取得する情報が「自分好み」に偏ってしまう!?『フィルターバブル』

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『フィルターバブル』とは?

「偏った情報」に触れるように孤立させられてしまう『フィルターバブル』

『フィルターバブル』とは、インターネット上で自分の思想や価値観に合わせた情報のみが作為的に表示されることで、異なる意見が目に入りにくくなり、受動的に「泡(バブル)」に包まれたように孤立してしまう情報環境のことです。

環境活動家 兼 アップワージ社のCEOが提唱

この『フィルターバブル』は、インターネットの環境活動家でありメディアを運用するアップワージ社のCEOであるイーライ・パリサー 氏が、2011年に出版した著書『The Filter Bubble(邦題:閉じこもるインターネット)』で提唱された概念です。

フィルターバブルが発生する仕組み

ユーザーごとにカスタマイズされた検索結果やフィードが表示

GoogleやYahoo!といった検索エンジンやFacebookやX(旧Twitter)といったSNSは、アルゴリズムが過去の検索履歴やクリック履歴を追跡する「トラッキング機能」で情報を収集して分析・学習し、「フィルタリング機能」で、ユーザーの興味関心に合わせてカスタマイズした検索結果やフィードを優先的に表示しています。

興味関心の無さそうな情報・コンテンツへのアクセスが遮断

この、ユーザーの利便性を高める仕組みである「パーソナライズ」の精度が上がったため、ユーザーは自身が求めていない情報へのアクセスが遮断されるようになりました。

その結果、インターネット上で自分以外の人と同じ情報を見ていると思っていても、自身向けに「パーソナライズ」されたコンテンツが表示されているのです。

よくインターネット上で調べる時に「Google先生に聞く」と言いますが、実際のところは自分にとって最適化された情報が偏って表示されているというわけです。

代表的なフィルターバブルの発生例

フィルターバブルの5つの発生例

SNSのタイムライン

①SNSの「タイムライン」

X(旧Twitter)やFacebook、InstagramなどのSNSの「タイムライン」には、ユーザー自身が興味のある情報、「おもしろい」と思ってフォローしたユーザーの情報が主に流れます。

つまり、自身が見ているタイムラインは、アルゴリズムによって自分の嗜好が反映されたカスタマイズされた内容であり、すべてのユーザーが同じタイムラインを見ているわけではありません。

そのため、タイムライン内で特定の投稿が強調されていたとしても、それは「SNSのタイムライン」という閉鎖的な空間だけの話なのです。

このほかにも、ストリーミングサイトの映画や楽曲、YouTubeの動画やニュースサイトで表示されるコンテンツも、それぞれのアルゴリズムによってユーザーごとに最適化されています。

2016年のアメリカ大統領選挙

②2016年のアメリカ大統領選挙

『フィルターバブル』の概念を有名にしたのが、2016年に実施されたアメリカの大統領選挙と言われています。

選挙期間中のFacebookにて、共和党のドナルド・トランプ 氏を支持する保守派の人々にはトランプ 氏を支持する投稿だけが、民主党のヒラリー・クリントン 氏を支持するリベラル派の人々にはクリントン 氏を支持する投稿だけが表示されるという事象が発生しました。

この結果、それぞれ支持しない政党に関する情報が表示されなかったことで、「多くの人が自分が支持する政党を応援している」という錯覚を招いてしまったのです。

ほかにも、Facebookのアルゴリズムによって、保守派のユーザーが長期間にわたり、リベラル派のユーザーよりも過激なコンテンツに接触するよう仕向けられたり、トランプ 氏を支持するブログ記事がFaceebook上で150万回以上シェアされた際、クリントン 氏を支持するリベラル派の某経営者はFacebookのフィード上で一度もそのブログ記事を目にすることがなかったとしています。

Facebookの恣意的な?アルゴリズムによって、『フィルターバブル』が発生したと言われています。

2021年のアメリカ連邦議会への乱入事件

③2021年の米国連邦議会乱入事件

2021年に起きた米国連邦議会への乱入事件にも、『フィルターバブル』が作用・影響したと言われています。

2020年の大統領選挙でジョー・バイデン 氏に負けたドナルド・トランプ 氏の支持者の間で、「選挙に不正があってトランプ 氏が落選した」というフェイクニュースが拡散されました。

