人は相手と会ってから「3回目」までの印象や評価によってほぼ決めるという『スリーセット理論』。3つのステップの詳細、
3回目以上接触している人へ好印象を与えるコミュニケーション方法、ビジネスシーンへの活用例について解説しています。
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『スリーセット理論』とは？
人は相手と会ってから「3回目」までの印象や評価によってほぼ決めるという『スリーセット理論』。
つまり、人間関係の形成は、最初の「3回」までの接触が重要である、ということです。
この理論は、一般生活の人間関係だけでなく、ビジネス、マーケティングなどの分野でも用いられています。
『スリーセット理論』を立証した研究結果
この『スリーセット理論』を立証したのが、イギリスのセントアンドリュー大学の研究です。
この研究では、被験者の女性に、男性の印象を3回に分けて調査し、その男性への印象がどの程度変化するのかを実験しました。
また実験者は、被験者の女性に対して、以下のように男性に対する印象を意図的に誘導するよう促しました。
- 男性が女性に嫌われるような態度をとる。
- 男性が過去のつらい経験を話し、人と接することが苦手だと女性に告げる。
- 女性に優しい態度をとり、1回目の態度を謝罪する。
実験の結果、被験者である女性の90％が、男性に対して好印象を持てると評価し、1回目の印象（第一印象）は消えてなくなっていました。
この結果のように、最初の印象が悪かったとしても、それ以降の接触によって挽回できることがわかりました。
人間が相手の印象を決定する「3つのステップ」
具体的には、以下のステップで相手の印象を決定することになります。
- 1回目：主に見た目によって「第一印象」を決める。
- 2回目：第一印象を再確認し「内面」を評価する。
- 3回目：再確認した印象を評価し「固定」する。
1回目：「第一印象」
最初の接触では「第一印象」を持ちます。
1回目以降の接触で評価が定まっていくとはいえ、『初頭効果』によって「第一印象」が後の評価に強く影響を及ぼすため、大切なタイミングと言えます。
※『初頭効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
人やモノに対するイメージ形成が「第一印象」という情報で行われ、その後の評価に影響を与える『初頭効果』。発生するメカニズムや第一印象を決める要素、ビジネスシーンでの活用例、「ポジティブ」にする・「挽回する」方法について解説しています。
2回目：再確認し「内面」を評価
2回目の接触では、最初の印象を再確認し、内面を評価します。
振る舞い次第によって、最初の印象がより補強されるか、逆に修正されるようになります。
3回目：印象を「固定化」
そして3回目の接触で、相手に対する印象を「固定化」し、それ以降の接触の際にもその印象が持続されるようになります。
「1回目」に接触する際に注意すべきポイント
言わずもがな「第一印象」は評価を大きく左右するため、このタイミングで相手に「良い印象」を与えることがポイントになります。
「第一印象」は出会って「3秒～5秒」で判断されると言われており、初見の印象がとても大切です。
『メラビアンの法則』によると、第一印象は以下の3つの要素によって成り立っているとされています。
- 視覚情報・・・服装や髪型、表情やしぐさ
- 聴覚情報・・・声のボリュームやトーン、スピード
- 言語情報・・・言葉遣い、会話の内容
さらに、この3つの要素がそれぞれ相手に与える印象の割合としては、以下のパーセンテージだと言われています。
- 視覚情報・・・55％
- 聴覚情報・・・38％
- 言語情報・・・7％
つまり「何を話すか」という言語情報ではなく、「どんな人がどんな振る舞いで話すか」という非言語情報が、印象を決定づける大きなポイントになる、というわけです。
「2回目」に接触する際に注意すべきポイント
「2回目」の接触では、第一印象を再確認し「内面」を評価するため、言葉遣いなどの言動に注意してコミュニケーションをとる必要があります。
もしも、1回目の接触であまり良い印象を与えられていないと感じているのであれば、ポジティブに捉えてもらうために積極的に会話をするなどして「ギャップ」を感じさせることが挽回につながりやすくなります。
また、出会ってから「2回目」のタイミングでは、初対面では中々しにくい「踏み込んだ話」をすることが理想的です。
1回目の接触で得た相手の情報（出身地や趣味嗜好、ビジネスに対する姿勢など）に、失礼のない範囲で踏み込んで会話することで、共感性を得やすくなります。
ちなみに「込み入った話」をする際に有用なテクニックとしては『自己開示』が知られています。
自身の感情や価値観、趣味や家族、仕事や性格、経験や身体的特性などについて、弱みを含めて正直に伝える『自己開示』。活用するメリットやビジネスシーンでの4つの例、7つの注意点などについて解説しています。
「3回目」に接触する際に注意すべきポイント
「3回目」の接触では印象を「固定化」するため、気を抜かずにコミュニケーションをとる必要があります。
仮に「第一印象」と「再確認」でポジティブに評価されていたとしても、相手に不快感を与えるような言動をしてしまうと、序盤の好印象がガラッと変わってしまいます。
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この続きでは、「3回以上」接触している人に「好印象」を与える方法と、
『スリーセット理論』のビジネスシーンへの活用例について解説しています。
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