小売業の現状と、抱える課題とその対策、売上を上げ店舗を繁盛させるために有用なマーケティングテクニックについて解説しています。
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小売業の現状とは?
まず、経済産業省が公開している『2023年上期小売業販売を振り返る』をベースに、小売業の現状を見てみます。
全体的な傾向
- 商業販売額:289兆7,010億円(前年同期比:+1.9%)
- 卸売業:210兆4,480億円(前年同期比:+0.5%)
- 小売業:79兆2,530億円(前年同期比:+0.5%)
- 百貨店・スーパー:10兆3,163億円(前年同期比:+4.6%)
- 百貨店:2兆7,924億円(前年同期比:+9.7%)
- スーパー(※1):7兆5,240億円(前年同期比:+2.8%)
- コンビニエンスストア:6兆1,286億円(前年同期比:+5.1%)
- 専門量販店3業態(※2):7兆8,594億円
- 家電大型専門店:2兆2,514億円(前年同期比:-3.2%)
- ドラッグストア:3兆9,886億円(前年同期比:+7.7%)
- ホームセンター:1兆6,194億円(前年同期比:-0.8%)
- その他(※2)(※3):54兆9,486億円
※1:従業員50人以上の小売事業所のうち、売場面積の50%以上についてセルフサービス方式を採用している事業所であって、売場面積が1,500m2以上の事業所。
※2:記載された数値は、経済解析室で計算した値。
※3:「その他」に含まれる業種:織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業(大型の食品スーパー、コンビニを除く)、自動車小売業(カーディーラーなど)、機械器具小売業(家電大型専門店を除く)、燃料小売業(ガソリンスタンド、プロパンガス小売など)、医薬品・化粧品小売業(ドラッグストアを除く)、その他小売業(ホームセンターを除く)、無店舗小売業(訪問販売や通信販売、テレホンショッピング、自動販売機による販売、産地直送、移動販売、インターネットショッピングも)。
「百貨店」のカテゴリー割合と前年比の動向
- 飲食料品←その他←婦人・子ども服・洋品←身の回り品←紳士服・洋品の順で割合が高い。
- 2023年上期の百貨店の販売額は前年同期比で9.7%の増加。店舗数は引き続き減少しているものの、1店舗当たりの販売額が増加。
「スーパーマーケット」のカテゴリー割合と前年比の動向
- 飲食料品←その他の商品←婦人・子ども服・洋品←家庭用品←紳士服・洋品・・・の順で割合が高い。
- 2023年上期のスーパーの販売額は前年同期比で2.8%の増加。店舗数、1店舗当たりの販売額ともに増加。
「コンビニエンスストア」のカテゴリー割合と前年比の動向
- ファーストフード←非食品(文房具や雑貨、たばこ、化粧品、医薬品など)←加工食品←サービス売上高(宅配便や宝くじ、航空券や宿泊券など)の順で割合が高い。
- 2023年上期のコンビニエンスストアの販売額は前年同期比で5.1%の増加。1店舗当たりの販売額が増加。
「家電大型専門店」のカテゴリー割合と前年比の動向
- 生活家電(冷蔵庫や洗濯機など)←情報家電(パソコンやゲーム機など)←AV家電(テレビやレコーダーなど)←その他(照明器具や太陽光発電、電動自転車など)←通信家電(スマホやモバイルバッテリー・ルーターなど)・・・の順で割合が高い。
- 2023年上期の家電大型専門店の販売額は、「カメラ類(ドライブレコーダーやドローンなど)」「情報家電」などが増加したものの、「生活家電」「AV家電」などが減少し、前年同期比で3.2%の減少。
「ドラッグストア」のカテゴリー割合と前年比の動向
- 食品(菓子類、米や飲料、冷凍食品など)←家庭用品・日用消耗品・ペット用品(バストイレキッチン用品や食器・調理用品、洗剤など)←ビューティーケア(化粧品関連)←OTC医薬品(処方薬以外の医薬品や漢方薬など)←調剤医薬品(処方箋に基づき調剤される医薬品など)・・・の順で割合が高い。
- 2023年上期のドラッグストアの販売額は、「トイレタリー」などが減少したものの、「食品」「OTC医薬品」などが増加し、前年同期比で7.7%の増加。
「ホームセンター」のカテゴリー割合と前年比の動向
- DIY用具・素材←家庭用品・日用品(バストイレキッチン用品や食器・調理用品、洗剤など)←園芸・エクステリア(門扉やフェンス、肥料や農薬など)←その他(衣料品や食品、たばこなど)←ペット・ペット用品・・・の順で割合が高い。
