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『ストライサンド効果』(消すと増える法則)とは?
『ストライサンド効果』とは、インターネット上に公開していた情報を隠蔽したり削除することで、かえってその情報が拡散し、不本意な周知を招いてしまうという現象を指します。
公開していた段階では、誰も気にしていなかったが、削除することをきっかけにして、逆に広く宣伝することになってしまう、というものです。
インターネット上に公開した情報の場合、例えば検索サイトのキャッシュなどにより公開情報の痕跡を完全に削除することは困難であるため、掲載情報が削除されたことで興味を持った不特定多数の人間や、利害関係者などが削除情報の痕跡を見つけてアップロード・拡散するケースが多いことから「消すと増える法則」とも呼ばれています。
情報を隠したり削除すると、逆にその情報が広まってしまう現象とも言えます。
『ストライサンド効果』の由来
『ストライサンド効果』という言葉の由来は、アメリカの歌手・女優だったバーブラ・ストライサンドの名前から来ています。
2003年に、このバーブラ・ストライサンドが、インターネット上の自身の邸宅の空撮写真の公開を差し止めようとして裁判を起こした際、かえって世間の関心を集める結果になってしまった事案がきっかけとされています。
裁判という公共性のある事案になったことで、逆に注目を浴びることになってしまい、写真が拡散してしまったというわけです。
『ストライサンド効果』が発生するメカニズム・発生パターン
『ストライサンド効果』が発生するメカニズム
何かの事柄を隠されると、その事柄を知りたいという欲求を満たそうとするのは、人間の本能と言えます。
そのため、知りたいという欲求に駆られて『ストライサンド効果』が生じ、隠そうとしても広められてしまうというのは、
禁止や制限をされることで、興味や関心が湧き、衝動に駆られるという『カリギュラ効果』(※)と近しい心理現象と言えます。
※『カリギュラ効果』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
禁止や制限を設けることで興味を持ち行動してしまう『カリギュラ効果』の原理とマーケティングでの活用例、注意点について解説しています!
『ストライサンド効果』が発生するパターン
この『ストライサンド効果』が働きやすい対象と事象の例は以下の通りです。
≪『ストライサンド効果』が働きやすい対象≫
●有名人
●企業
●政治家や官僚
●富裕層 など
≪『ストライサンド効果』が働きやすい事象≫
●スキャンダル
●不祥事
●事故などのトラブル など
最近では、GoogleやYahoo!などの検索エンジンのほかにSNSも普及しているため、上記の対象や事象に関して広まりやすくなっています。
特にTwitterでは、失言や暴言、誹謗中傷など、人を不愉快にする発言の証拠を得るためにスクリーンショットをとる『魚拓』によって、スクショ画像という一定の根拠をもって共有・拡散がされるケースも多く見受けられます。
『ストライサンド効果』が発生した例としては、2019年4月に池袋の路上で発生した交通事故が挙げられます。
この事件の加害者が旧通産省・工業技術院のOBだったことで逮捕されるまで時間がかかり、実名もなかなか公表されなかったという見方が強く、「上級国民」として特別扱いされていると非難が集まりました。
「行政機関の官僚OB」の「死傷事故」ということで『ストライサンド効果』が働き、さらに事故に関する情報の隠匿によって、一般的に報道される交通事故よりも強く人々に記憶されることになりました。
『ストライサンド効果』の回避策・発生後の対策
インターネット上に公開した情報を削除するなどで隠すことで、閲覧者の好奇心を刺激してさらに拡散してしまう『ストライサンド効果』。
この心理事象に対する回避策や発生後の対策としては、以下が挙げられます。
- インターネット上に公開する前に、内容を精査する。
- 後日削除・非公開する可能性のある情報をインターネット上に公開しない。
- 公開情報に誤りがあった場合は、単純に削除せず公開情報に追記として付与する。
- 追記する場合は、経緯と事実を掲載し、必要であれば謝罪する。
マーケティング活動で拡散や『炎上』が発生した際の対応や予防策については、こちらの記事をご覧ください。
※SNS投稿や配信メール、コンテンツによるマーケティング活動で『炎上』が発生した際の対応や予防策について
マーケティング活動の一環であるSNS投稿や配信メール、コンテンツ。これらがきっかけで発生した『炎上』トラブルにどう対応するのか、そもそもトラブルを未然に防ぐには?『炎上』が起こる条件も含め解説しています!
※広告によるマーケティング活動で『炎上』が発生した際の対応や予防策について
マーケティング活動の一環で出稿する広告。この広告がきっかけで発生した『炎上』トラブルにどう対応するのか、そもそもトラブルを未然に防ぐには?『炎上』が起こる条件も含め解説しています!
最後に
インターネットは不特定多数の人々が閲覧・拡散することができる、『ストライサンド効果』が起こるリスクがある、ということを忘れずに、情報を発信する姿勢が大切になります。
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