調査対象(サンプル)をランダムに選定(抽出)しても、対象者の「意志」や「判断」といった要因が介入することで、事実と異なる結論が導かれてしまう『自己選択バイアス』。具体例や対策方法、類似したバイアスとの違いなどについて解説しています。
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『自己選択バイアス』とは?
『自己選択バイアス』とは、調査対象(サンプル)をランダムに選定(抽出)しても、対象者の「意志」や「判断」といった要因が介入することで、事実と異なる結論が導かれてしまうバイアスのことです。
『選択バイアス』『選択の偏り』とも呼ばれています。
類似したバイアスとの違い
関係性の解釈には諸説ありますが、この『自己選択バイアス』と『生存者バイアス』、『サンプリングバイアス』との違いは以下の通りです。
●『生存者バイアス』:失敗したことを見ずに成功したことのみを基準に判断してしまう。
●『サンプリングバイアス』:調査対象者(サンプル)を無作為に選定しないために結果に偏りがでてしまう。
●『自己選択バイアス』:サンプルの「意志」や「判断」によって事実とは異なる結論を導き出してしまう。
自己選択バイアスの具体例
『自己選択バイアス』は、さまざまなシーンで生じるバイアスです。
世論調査
社会調査の一つである世論調査。この世論調査の方法はさまざまあります。
調査員が訪問して対象から直接ヒアリングする方法や、対象に調査票を郵送し回答を記入して返送してもらう方法、そして「RDD(Random Digit Dialing:ランダム・デジット・ダイヤリング)方式」と呼ばれる、電話番号をランダムに発生させ電話調査する方法があります。
この「RDD方式」の電話調査の場合、調査対象者はランダムに実施されるため、調査者の意志は対象者(サンプル)の選択に反映されませんが、この方法でも『自己選択バイアス』のリスクがあります。
電話がかかってくる対象者目線で考えてみると、世論調査の電話がかかってきても出るか、出られない・意図して出ないケースが想定できます。
つまり、電話での世論調査の対象になる人には「知らない番号からの電話に出た人」という前提が存在します。
また、世論調査の場合、政治に関して意見を求められるので、政治に関心があれば積極的に調査に対応し、関心がなければ非協力的になる可能性もあります。
そのため、世論調査の結果には「政治への関心の有無」が影響を与えていると想定でき、「電話に出ることができた政治に関心がある人」という偏ったサンプルになる可能性は否定できません。
健康診断
例えば、健康診断を受けた人と受けなかった人で死亡率に影響があるかを調査する場合、診断を受けた人と受けなかった人の間で死亡率に差があれば、健康診断が有効であると一般的に考えられます。
ですが、健康診断を受ける人には、「健康に関する意識の高い」人が多い可能性があります。
そのため、健康診断を受けるかに関わらず、日常生活の中で健康維持のために取り組んでいることが死亡率の低下につながる、ということが考えられます。
「健康診断を受ける人の死亡率が低い」という結果が出ることは不自然ではありませんが、『自己選択バイアス』によって診断の有無以外の要因が影響を与えて、診断の結果を過大評価してしまう可能性は捨てきれません。
自己選択バイアスへの対策方法
上述の例の世論調査では、新聞社各社によって回答者や質問内容が異なるため、各社間で大きく異なる結果が出るケースがあります。
新聞社各社が「偏り」が生じないように調整したとしても、完全に取り除くことはできないため、新聞社ごとに世論調査の結果を比較することはできません。
なので、分析する場合は「同じ会社の調査結果の変化を見る」ことが重要になります。
例えば、A社とB社の2社が政権支持率の世論調査を行った際、1回目の調査ではA社は50%、B社は45%、2回目の調査ではA社が45%、B社が35%という結果を得られたとします。
この場合、A社とB社では「回答者の思想が異なる」ことが考えられます。
ですが、1回目と2回目で調査方法が変わらなければ回答者の偏りも大きく変わらないため、同じ会社の1回目と2回目での比較は有用なデータとなります。
そうすると、2社の1回目~2回目の調査における支持率の変化を見ると、どちらも下降傾向であることがわかります(A社:50%→45%、B社:45%→35%)。
つまり、複数の新聞社の世論調査の結果が同じように推移していれば、日本国民全体での支持率も下降していると予想することができます。
このように、バイアスが含まれるような調査においては、数値という「点」ではなく、推移という「線」で見ると傾向を掴むことができます。
最後に
調査対象(サンプル)をランダムに選定(抽出)しても、対象者の「意志」や「判断」といった要因が介入することで、事実と異なる結論が導かれてしまう『自己選択バイアス』。
陥ってしまうと、調査・分析結果が事実と乖離したものになってしまいます。
上述の「同じ調査・分析結果の変化や推移を見る」という対策方法もありますが、何よりもまずは『自己選択バイアス』を理解し「影響を受けていないか」疑う目が必要になります。
(とはいえ『自己選択バイアス』の影響を完全に排除することは難しいので、調査・分析結果の多くは100%信頼性を担保することのできないデータと言えてしまいますが・・・)
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