物に対して不満を感じやすく、消費のスパイラルに陥りやすくなるというリスクもあるということになるので注意が必要です。
ディドロ効果の活用シーン
ディドロ効果は消費者の購買行動を誘発する効果が見込めることから、日常生活で多く用いられている心理作用です。
多くは「セット販売」や「一式で購入」、「シリーズ」で商品を見せる手法が採用されています。
室内の装飾や家具、照明などのインテリア
例えば、大手家具店では、インテリア品の単品購入もできますが、実際の部屋のように机や椅子、カーペットやベッド、タンスなどがレイアウトされたコーナーがあります。
こういったインテリア展示コーナーは「セット販売」のパターンで、消費者に「セット感」を認識させやすくなり、その展示品の一つを購入する際、「インテリアを買い揃えたい」という心理が働きやすくなり、購買欲求を高める効果が見込めます。
また、その場では単品購入に留まったとしても、「セット販売」が消費者に認識されれば、来店の動機が生じてリピーターになる可能性も高まります。
洋服などのファッション
洋服などのファッションも、ディドロ効果を発揮させやすいシーンの一つです。
上述のインテリアのように、アパレル業界では店頭のマネキンでトータルコーディネートさせることが多く、そのコーディネート品をブランド統一するケースも。
特定のブランドを気に入ってファンになった消費者は、そのブランドの世界観を統一したい欲求に駆られるようになり、セットでの購入を提案されると買い揃えたくなります。
ジム通いやジョギング
ジム通いやジョギングを始めようとする際、ランニングシューズのほかにもスポーツウェアなど一式を買い揃えるというケースも同じ心理作用が働いています。
マンガやトレーディングカード
好きなマンガを買い揃える、趣味のトレーディングカードをコンプリートするのも、「セット販売」や「シリーズ購入」といった手法に該当します。
フィギュア
フィギュアの「シリーズ購入」や「一式セット」での購入も、ディドロ効果を誘発する手法の一つです。
ガチャガチャ・カプセルトイ
安価なケースだと、ガチャガチャ・カプセルトイも「シリーズ販売」されていることで、思わず買い揃えたくなるようにしています。
スマホゲームの課金システム
スマートフォンのアプリゲームでは、キャラクター育成のためにアイテムの入手や追加コンテンツの取得のために課金意欲が促進されやすくなります。
推し活
自分のイチオシのアイドルやアーティストを応援する活動である『推し活』の中で、販売される複数パターンのCDやグッズの全種類をコンプリートするための購入するケースも該当します。
ディドロ効果を発揮させるためのポイント
セット販売やシリーズ販売ができる商品・サービス設計
まずディドロ効果を発揮させるためには、「買い揃えたくなる」ように、販売する商品やサービスを「セット販売」できる、もしくは「シリーズ」で展開できるように設計・工夫することが必要になります。
ブランドの世界観を強める・発信する
一度商品を購入したユーザーに「また買いたい」と思わせるには、ブランド力を強め発信していくことが重要なポイントになります。
ホームページなどのオウンドメディアで関連コンテンツを掲載する、テレビCMなどで広く発信することで、ブランドイメージを高めることにつながります。
また最近では、X(旧Twitter)やFacebook、TikTokなどのSNSも欠かせない手法の一つと言えますが、SNSごとに利用ユーザー層が異なる傾向があるので、訴求したい購買対象が多いSNSに注力することで施策精度が高まります。
初回購入のハードルを下げる
さらに忘れてはならないのは「完成され過ぎた世界観を有する商品だと購入のハードルが上がってしまう」という点です。
ディドロ効果を発揮させるためには、大前提として「まず一つの商品を購入してもらう」「まず一つのサービスを利用してもらう」必要があります。
販売する商品の世界観が確立され過ぎていると「すべて揃えなければ意味がない」と消費者は捉えてしまい、初回購入のハードルが上がり買い控えるというケースが発生してしまいがちです。
また、価格単価の高い商品、例えば家具などの場合、購入に対する心理的ハードルが高くなる傾向があります。そのため、熱狂的な少数のファンから指示を集めることはできても、販売シェアを広げることは難しくなってしまいます。
これらを解決する方法としては、初回限定の割引や複数商品の購入割引、試供品の配布や無料お試し期間を設けることで、心理的ハードルを下げ購入検討の余地を確保することにつながります。
何らかの方法で初回購入・初回利用の心理的ハードルを下げて、商品・サービスの良さや世界観を消費者に理解してもらえれば、ディドロ効果によって「買い揃えたい」と思いやすくなります。
アップセルを組み合わせる
ディドロ効果をより発揮させるための手法としては、販売商品やサービスのグレードに幅を持たせて「アップセル」の選択肢も用意するということもおさえておきたいポイントの一つです。
購入を検討している消費者やすでに購入した顧客に対して、同種の「より上位の」商品・サービスを購入してもらう「アップセル」。顧客の単価を向上させるために用いられる手法の一つとして知られています。
例えば、ある商品・サービスの購入を検討している消費者に、ワンランク上の商品・サービスを提案し購入してもらう。すでに購入した顧客に同種の「上位モデル」の商品・サービスを提案し購入してもらうというケースです。
販売する商品・サービスのラインナップを広げ、消費者に「縦幅の選択肢」を提示することで、ニーズと合致すればより高価格帯の商品・サービスを購入する可能性が高まります。上位モデルを推奨する「アップセル」と買い揃えたくなる『ディドロ効果』を組み合わせることで、顧客単価アップやリピーターの獲得につながります。
ザイガニック効果を併用する
ほかにも『ザイガニック効果(ツァイガルニク効果)』(※)を併用することで、よりディドロ効果を発揮させやすくなります。
達成できたことよりも達成できなかったことの方がよく記憶に残る心理事象である『ザイガニック効果』。「最後までやり遂げたい、続きが気になる」という心理とも言えます。
併用している例としては、株式会社デアゴスティーニ・ジャパンやアシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発刊している『分冊百科』が挙げられます。
「〇〇号購入すると□□が完成!」という定期購入する分冊百科ですが、デアゴスティーニやアシェットではその分冊百科の創刊号を通常号よりも格安で販売することで、新規顧客の購入に対する心理的ハードルを下げて多くの顧客を獲得しています。そしてその顧客の中で「続きが気になる」人たちに最終号まで購入してもらう流れを構築しています。
「1つ買うとすべて買い揃えたい」というディドロ効果と、「続きが気になる」というザイガニック効果を組み合わせることは、マーケティング施策を実施している好例と言えます。
※:ザイガニック効果(ツァイガルニク効果)の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
あえて未完成な情報を提供することで印象を残して続きを知りたいと思わせる『ザイガニック効果』。活用例や効果を発揮させるためのポイントなどを解説します。
最後に
「1つ買ったから全部揃えたい」「新しい〇〇を買ったら次は△△が欲しい」「趣味で集めている□□をコンプリートしたい」といったように、今までとは異なる「理想的な価値」がもたらされた際、その理想的な価値に合わせて所有物やこれまでの環境などを統一しようとする『ディドロ効果』。
この心理作用をマーケティング施策に取り入れることで、販売数の増加や消費者のファン化・リピーター化・ロイヤルカスタマー化にもつながり、さらにアップセル要素を組み込むことで顧客単価アップの可能性も高まります。
そのためには、セット販売・シリーズ販売できる商品やサービス設計を前提として、(ガチガチに完成させ過ぎない程度に)ブランドイメージを確立・発信し、初回購入のハードルを下げることが必要です。
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