「大きな要求→小さな要求」でハードルが下がり引き受けてしまう!?『ドア・イン・ザ・フェイス』

まず大きな要求を提示して断られた後に本命の小さな要求をすることで、
本命の要求を受け入れてもらいやすくする『ドア・イン・ザ・フェイス』
。発生するメカニズムや日常やビジネスシーンでの活用例、
活用する際に起こりがちな失敗例とその対策、フット・イン・ザ・ドアとの違いなどについて解説しています。

『ドア・イン・ザ・フェイス』を解説したPDFデータを無料でプレゼント!

『ドア・イン・ザ・フェイス』を解説したPDFデータを無料でプレゼント!

ご希望の方は、上記画像のクリック先のメルマガフォームに「氏名」「会社名(もしくはフリーランスなど)」「メールアドレス」、
「お問い合わせ内容」欄に『ドア・イン・ザ・フェイス』ホワイトペーパー希望、と記載して送信をお願いします。

『ドア・イン・ザ・フェイス』とは?

『譲歩的要請法』とも呼ばれる『ドア・イン・ザ・フェイス』

『ドア・イン・ザ・フェイス(Door in the Face)』とは、まず大きな要求を提示して断られた後に本命の小さな要求をすることで、本命の要求を受け入れてもらいやすくするテクニックのことです。

慣用句の「shut the door in the face(門前払い)」が由来で、セールスマンが訪問販売時に「断られることを前提にドアから顔を覗かせる」という行動が由来となっており、『譲歩的要請法』とも呼ばれています。

特徴

相手は納得感や満足感を得やすい

過大な要求の後に受け入れてもらいたい小さな要求を提示することで、相手は妥協したうえでの納得感を得るようになります。

また、「大きな要求を断ってそれよりも小さな要求を引き受ける」ため、相手が「交渉によって自分に有利な結果になった」と満足感を得ることも特徴です。

『アンカリング効果』との関連性

「アンカー(錨・いかり)」が語源となっている『アンカリング効果』

『ドア・イン・ザ・フェイス』は、アンカリング効果と呼ばれる心理作用と関わりがあります。

『アンカリング効果』とは、最初に与えられた情報(アンカー)が基準となって、その後の意思決定に影響を及ぼすという、行動心理学の認知バイアスの一つです。

最初に提示される情報(例:大きな要求)が、その後の意思決定に影響を及ぼすという点は、『ドア・イン・ザ・フェイス』と共通すると言えますが、『アンカリング効果』は「最初の情報との対比によって要求を受け入れやすくする」のに対して、『ドア・イン・ザ・フェイス』は「最初に提示する過大な要求を断らせて、その後の要求を通しやすくする」という点においては違いがあります。

『アンカリング効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

発生するメカニズム・仕組み

1つ目の要求を断ることで「譲歩」や「妥協」が促される

『ドア・イン・ザ・フェイス』は、返報性の原理』という心理効果が起因となります。

具体的には、最初の要求を断ったという「罪悪感(後ろめたさ)」や、「(結果的に)相手が譲歩したのだから、自分もせめて2つ目の要求は受け入れよう」という心理が作用するからです。

『返報性の原理』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

日常やビジネスシーンにおいての活用例

汎用性の高い交渉テクニック

この『ドア・イン・ザ・フェイス』は日常生活だけでなく、仕事の依頼やクライアントへの「価格」や「納期」交渉といったビジネスシーンにおいても活用されるテクニックです。

日常シーンでの例:子どものおこづかいのおねだり

最初の「5,000円」という要求を「見せ球」にする

  • 子ども「おこづかいを5,000円ちょうだい」
  • 親「5,000円もダメだよ」
  • 子ども「じゃあ、1,000円でいいからちょうだい!」
  • 親「(1,000円ぐらいならいいか)仕方がないなぁ」

『ドア・イン・ザ・フェイス』を使って、はじめに「5,000円」という過大なお願いをして拒否されますが、その後に負担の小さい「1,000円」をお願いすることで、受け入れられやすくなります。

ビジネスシーンでの例:社内の頼みごと

「断ってしまって申し訳ない」という感情を抱かせる

例えば、部下に対して急ぎの業務を対応してもらい場合。

  • 上司「突然になって悪いけど、急ぎの案件があるから今日1時間ぐらい残業してくれるかな?」
  • 部下「いや、今日は用事があるので残業はちょっと・・・」
  • 上司「それじゃあ、30分だけでいいから対応してくれる?」
  • 部下「(30分なら何とかなるか)わかりました」

最初に「1時間の残業」のお願いを断ったことで、部下は「断ってしまって申し訳ない」という感情が芽生えます。

その後、譲歩する形で「30分の残業」をお願いすることで、部下は受け入れやすくなります。

ビジネスシーンでの例:商談時の「見積提案」

あらかじめ「譲歩可能な価格」を設定しておく

ビジネスシーンであれば、例えば商談時の「見積提案」が挙げられます。

あらかじめ定価よりも低い「この価格までなら譲歩できる」という価格を設定しておきます。

その後、顧客への見積もりを「定価価格」を提示し、顧客側が難色を示し値引きを依頼された際に、あらかじめ設定しておいた「譲歩できる価格」を提示します。

そうすることで、顧客側は「こちらの提案が受け入れられた」と感じるようになり、交渉を有利に進めることができるようになります。

商談の「空振り」を回避しやすくなる『ダウンセル』

この手法は、『ダウンセル』というセールステクニックと言い換えることができます。

ビジネスシーンでの例:取引先からの納期調整の依頼

事前に「譲歩できる納品日時」を社内調整しておく

商談時の「見積提案」と同様に、取引先からの納期調整の依頼時に、あらかじめ社内調整をして「譲歩できる日時」を見出しておき、取引先にはその譲歩可能な日時よりも遅めの日時を伝えます

