『パーキンソンの法則』とは?
組織を構成するメンバーは、昇進し続けてステージが変わることで活躍できなくなってしまう=無能化してしまう。
その結果、組織全体が無能化し機能不全を起こしてしまう、という『ピーターの法則』(※)に関連して、組織の損害を最小限に留めるため、あえて無能な人材を意図的に(主に中間管理職に)昇進させるという『ディルバートの法則』(※)と『パーキンソンの法則』があります。
※『ピーターの法則』に関しては、こちらの記事をご覧ください。
興味や説得力を持たせる心理的効果が見込める『ジンクピリチオン効果』。活用例や使う際の注意点やポイントを交えて解説しています。
※『ディルバートの法則』に関しては、こちらの記事をご覧ください。
興味や説得力を持たせる心理的効果が見込める『ジンクピリチオン効果』。活用例や使う際の注意点やポイントを交えて解説しています。
『パーキンソンの法則』とは、「十分に時間があっても締切間際まで時間がかかってしまう」「収入が増えても支出も同じくらい増えてしまうこと」を指します。
『パーキンソンの法則』の由来
『パーキンソンの法則』は、イギリスの歴史・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンによって提唱され、2つの法則から成り立っています。
この『パーキンソンの法則』は、第二次世界大戦前のイギリス帝国内のお役所事情から導き出されたとされています。
・第一の法則
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
・第二の法則
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
『パーキンソンの法則』の原理・メカニズム
第一の法則は、仕事の量が増えていないにもかかわらず、役人の数が増え続けたことが起源となっています。
背景としては、出世するために部下を増やす必要があり、増えた分だけ何かしらの業務が新たに創り出されることで担当する業務量は減少しなかったことがわかっています。
「与えられた時間を満たすように業務は拡大していく」というわけです。
第二の法則は、常に国家予算を使い切り、税金の負担は増加し続けていた状況が起源となっています。
「お金などの資源をあればある分だけ使ってしまう」というわけです。
ビジネスにおける『パーキンソンの法則』の例
ビジネスに直結する第一の法則にフォーカスして例を挙げます。
(早く終わらせられるのに)締切の直前まで後回しにしてしまう
社内外問わず、タスクには締切や納期が存在します。
時間的な余裕があり過ぎると、ついつい後回しにしてしまい結局、締切や納期間際になってしまう、ということが挙げられます。
(早く終わらせられるのに)事前に決めた時間いっぱいミーティングをしてしまう
オンライン・オフライン問わず、ミーティングは事前に時間範囲を設定・共有します。
こちらも時間的な余裕があり過ぎると、アジェンダについての議論がすでに終わっているのに予定していた時間終了までミーティングしてしまう、ということも例として挙げられます。
『パーキンソンの法則』を回避するための5つの方法
『パーキンソンの法則』の回避策としては5つ、挙げることができます。
あらかじめ計画を立てる
あらかじめ実施する業務を行う順番やペース配分といった計画を立てれば、後回しせずに順序立てて実行する可能性が高まります。
時間的猶予を考慮せず自身で締切・納期を決める
「いつまでに終えればよい」というデッドラインベースで考えるのではなく、業務配分を決め締切や納期を設定するということです。
自身で「少し急がなければいけないぐらい」の期限を設けることで、意識して生産性を高めるようになることが期待できます。
業務を細かく分割する
業務を分割することによって、着実に順序立てて進めていくことが可能になります。
そのために、業務を細かく分割して効率をアップさせるということです。
業務の実施時間を明確にする
一日のうち「●時から●時まで」は必ず、その業務に時間を費やすといった形で、業務の実施時間を明確にするということです。
先延ばしにしてしまわないよう、その時々で自身が何をすべきか明確にすることが大切なポイントとなります。
担当する人員を減らす
複数名で実施する業務であれば、担当する人員を減らすというのも有用な回避策といえます。
人員が多ければ多いほど、お互い任せあったりするケースが増えるので、必要最低限、もしくは少し足りないくらいの人員で取り組むようにすることで意識的に生産性を高めることにつながります。
最後に
「十分に時間があっても締切間際まで時間がかかってしまう」という『パーキンソンの法則』を理解し対策すれば、時間に余裕を持つことができ、短い時間で多くの業務を実施できるようになることが期待できるので、効率性・生産性を高めることも可能になります。
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