『フィルターバブル』によって暴挙が発生

それをきっかけに、「陰謀論」に立ち向かおうとする独善的な正義感を持った人々が混じり、連邦議会への乱入という暴挙が発生することになったと言われています。

『フィルターバブル』によって接触する情報が閉鎖的になったことで、フェイクニュースに端を発した一部のトランプ 氏支持者たちが引き起こした事件とされています。

新型コロナウイルスワクチン騒動

④新型コロナウイルスワクチン騒動

新型コロナウイルスワクチン騒動にも、『フィルターバブル』が影響したと言われています。

ワクチンの接種は個人個人の判断であることはもちろんですが、「ワクチンを接種した女性は不妊になる」「ワクチンによって本来保有していた免疫が破壊されてしまう」といった情報が『フィルターバブル』によって広がり、一部の人々の間ではあたかもそれが「真実」であるかのように錯覚してしまいました。

トイレットペーパーの買い占め騒動

⑤トイレットペーパーの買い占め騒動

新型コロナウイルスに関してでは、感染が本格的に流行した2020年に日本で起こった「トイレットペーパーが無くなる」というデマ情報の広がりも、例として挙げられます。

この騒動を引き起こしたデマ情報自体は、ほとんど共有されなかったにも関わらず、SNSやマスメディアを通じてデマ情報の存在が拡散され、全国的に品薄・品切れ状態になるという騒動の引き金になりました。

フィルターバブルと『エコーチェンバー』・『サイバーカスケード』との違い

3つの現象の違いとは?

フィルターバブルと併せて『エコーチェンバー』や『サイバーカスケード』がよく用いられます。

●フィルターバブル:システムによって作為的に自分の思想や価値観に合わせた情報のみが表示されることで、異なる意見が目に入りにくくなり、受動的に「泡(バブル)」に包まれたように孤立してしまう情報環境。
●エコーチェンバー:同じ趣味・思想の人とつながりやすいコミュニティ内で、意見を見聞きし続けることにより、自身の意見が増幅・強まる現象。主にSNS上で発生する。
●サイバーカスケード:同じ思考や主義を持っている他者との結びつきを強め、さらに自身らと異なる思考や主義の人間を排除し、閉鎖的かつ過激なコミュニティを形成する現象。

このいずれの現象も、接触する情報は偏ったものであることが共通点です。

フィルターバブルによって生じるメリット

ユーザーとプラットフォーム&広告主それぞれのメリット

「ネガティブ」なイメージを持ちやすいフィルターバブルですが、メリットも存在します。

(ユーザー側)利便性が高まる

①利便性アップ

システムで自動的に自分の趣味嗜好に合ったコンテンツを表示してくれるため、ユーザーからすると膨大な情報の中から探す手間なく簡単に見つけやすくなります。

(プラットフォーム提供側・広告主側)売上アップに寄与しやすい

②売上アップ?

プラットフォームのユーザーの検索・閲覧履歴や、購入履歴などをもとに「おすすめ」を表示する『レコメンドシステム』も『フィルターバブル』の一つです。

この機能によって、顧客獲得コストを低下させ、商品やサービスの売上アップに寄与しやすくなります。

フィルターバブルによって生じるデメリット

メリットよりも多い?デメリット

自分では気づかないうちに陥ってしまう『フィルターバブル』。引き起こされるネガティブな側面は主に以下の通りです。

思考に偏りが生じる

①気づかないうちに思考が偏る

『フィルターバブル』に陥ってしまうと、気づかないうちに思考が偏りやすくなってしまいます。

パーソナライズされたサーチエンジンによって表示される結果には「なぜその情報が表示されるかの根拠」が示されることがないため、『フィルターバブル』の中にいると、表示された情報がどれだけ偏向しているのか・偏向していないのかが分かりません

そのため、気づかないうちに自身にとって都合の良いだけを取得するようになり、結果的に異なる意見を避けるようになって、異なる意見への共感や理解が欠如しやすくなってしまいます。

