
ポジティブな情報よりも、ネガティブな情報に注意を向けやすく、記憶にも残りやすくなる『ネガティビティバイアス』。
発生例や生じる影響、「ネガティブな情報」を優先してしまうメカニズム、克服する方法やメリットについて解説しています。
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『ネガティビティバイアス』とは?
『ネガティビティバイアス(Negativity Bias)』とは、ポジティブな情報よりも、ネガティブな情報に注意を向けやすく、記憶にも残りやすいという性質をあらわす心理学の用語です。
提唱したのは?
この『ネガティビティバイアス』は、アメリカの心理学者である、ダニエル・カーネマン 氏らが明らかにし、2002年にノーベル経済学賞を受賞しました。
ダニエル・カーネマン 氏らの研究によると、研究の参加者に「ポジティブ」「ニュートラル」「ネガティブ」の3つの刺激を与える写真を見せたところ、最も脳が反応したのが「ネガティブ」な写真であることが明らかになりました。
この結果から、人間の性質として「リスク」の高い情報に対して敏感に注意を向ける傾向があることが判明しました。
『ネガティビティバイアス』の発生例
「ネガティブな情報」に注意が向くというのは、以下のようにさまざまなケースが考えられます。
幼少期の「つらい」記憶
個々人の幼少期などの過去の記憶においては、幸福な思い出よりも、つらい経験の方が鮮明に記憶される、という傾向があります。
「味覚」の違和感
何かを口にした際、思っていた匂いやいつもと違う味がした場合に、敏感に察知する。
相手の「機嫌」を察して振る舞いを変える
コミュニケーションをとる相手が機嫌を損ねていたり怒っていると、その相手の感情を察して身構えたり、寄り添うようになる。
スキャンダルや不祥事、不安を煽るようなニュースが関心を集める
著名人や有名人のポジティブな活動よりも、スキャンダルや不祥事の方が、世間の関心を集めやすい。
この傾向と関連して、メディアが報道するニュースやテレビCMといった広告でも、不安を煽ったりネガティブな内容の方が取り上げられやすいことも例として挙げられます。
情報の受け手である視聴者(消費者)に対して「不安を煽る」ことによって、『ネガティビティバイアス』により強い印象を与え、「予防しよう」「備えよう」と行動変容や、特定の商品やサービスの購買意欲を高めるという『不安マーケティング』を用いていると言えます。
※『不安マーケティング』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
人間の持つ「不安」や「恐怖」への本能を利用して、不安や恐怖を煽りその不安や恐怖を解消したいと思わせることで、特定の商品やサービスの購買につなげるよう誘導する『不安マーケティング』。なぜ起こるのか、発生を加速させる要因や発生例・活用例などについて解説しています。
同僚との過去の意見の相違を引きずる
ビジネスシーンにおいては、過去に意見が衝突した同僚に対して、不信感や苦手意識などネガティブな印象が先行してしまうケース。
『ネガティビティバイアス』によって生じる影響
『ネガティビティバイアス』が生じることで、個々のケースにつながる、以下のような影響を及ぼすことになります。
ネガティブな情報を「反芻」してしまう
『ネガティビティバイアス』の影響を受けると、その否定的な情報を「反芻(はんすう)」する(思考を繰り返す)ようになってしまいます。
すると、影響を受けた個人の意思決定やそれに伴う行動に対して、遅延や躊躇などのネガティブな影響が及ぶ可能性が生じてしまいます。
バッシングや炎上騒ぎに発展する
ほかにも、特にSNSといったソーシャルメディアで「ネガティブな情報」が拡散すると、『ネガティビティバイアス』の影響を受けたユーザーの関心を引き付けることにつながり、バッシングや炎上騒ぎに発展することも考えられます。
「ネガティブな情報」を優先してしまうメカニズム
「ネガティブな情報」を優先するメカニズムとしては、生存本能や記憶の仕組みが関わっていると考えられます。
人間の生存本能に基づく「リスクの回避」
「ネガティブな情報」を優先するのは、生物であるヒトが「リスクを回避」するために、進化の過程で身につけた「生き抜くための知恵」と言われています。
生物が生き抜くためには、危険な事象や命に関わるリスクやトラブルに注意を向けることが重要になります。
ヒトという生物が生き残るために、進化の過程で身につけたのが『ネガティビティバイアス』と言えるかもしれません。
ちなみに、行動経済学の理論に『損失回避バイアス(損失回避の法則)』があります。
このバイアスは、利得よりも損失を重視する、得るものよりも失うものの方が心理的に大きな影響を与える、という心理的傾向のことですが、このバイアスも人間の進化の過程で身につけた『ネガティビティバイアス』に根差した心理作用と考えられます。
※『損失回避バイアス(損失回避の法則)』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
利得と損失を比較する際、損失の方をより重大だと感じやすく、損失を回避しようとする心理的傾向である『損失回避バイアス(損失回避の法則)』。なぜ発生するのか、ほかの8つの心理効果との関係性、具体例やビジネスシーンへの応用例などについて解説しています。
「潜在記憶」にバイアスがかかり増幅して残ってしまう
「ネガティブな情報」を優先してしまうメカニズムは、記憶と関係しています。
人間の記憶は、「顕在記憶」と「潜在記憶」の2つに分類することができます。
- 顕在記憶:幼少期の思い出から数分前の出来事まで、個人的な体験記憶が含まれ、過去の記憶ほど「ポジティブなバイアス」がかかり、良い思い出として残りやすい傾向がある。
- 潜在記憶:価値観や性向、思い込みや感情的な記憶が該当し、自身の感じ方の基準になり、『ネガティビティバイアス』がかかる。
つまり、「潜在記憶」に『ネガティビティバイアス』が影響を及ぼすため、恥ずかしかったことや屈辱的な経験などに基づく感情的な記憶が、増幅されて蓄積することになります。
そのため、「良い思い出」よりも「悪い・嫌な思い出」の方が記憶に蓄積しやすくなる、というわけです。
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