
旅行先などで解放的になって、普段ならしないマナー違反や迷惑行為をしてしまう『旅の恥はかき捨て現象』。
海外からのインバウンドだけでなく日本国内の観光客にも見受けられる現象です。この「観光公害」とも呼ばれるオーバーツーリズムの代表的な問題、
なぜオーバーツーリズムが発生してしまうのか、4つの対策方法とすでに生じている弊害、求められる姿勢・態度などについて解説しています。
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日本文化として認識されつつある「おもてなし」
日本の文化とも言える「おもてなし」の心。
2020年の東京オリンピック招致の際に、IOC総会でのプレゼンテーションにて滝川クリステル 氏が、この「おもてなし」という言葉を使い、その精神をアピールしたことで世界的に注目されるようになりました。
そもそも「おもてなし」とは、「もてなす」の丁寧語です。
「もてなす」とは、「ものを持って為しとげる」から来ており、ここで言う「もの」とは、物理的な物体だけでなく目に見えない事象も含まれます。
つまり、物や心を使って、お客様に対する扱いや待遇を良いものにすることを意味します。
また、「おもてなし」という言葉には、「表(おもて)無し(なし)」、つまり表裏が無いという意味も含まれていると言われています。
表裏の無い心でお客様を迎える、という精神をあらわしているのです。
「インバウンド」が進む中で顕在化する「オーバーツーリズム」
国の施策として推し進められている「インバウンド」。日本文化とも言える「おもてなし」の心も相まって、訪日外国人観光客は増加し続けています。
訪日外国人が増えることで経済的効果が生じている一方、観光地への過剰な訪問によって「オーバーツーリズム(観光公害)」が引き起こされています。
特定の観光地に観光客が集中することで、交通渋滞や自然環境・住民の生活環境の悪化などが生じています。
これらの問題は、地域の住民生活を脅かすことになり、結果として観光地などの持続可能性を損なうリスクがあります。
- マナー違反
- 受け入れ体制の不備
- 地域への財政負担
- 理不尽なクレーム
オーバーツーリズムの問題:マナー違反
「オーバーツーリズム(観光公害)」によって、ゴミのポイ捨てや騒音、文化財の破損など、マナー違反が問題となっています。
2024年8月、靖国神社の石柱に中国語で「トイレ」を意味する文字が落書きされているのが見つかりました。
警視庁は器物破損事件として捜査を開始、その後、中国人の14歳の少年が関わった疑いがあるとして逮捕状を取りましたが、落書きが見つかった当日に羽田空港から中国に帰国したことが確認されています。
靖国神社は、明治以降の日本の戦争・内戦において政府・朝廷側で戦没した軍人らを祭っているため、歴史認識や政教分離の観点からさまざまな意見がある複雑な問題と言えます。
2024年に、山梨県の「ローソン河口湖駅前店」が注目されることになりました。
富士山の絶景とコンビニが組み合わさって「映える画像」が撮影できるとして、インバウンド観光客が殺到したため、自治体が対面の道路側に「目隠し」としての黒幕が張る対応を取る事態に発展しました。
発端となったのが、海外のインフルエンサー。台湾のインフルエンサーが、2022年秋に富士山とローソンの画像をSNSで拡散したことで一躍有名になり、インバウンド客の中で「聖地」として認識されることになりました。
この「富士山LAWSON」の問題も、観光地が「オーバーツーリズム」とどう向き合うのかを考えるきっかけになったことであると言えます。
オーバーツーリズムの問題:受け入れ体制の不備
通常のインバウンドとともに、大阪・関西万博開催による宿泊需要の増加に対応するため、民泊施設の需要が高まっています。
地域の空き家を活用したり、長期滞在に適した価格設定など、民泊施設の地域・観光客ともにメリットを享受できることから施設数が増加しています。
その一方で、観光客を受け入れる体制が整っていないこともあり、施設周辺や宿泊部屋でゴミを散乱させるなどで施設・地域住民に負担が生じています。
この問題は、受け入れる民泊施設側の体制不備よりも、宿泊客の「民度」「国民性」が大きく影響していると思われますが。。
オーバーツーリズムの問題:地域への財政負担
2025年4月、中国籍の男性が富士山で立て続けに2回遭難するという事故が起こりました。
1度目は、山頂付近まで登った際、「アイゼン(登山靴の底に取り付けて滑り止めとして使用する金属製の爪がついた用具)」を失くしてしまい、下山できなくなり消防に通報し防災ヘリコプターで救助。
その4日後、1回目の現場に置き忘れた携帯電話を回収するために入山したが、体調不良で倒れ、救助隊員が担架で登山口まで搬送。
このケースを発端に、山梨県民・静岡県民の税金で対応されている遭難救助費用の有料化(自己負担)を求める問題にまで発展し、今後の成り行きが注目されています。
観光客の富士山への「弾丸登山」も問題視されています。
山小屋に止まらずに夜通しで山頂を目指す登山を意味する「弾丸登山」。
この登山方法では、軽装で行うケースが多いため、低体温症や高山病、ほかにも落石や滑落のリスクを高めるため、危険な行為とされています。
対策として、山梨県側・静岡県側それぞれで、夜間の入山をさせないためにゲートを閉鎖して規制を強化したり、登山者の事前登録や通行料を徴収しつつ注意喚起を行うことで、危険な登山者は減少傾向になっています。
オーバーツーリズムの問題:理不尽なクレーム
海外からの観光客だけでなく日本人観光客にも、悪質な行動が見受けられます。
来場者が数百万人規模にもなる花火大会。多くの人で混雑する際に起こるのが「トイレ問題」。
開催された花火大会周辺の店舗に対して、トイレを貸さないことに観光客が腹を立てて、Googleマップでその店舗に低評価をしてしまう。
飲食店店舗であれば、百歩譲って「まだ」理解できますが、一般住宅にトイレを借りようとする観光客もいるそうで、「民度」の低い悪質なケースと言えます。
なぜ「オーバーツーリズム(観光公害)」が起こるのか?