取引先からその日時を了承されればそれはそれでOKですが、仮に「もっと早くしてください」と要望を受けた際には、用意しておいた「譲歩できる日時」を提案することで、その日時を承諾してくれる確率が高まります

『フット・イン・ザ・ドア』との違い

混同しがちな『フット・イン・ザ・ドア』

『ドア・イン・ザ・フェイス』と混同しがちな心理テクニックに『フット・イン・ザ・ドア』があります。

この2つの手法は、どちらも交渉やセールス、マーケティングにおいて用いられますが、アプローチが異なるため、理解したうえで相手によって使い分けることが必要になります。

『フット・イン・ザ・ドア』とは?

『段階的依頼法』とも呼ばれる交渉テクニック

フット・イン・ザ・ドア(Foot in the Door)』とは、最初に小さな要求を承諾すると、次の段階で大きな(本命の)要求を受けた際に承諾しやすくなるという心理に基づいた交渉テクニックのことです。

つまり、最初にハードルの低い要望を受け入れることで、次の段階でより大きな要望を受けたとしても、負担を(それほど)感じることなく受け入れてしまうというテクニックです。

『ドア・イン・ザ・フェイス』と同様に、交渉時やセールスシーンといったビジネスでも、日常生活でも活用することができる心理テクニックとして知られ、『段階的依頼法』とも呼ばれています。

『フット・イン・ザ・ドア』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

違い①:要求の順番

「大きな要求→小さな要求」か「小さな要求→大きな要求」か

『ドア・イン・ザ・フェイス』と『フット・イン・ザ・ドア』の違いの一つとして、「要求の順番」が挙げられます。

  • ドア・イン・ザ・フェイス:大きな要求→小さな要求
  • フット・イン・ザ・ドア:小さな要求→大きな要求

『ドア・イン・ザ・フェイス』は、最初にあえて「大きな要求」を提示し、相手がそれを断った後に「(本命の)小さな要求」をしていく手法です。

一方、『フット・イン・ザ・ドア』は逆に、最初に相手が受け入れやすい「小さな要求」を提示し、それが承諾された後に「大きな要求」をしていく手法です。

違い②:起因する心理的効果

『返報性の原理』か『一貫性の原理』か

また、「起因する心理的効果」も違いの一つです。

  • ドア・イン・ザ・フェイス:返報性の原理が起因する。
  • フット・イン・ザ・ドア:一貫性の原理が起因する。

『ドア・イン・ザ・フェイス』は、最初に提示された過大な要求を断ったことで、その後に提示される小さな要求を受け入れようとする『返報性の原理』が起因となっています。

一方、『フット・イン・ザ・ドア』は、一度引き受けたことに対して「一貫性を持とう」とする心理によって、後に出される要求も受け入れやすくなる『一貫性の原理』が起因しています。

それぞれ効果を発揮するケースとは?

対象となる相手との関係性や性格に応じた使い分けがポイントに

『ドア・イン・ザ・フェイス』と『フット・イン・ザ・ドア』は、対象である顧客や、顧客それぞれの性格によって使い分けることが重要となります。

  • ドア・イン・ザ・フェイス:すでに何度も交渉をしている見込み客や契約している既存顧客に有効。
  • フット・イン・ザ・ドア:まだ関係性が築けていない新規顧客候補や見込み客に有効。

『ドア・イン・ザ・フェイス』は、すでにある程度の関係性を築けている、何度も交渉をしている見込み客や既存顧客に対して有効な手法です。

一方、『フット・イン・ザ・ドア』は、新規顧客候補(潜在顧客)や見込み客といった、まだ関係性が築けていない場合に有効な手法です。


この続きでは、『ドア・イン・ザ・フェイス』を活用する際に起こりがちな失敗例とその対策について解説しています。

『ドア・イン・ザ・フェイス』を解説したPDFデータを無料でプレゼント!『ドア・イン・ザ・フェイス』を解説したPDFデータを無料でプレゼント!

ご希望の方は、上記画像のクリック先のメルマガフォームに「氏名」「会社名(もしくはフリーランスなど)」「メールアドレス」、
「お問い合わせ内容」欄に『ドア・イン・ザ・フェイス』ホワイトペーパー希望、と記載して送信をお願いします。

25の心理テクニックをまとめたコンテンツを¥2,000で販売中!

副業ビジネス≪Webライティング≫で継続案件を勝ち取るために有効な『心理テクニック』を販売中!

株式会社SBSマーケティング

株式会社SBSマーケティングでは、BtoB(企業間取引)を中心にマーケティングや集客に関連したコンサルティングサービスをご提供させていただいております。

中堅・小規模企業様向けサービスはこちら


個人事業主&フリーランス様サービスはこちら

お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

お問い合わせイメージ

メルマガ登録で無料プレゼント!!ご登録はコチラから

マーケティングは試行錯誤を重ねる必要がありますが、リソースの制約などによって思うように時間をかけることはできません。

現状や課題、求める成果をお聞きしてマーケティングの確度を上げるために併走させていただきます。