煽りすぎ&煽られすぎにご用心!『不安マーケティング』

人間の持つ「不安」や「恐怖」への本能を利用して、不安や恐怖を煽りその不安や恐怖を解消したいと思わせることで、
特定の商品やサービスの購買につなげるよう誘導する『不安マーケティング』

なぜ起こるのか、発生を加速させる要因や発生例・活用例などについて解説しています。

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『不安マーケティング』とは?

「不安や恐怖を解消したい」という思いを購買行動へとつなげる手法

一般的に『不安マーケティング』とは、人間の持つ「不安」や「恐怖」という本能を利用して、不安や恐怖を煽りその不安や恐怖を解消したいと思わせることで、特定の商品やサービスの購買につなげるよう誘導するマーケティング手法のことを意味しています。

「不安や恐怖を解消したい」という思いが、(購買)行動を起こす大きなモチベーションになるというわけです。別名『恐怖マーケティング』とも呼ばれています。

『マーケティング』は「売るための仕組み作り」と意味されることが多いですが、「不安を煽ることで売る仕組みを作る」というのが『不安マーケティング』と言えます。

要は、「こんな不安や恐怖を抱えていませんか?」と自ら不安や恐怖を煽って「その不安や恐怖を解消するには〇〇(当社の商品やサービス)がオススメです」と解決策を提示する自作自演的な手法とも言えます。

自分で不安や恐怖を煽り、自分でそれらを解消する手立てを提案する

古来より用いられている『不安マーケティング』

現代と古来の不安マーケティングで異なる「対象」

この『不安マーケティング』は、現代になって用いられたのではなく、古来から用いられていた手法です。

ですが比較すると、現代と古来とでは不安や恐怖の「対象」に違いがあります。

昔は不安や恐怖が明確だった

昔は「自然災害」や「捕食動物」「敵対する部族や民族」など、不安や恐怖を喚起する脅威が具体的に存在していました。

まれに目には見えない「精霊などの霊体」などもいましたが、そういったケースでは呪術師や霊媒師が対処していました。

明確でない脅威には別で対応

しかし、近現代においては「不安や恐怖を喚起する脅威」の多くが抽象的になっています。

ヒトとモノが過剰に流動する環境と技術革新によって複雑化することによって発生する「金融不安」や「雇用不安」、「社会不安」や「健康不安」などが常態化しています。

つまり、具体性のない抽象的な不安や恐怖が常態化している時代の中を生きているということです。

そんな中で、『不安マーケティング』や『恐怖マーケティング』といった、人々の心理を巧みに利用したビジネスや社会的運動が頻発しているというわけです。

なぜ起こるのか?

3つの心理事象が発生要因として挙げられます

『不安マーケティング』の発生理由については諸説あると思いますが、以下の心理事象が発生に大きく寄与していると考えられます。

損失回避バイアス・損失回避の法則

発生要因①:損失回避バイアス・損失回避の法則

利得と損失を比較する際、損失の方をより重大だと感じやすく、損失を回避しようとする心理的傾向である『損失回避バイアス(損失回避の法則)』(※1)

人間は何かを失う恐怖を極端に嫌う傾向があるため、得をするよりも損をしたくないと感じ、失うという不安や恐怖を回避したいと強く思う心理を利用するケースが考えられます。

※1:『損失回避バイアス』『損失回避の法則』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

同調圧力・同調バイアス

発生要因②:同調圧力・同調バイアス

周囲の人々や面識のないSNSなどの多数の意見や、行動の「常識」や「普通」「ルール」という価値観を、少数意見に暗黙的に強制する『同調圧力』『同調バイアス』(※2)

人間は群れの中で生きているため、自身が所属するコミュニティ(学校や職場など)から外れてしまうことに本能的に恐怖を抱いています。

また、集団にとって異質な存在は排除するという集団心理が働くため、同調することで嫌われたり孤立しないような言動をして身の安全を図ろうとする本能が働きます。

「みんなが選んでいるから自分も」「(自分の意思とは違うけれど)みんなと同じにしなければならない」と不安や恐怖を感じて、自身以外の大多数に同調することで不安や恐怖を解消したい(同調したい)となることが考えられます。

※2:『同調圧力』『同調バイアス』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

バンドワゴン効果

発生要因③:バンドワゴン効果

他者に影響を受けて判断や行動を促される『バンドワゴン効果』(※3)