- 2023年上期のホームセンターの販売額は、「ペット・ペット用品」「オフィス・カルチャー(事務用品や玩具など)」などが増加したものの、「インテリア」「DIY用具・素材」「家庭用品・日用品」などが減少し、前年同期比で0.8%の減少。
小売業が抱える課題と対策
小売業全体の傾向を見ると、前期同期比約2%アップと堅調に推移していますが、順風満帆とは言い切れません。
課題を明確にしておくことで対策を練ることができるため、市場(マーケット)の現状と併せて把握しておくことは重要です。
課題としてはやはり「売上が伸びない・・・」
やはり最も大きな課題は、店舗が繁盛せず「売上が伸びない」ということではないでしょうか(どの業界でも挙げられる課題ですが・・・)。
日々、さまざまな施策を実施しているものの、思ったような成果が出ていないというケースがあるかと思われます。
例えば、小売業や飲食業の店舗集客や人手不足の解消、そして売上アップといった経営改善に貢献する『CASHIER』サービスを導入することも対策の一つと言えます。
店舗の運用に合わせて自由自在に設計できるマルチチャネルPOSシステム「CASHIER (キャッシャー)」。Android OSのPOSレジをベースにセルフレジ、モバイルオーダー対応はもちろん、幅広い決済方法にも対応。EC在庫連携や基幹システム連携などオリジナルのカスタマイズも低コストで実現します。
このほかにも、基本にまず立ち返って「売上を構成する要素」を整理し、必要な対策を講じることで、売上アップを阻害している要因が明らかになったり、実施すべき施策が把握できるかもしれません。
小売業の売上を「因数分解」してみると・・・
小売業の売上を構成する要素を見てみると、購入客数と客単価の2つで構成されています。
- 小売業の売上=購入客数×客単価
「購入客数」は、実際に商品を購入したお客様のことで、来店したお客様の数のことではありません。
また、「客単価」はお客様一人当たりの平均的な購入金額のことで、直近1年をベースに算出するケースが多く見受けられます。
つまり、売上を改善するための基本としては、「購入するお客様を増やすか」、「一人当たりの購入金額を増やすか」のどちらかになります。
「購入客数」
実際に商品を購入したお客様を指す「購入客数」。
購入客数を増やすには、品揃えを改善・拡充したり、周辺の競合店舗と比較してサービス品質をアップ、商圏を拡大して遠方のお客様も呼び込む、リピート客を増やす(ファン化)、といった対策が考えられます。
「(平均)客単価」
「(平均)客単価」とは、一人のお客様が1回の購入で支払う平均金額のことです。
客単価を高めることができれば、仮に来店客数や購入客数が伸び悩んだとしても、売上を増やすことができます。
この客単価を高める施策例としては、購入点数を増やしたり、新商品を積極的に売り出す、などが挙げられます。
「購入率」
店舗へ来店したお客様のうち、どのくらいの割合の方が商品を購入したかを示す数値である「購入率」。
この購入率を高める施策は、「購入客数」を増やす施策と近しいのですが、若干違いがあります。
「購入客数」を増やすためには、「来店したお客様」に目を向けますが、「購入率」を高めるためには「来店する前のお客様」もターゲットにします。
そして「来店して購入したお客様」と「来店したが何も購入しなかったお客様」の違いを考えることが、購入率を高める大きな手掛かりになります。
いくら「来店客数」が増えたとしても、「ご購入いただくお客様」が増えなければ、売上が上がることはありません。
「滞在時間(滞留時間)」
また小売業界では、売上は店舗への来店客の「滞在時間(滞留時間)」に比例する、と言われています。
来店客が店舗内に留まる時間が伸びるほど、売上も伸びやすくなるということです。
滞在時間(滞留時間)を高める施策としては、販売スタッフの接客や、什器(商用の器材)を設置する、チラシを配布する、店内でかけるBGM、拡販イベントを開催するなどが挙げられます。
とはいえ「滞在時間(滞留時間)」を伸ばすことには注意点があります。
店舗が中小規模の場合、お客様に長時間滞在していただくことで店舗内が混雑したり、対応するスタッフが不足してしまうなどが起こってしまいます。
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この続きでは、「購入客数増加」「客単価アップ」「購入率アップ」「滞在時間(滞留時間)増加」
それぞれのマーケティングテクニックについて解説しています。
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