確証バイアスを助長することに

この「自身にとって都合の良いだけを取得するようになり、結果的に異なる意見を避ける」ことにより、確証バイアス』(※)を助長することにもなります。

『確証バイアス』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

「孤立」してしまう

②孤立を助長しやすい

例えば、どんなテレビ番組でも同じ番組を見ている人は自分以外にも複数人いるはずです。

ですが、ユーザーによって異なる情報を表示する『フィルターバブル』の中には自分しかいないため、孤立を助長させる恐れがあります。

創造性や革新性が制限されてしまう

③新たな気づきや偶然の産物が生じにくい

『フィルターバブル』の中に入ってしまうと、予期しない新しいコンテンツに出会う機会が減ってしまいます

そのため、「偶然の産物(セレンディピティ)」との接触機会が失われることで、創造性と革新性が制限されることになってしまいます。

誤った情報やフェイクニュースの流布に加担してしまうことも

④自分も誤った情報やフェイクニュースを拡散してしまうかも

『フィルターバブル』によって、自身の思想や主張に疑問を投げかける情報に遭遇しにくくなります。

クリティカル・シンキングが損なわれてしまう

そのため、自分を確立する情報ばかりに出会うことで、批判的思考(※)が損なわれることになってしまいます。

正しい情報と誤った情報の区別ができなくなることから、気づかずに誤った情報やフェイクニュースの拡散に加担してしまうことも

批判的思考(クリティカル・シンキング)の詳細については、こちらのページをご覧ください。

情報漏えいのリスクも

⑤検索履歴などのパーソナルな情報が漏えいするリスクが

ユーザーの検索履歴や行動パターンを分析・学習して、それぞれのユーザーに合わせた情報を表示する、ということは、知らないうちにユーザーに関する情報が利用されているということです。

この情報が漏えいするリスクがあるということも、デメリットの一つとして挙げられます。

新規顧客の獲得機会が減少

⑥ユーザーが取得する情報が偏ることでアピールしたい企業側にデメリットも

『フィルターバブル』によって検索ユーザーの取得する情報に偏りが生じてしまうことで、商品やサービスを訴求したい企業側で考えてみると、新規顧客の獲得機会が減少することになってしまいます。

フィルターバブルを対策する方法とは?

機能を用いる以外にもさまざまな対策方法が

フィルターバブルの対策方法としては、以下の方法が考えられます。

プライベートモード(シークレットモード)を使う

閲覧履歴やログイン時のデータを削除する

Webブラウザにある、Cookieや閲覧履歴、キャッシュなどを消去するプライベートブラウズモード(シークレットモード)を使う方法が対策の一つとして挙げられます。

Google Chromeであれば「シークレットモード」、Safariであれば「プライベートブラウズモード」がありますが、「パーソナライズド検索」をオフにしてこれらの機能を活用することで、Webブラウザを閉じると閲覧履歴やログイン時のデータが削除されるため、フラットな検索結果を表示することができるようになります。

ちなみに、この機能によってDSP広告(※)にもトラッキングされないようになります。

DSP広告の詳細については、こちらのページをご覧ください。

インターネット以外から情報を取得する

インターネットに囚われない情報収集

匿名性が高いこともあり、インターネット上にはデマや裏付けの取れていない情報が溢れています。

そのため、例えばテレビやラジオ、雑誌や新聞といった4大メディア』(※)などのインターネット以外から情報を収集することも、対策と言えます。

『4大メディア』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

自問し「メディアリテラシー」を高める

「偏りが生じていないか」自問する

対策として重要なのが「自分が取得する情報・コンテンツに偏りが生じていないだろうか」と自問することです。

「メディアリテラシー」を高めることもポイント

自問自答し、「メディアリテラシー」を高めることで、真偽不明な情報を回避することにつながります。

まとめ

そもそも『フィルターバブル』を理解しておくこともポイント!

インターネット上で自分の思想や価値観に合わせた情報のみが作為的に表示されることで、異なる意見が目に入りにくくなり、受動的に「泡(バブル)」に包まれたように孤立してしまう『フィルターバブル』

気づかないうちに自分自身の視野が狭まるリスクがある一方で、利便性が高まるなどのメリットもあります。

検索エンジンサービスを使っている限り、この『フィルターバブル』を完全に避けることは難しいと言えますが、プライベートモード(シークレットモード)やインターネット以外から情報を取得したり、「偏りが生じていないか」自問し、メディアリテラシーを高めることで、うまく検索エンジンやSNS、そして『フィルターバブル』と付き合っていくことが理想と言えます。

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