「バンドワゴン」とは行列の先頭を行く「楽隊車」を意味していますが、「みんなが持っているなら自分も欲しい」「世の中の流行に乗り遅れたくない」というある種の不安や恐怖が作用することで効果が発揮されると考えられます。

※3:『バンドワゴン効果』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

不安マーケティングの発生を加速させる要因

テレビ番組・テレビCMが主流だった

テレビ番組内でタイアップ広告のように紹介される。

↓(いま、こんな不安や課題が → こんな商品・サービスによって解決できます)

番組の合間で、その商品・サービスのCMが流れる

CMだけでなくテレビ番組内でも取り上げられることで『ザイオンス効果』(単純接触効果)(※4)が発揮され、興味関心や好感度が高まりやすくなります。

接触する頻度が増えると関心度や好感度が高まりやすい

※4:『ザイオンス効果』(単純接触効果)の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

テレビがメディアの主流だったこれまでは、上述の「テレビCM」「テレビ番組内での特集→テレビCM」が効果を発揮していましたが、特に若年層にはテレビ離れが進んでおり、SNS広告に軸足がシフトしている傾向になっています。

特に若年層に向けてはSNS広告へ移行

不安マーケティングの発生例・活用例

昔より用いられてきた『不安マーケティング』は、すでにさまざまな業界で使われています。

※以下は『不安マーケティング』の観点から取り上げていますが「不安や恐怖を煽っているから実施しなくてよい」ということではありません。

肌トラブルへの不安→美容クリニック

発生例・活用例①:美容

美容業界の『不安マーケティング』もかなり顕著で、ネガティブな訴求を強めて不安や恐怖をかき立てています。

気になってしまうシミやそばかすといった「肌トラブル」。「放置しているとますます悪化してしまい消えずに残ってしまいます」と不安や恐怖を煽り「当美容クリニックであれば痛みも少なく治療・解決できます」と提示。

その後にカウンセリング予約や治療予約へと誘導するというパターン。

こういったパターンは、このほかのビジネスでもLP(ランディングページ)などのコンテンツでもよく用いられています。

今の仕事への不安→転職エージェントサービス

発生例・活用例②:転職

「今の仕事・収入に満足していますか?」「今の職場で一生働きたいですか?」などで不安や恐怖を煽り、自社の転職エージェントサービスの登録を促すといったパターン。

変化することによって発生するかもしれない損失や失敗を恐れて現状を保持しようとする『現状維持バイアス』(※5)が働きがちですが、現状に留まることによる不安や恐怖を煽り、「今よりも満足できる仕事ができるかも」「収入がアップするかも」「今の職場よりも良い環境で働き続けたい」と変化への欲求をかき立てて転職へと誘導しています。

「現状を維持したい」というバイアスが働きやすいが・・・

※5:『現状維持バイアス』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

病気や事故、自然災害への不安→保険

発生例・活用例③:保険

病気やケガ、事故や死亡などの不測の出来事、火災や台風、地震といった自然災害などによって被る不利益やリスクに備える『保険』。医療保険や死亡保険、がん保険や自動車保険などが該当します。

それぞれ病気やケガ、ガン、突然の死亡や交通事故、自然災害といった将来起こり得る不安や恐怖をTVCMやWeb広告、ダイレクトメール(DM)を介して煽って該当する保険への加入を促しています。

病気への不安→病院での受診

発生例・活用例④:病院での受診・継続的な通院

「自分で判断して市販薬を購入・対処すると症状が悪化するケースがあります」「風邪だと思っていても思わぬ大病が潜んでいるかも」と不安や恐怖を煽り専門医に受診・来院を促すというパターン。

老後の不安→保険

発生例・活用例⑤:老後

長寿命化に伴って定年退職後の生活が長くなったこともあり、公的年金以外に安定した収入が無くなる可能性に不安を感じるケースも。
病気や事故とも共通しますが、生命保険や介護保険、終活資金の積み立て保険などが該当します。

「公的年金だけで不安ではないですか?」「老後の生活費は大丈夫ですか?」といった切り口で不安や恐怖を煽るというパターンが代表的です。

健康への不安→掃除機の購入

発生例・活用例⑥:日常生活の健康不安

日常生活では見えないミクロレベルのダニやハウスダストを可視化したCMを流し、健康被害に関する不安や恐怖を煽り、それらを駆除できる掃除機の購入へと誘導するパターン。