なぜ「オーバーツーリズム(観光公害)」が起こってしまうのか?
これは、日常的に生活する場所ではない環境であることで「羽目を外す」心理が作用していることが原因の一つなのではないか、と考えられます。
この心理行動を、ことわざを由来にして『旅の恥はかき捨て現象』と(個人的に)呼んでいます。
「旅の恥はかき捨て(掻き捨て)」とは?
「旅の恥はかき捨て」とは、知らない土地では普段しないようなことでも、「その場限りで済む」ので平気でやってしまう、という意味のことわざです。
旅行先では、普段の生活圏とは異なり、周囲に自分のことを知っている人がいないため、気が大きくなったり緩んだりして、普段はしないような行動をとってしまうことがあります。
そんな行動は「その場限り」で終わるため、後々まで影響が残らない、という考え方に基づいています。
つまり、旅行先などでは解放的になって、普段なら自制してしないようなマナー違反や迷惑行為をしてしまう(正当化してしまう)傾向をあらわしたのが、『旅の恥はかき捨て現象』というわけです。
ちなみに海外では、「What happens in Vegas, stays in Vegas(ラスベガスで起きたことはラスベガスに残り、ほかの場所には持ち越さない)」という類語が知られています。
『旅の恥はかき捨て現象』への対策
旅行先などで解放的になって、普段ならしないマナー違反や迷惑行為をしてしまう『旅の恥はかき捨て現象』が発生する原因として、そもそも旅先でのマナー違反や迷惑行為を普段の生活圏でもしている場合も考えられます。
それは「文化の違い」、「国民性」や「民度」に起因するので、根本的な解決は難しいと言えますが、旅先だからと「羽目を外す」場合であれば、以下のような対策が効果的と言えます。
- 普段の環境とは異なる旅先であっても「ダメな行為」であると認識させる
- 「羽目を外す」理由を排除するために「外堀」を埋める
- 自治体・行政として「仕組み化」する
- 「敷居を上げる」ことで『旅の恥はかき捨て現象』に陥った人を避ける
普段の環境とは異なる旅先であっても「ダメな行為」であると認識させる
マナー啓発を強化したり罰則を強化し、旅先であっても「ダメな行為」であると周知徹底することが、観光公害を防止する策の一つと言えます。
「羽目を外す」理由を排除するために「外堀」を埋める
普段とは違う環境で「羽目を外す」理由を排除し、環境を整えることも対策です。
例えば、多言語対応されていないから「横柄に振る舞ってしまう」のであれば、多言語対応可能なスタッフを配置する・表記を徹底して布石を打つという対策が考えられます。
自治体・行政として「仕組み化」する
民間企業の局所的な対策だけでなく、自治体・行政の立場で全体的な視点で「仕組み化」を進めることも、対策の一つです。
観光客の集中を緩和するために、アナウンスを強めて観光ルートや時期、地域を分散させる、観光エリア全体で統一のルールを設けて施設への入場制限や予約制を導入する、ゴミ箱を増やす、無料Wi-Fiなどのインフラ整備を進めるといった方法が挙げられます。
「敷居を上げる」ことで『旅の恥はかき捨て現象』に陥った人を避ける
自他ともに意識を変化させることは難しいことです。
旅先で「羽目を外させない」ように意識変容を促したとしても、すぐに変わらない人が多いのも事実で、特に民間企業はそれらの活動に注力するわけにはいきません。
そこで、販売する商品やサービスの価格を上げることで、マナー違反やクレームをする客層そのものを変えることも対策と言えます。
言い換えれば、販売する商品やサービスを「大切に感じてくれる人」にターゲットを絞る、ということです。
※海外の観光客の場合、円安状況であるため、価格帯を余程上げなければ効果が薄いかもしれませんが。。
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この続きでは、すでに生じている『旅の恥はかき捨て現象』による弊害や、求められる姿勢について解説しています。
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