新型コロナウイルスへの不安→根拠が不明瞭な治療方法

発生例・活用例⑦:コロナ感染拡大時の信憑性のない噂

2020年1月以降、流行した新型コロナウイルスは、さまざまな『不安マーケティング』を発生させる要因となりました。

特に感染流行初期において、「〇〇がコロナに効く」「〇〇がコロナの治療法として有効らしい」とSNSで広まったり、感染予防として有効な商品と誤認させるケースが見られました。

新型コロナウイルスへの不安→ワクチン接種

発生例・活用例⑧:新型コロナウイルスのワクチン接種

コロナウイルスの感染予防対策としてワクチン接種が推奨されることになりましたが、5類感染症移行後もワクチンメーカーは「(特に高齢者は)感染すると大変ですよ」とマイルドに不安や恐怖を煽り、テレビCMなどで接種の推奨を継続しています。

コロナ禍のトイレットペーパーの買い占め騒動

SNSのデマ情報によりトイレットペーパーを買い占める事態に

記憶に新しいのは、新型コロナウイルスの感染拡大初期に起こった「トイレットペーパーの買い占め騒動」

2020年2月末に、SNS上に「トイレットペーパーの多くは中国で製造・輸出しているため、新型コロナウイルスの影響でこれから不足する」というデマが投稿されました。

すぐに製紙業界団体や自治体の首長もこのデマを否定する声明を発表しましたが、このデマ情報がソーシャルメディアで拡散・マスメディアを通じて日本全国規模で知られることとなり、それを見た人の多くがトイレットペーパーを買いに走った結果、2020年4月上旬まで全国的に品薄・品切れ状態が続くことになりました。

意図的に不安や恐怖を煽るのが『不安マーケティング』ですが、根拠が不明瞭な情報が拡散することで群集心理の『同調圧力』が働き、「無くなってしまうのでは?」と不安感や恐怖感に苛まれ、予期せぬ購買行動を促してしまうケースもあります。

子育て・育児の不安→コミュニティやベビー用品

発生例・活用例⑨:子育て・育児

子育て中の母親はストレスを抱えがちで孤立するケースが多い。そういった環境が虐待の引き金になることも。

そういった子育て・育児中の母親が抱えることの多い不安や恐怖に対して、孤立を解消できるコミュニティ事業や母親のニーズに合致したベビー用品を提供するといったケース。

子どもの学習や教育への不安→金銭的な投資

発生例・活用例⑩:子どもの学習・教育大谷大学教育学部が2019年3月1日に幼児や小学生の子どもを持つ保護者を対象に行った「幼児教育・小学校教育に関する保護者の意識調査」によると、回答者全体の77.0%は「子どもの教育に関して不安を感じている」と回答しています。

「友達との付き合い・関係」に次いで多かったのが「学習習得状況」「学習意欲」「家庭での学習習慣」といった「学習」や「教育」への不安。

将来がはっきりと見通せないものであるため、不安感や恐怖感を抱きやすく、子どもの学習や教育のためなら多少お金に糸目はつけないという判断をするケースが一定数あると考えられます。

現政治への不安や恐怖感→与党以外への投票

発生例・活用例⑪:政治・選挙

『不安マーケティング』は政治の世界でも用いられています。

政治を担う与党に対し、選挙時に「与党の進める政策を進めると〇〇(マイナスな効果)になる」とアピールし与党への不安や恐怖を煽り、自身が支持する他党への投票を誘導するというケース。

原発処理水の放流への不安や恐怖→自党の立て直し

発生例・活用例⑫:海外の政治的デモ

『不安マーケティング』は海外の政治でも用いられています。

福島第一原発事故後に日々、建屋内で発生する放射性物質を含む汚染水を浄化処理した「処理水」の放流に対して、韓国野党が「福島汚染水は放射能テロ」だと反対署名運動を実施しています。

韓国のポータルサイトによると、国民の10人中8人が「処理水」の放流を心配しているとされています。

福島第一原発が放流しようとしている「処理水」に対して不安感や恐怖感を煽り、自党が抱えているとされる問題局面から脱却しようとする狙いがあるという見方があります。

最後に

触れる機会が多くなってきている『不安マーケティング』に対して自分で検証する目を

人間の持つ「不安」や「恐怖」への本能を利用して、不安や恐怖を煽りその不安や恐怖を解消したいと思わせることで、特定の商品やサービスの購買につなげるよう誘導する『不安マーケティング』。

不安の多い現代では『不安マーケティング』に触れる機会が多くなってきているように思えます。

『不安マーケティング』を用いる側は節度を持つ、消費者として接する側は特定の人や情報だけに触れるのではなく、多面的に捉えて自分で検証する目を鍛える必要がありそうです

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