提案・交渉・説得が効果的になる!?『片面提示』と『両面提示』

セールストークテクニックである『片面提示』と『両面提示』
相手や状況によって使い分けることで、交渉を優位に進めることができたり、信頼関係を築くことが可能になります。
それぞれの特徴と活用例、活用する際の注意点、そのほかの交渉テクニックなどについても解説しています。

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セールストークの「2つのタイプ」

セールストークで効果を発揮する2つの手法とは?

営業マンや販売員のセールストークには、伝える内容によって「2つのタイプ」があります。

販売したい商品には、良い面があれば、悪い面もあります。

マーケティング用語として、良し悪しどちらか片方だけ強調して伝えることを『片面提示』、両方伝えることを『両面提示』と呼びます。

どちらの手法にも、メリット・デメリットが存在するため、一概にどちらが正しいとは言えません。

それぞれのテクニックを理解し、状況や相手との関係性に応じて使い分けることで、効果的に相手を説得できて交渉を優位に進めることができたり、信頼関係を築くことが可能になります。

『片面提示』とは?

主張に沿うことだけ提示する『片面提示』

相手に対してメリットだけ、もしくはデメリット(リスク)だけを伝える手法である『片面提示(one sided presentation)』

『一面提示』とも呼ばれ、「好き嫌い」などの感情的に判断してもらいやすいテクニックとして知られています。

『片面提示』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

『片面提示(一面提示)』のメリット

訴求したい事柄の「特徴」だけを強調して伝えることが可能

交渉や説得する相手に「何かして欲しい」場合にはメリット(良さ)だけを伝え、「何かをやめさせたい」場合にはデメリット(リスク)だけを伝えることで、訴求したい事柄の「特徴」だけを強調して伝えることが可能であることが『片面提示(一面提示)』の利点であると言えます。

『片面提示』が効果を発揮するケース

『片面提示』が有利に作用する4つのケース

訴求したい事柄の「良さ」だけを強調して伝える『片面提示』が効果を発揮するのは、以下の人物像が挙げられます。

  • 提案内容を「魅力的」に感じて「乗り気」になっている人
  • アクティブ・直感的な思考の人
  • 信頼関係が構築できている人
  • 商品知識を十分に有していない人

提案内容を「魅力的」に感じて「乗り気」になっている人

①「良さ」が最大限伝わり購買意欲が高まる

『片面提示』が効果的なのは、すでに提案した内容を魅力的に感じていて、購入に「乗り気」になっている人です。

具体的に購入を検討している段階であれば、「良さ」を印象付けるだけで、それが「最後の一押し」になるからです。

アクティブ・直感的な思考の人

②行動力があり直感的な人には端的に訴求すべき

対象となる相手が、アレコレ考えたくない直感的な思考の人である場合、メリットのみを伝えた方が単純明快に意思決定をしやすくなります。

信頼関係が構築できている人

③信頼関係が構築できていれば「両面」は不要な場合も

対象となる相手と価値観が似ていたり、すでに信頼関係を築けているのであれば、わざわざデメリットを伝えずにメリットだけを伝える『片面提示』の方が、納得感を得やすいケースもあります。

商品知識を十分に有していない人

④提案商品に詳しくない人には「良さ」を伝える

交渉する相手が、提案する商品に対する知識を持っていない場合、メリットや良さだけを伝えることで興味を深めてもらいやすくなります。

ビジネスシーンにおける『片面提示』の活用例

『片面提示』の3つの活用例

具体的なビジネスシーンにおいての『片面提示』の活用方法としては、以下のケースが挙げられます。

  • 「良さ・メリット」だけを強調する
  • 「機能・効果」を軸にアピールする
  • 「オトク」な情報だけを伝える

「良さ・メリット」だけを強調する

①不動産広告:物件の「良い点」だけを訴求する

例えば、不動産の賃貸物件を訴求する場合、「駅まで徒歩5分!新築物件!日当たり良好!」といったように、立地や設備面の「良さ」だけを強調するのが『片面提示』の活用パターンの1つです。

「機能・効果」を軸にアピールする

②ダイエットサプリ:誇大広告には注意が必要ですが

ダイエットサプリメントを訴求する場合であれば、「〇〇成分配合で脂肪燃焼をサポート!」といったように、商品の機能や効果を重点的にアピールするのも活用方法です。

「オトク」な情報だけを伝える

③購買意欲を高めるキャンペーン告知

キャンペーンの告知で、「先着〇名様限定!期間限定セール開催!」など、お得な情報だけを伝えるケースも、『片面提示』に該当するケースの1つと言えます。

なお、限定的・希少性に対して価値を感じて購買意欲が働く心理作用のことを『スノッブ効果』と呼びます。

『スノッブ効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

『両面提示』とは?

「良い面」も「悪い面」も伝える

相手を説得する際に、「メリット」と「デメリット」の両方を伝える手法である『両面提示(two sided presentation)』

『二面提示』とも呼ばれ、「欠点も晒すべし」のスタンスで、あえて不利になるような「デメリット」も含めて伝える分、説得力は弱まりますが、信頼感を得られつつ「もしもの際」にもクレームを受けにくくなります。

『両面提示』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

『両面提示(二面提示)』のメリット

二面を提示することで得られる5つのメリット

『両面提示』によって生じるメリットは、以下の点が挙げられます。

  • 「誠実」な印象を持たれやすい
  • 説明に「説得力」が増す
  • 「クレームの予防」につながる
  • 「LTV」を高める
  • 「不安なく」購入・導入できるようになる

「誠実」な印象を持たれやすい

①良し悪し「両面」を伝えることで信頼されやすくなる

人は、商品の購入やサービスの導入を検討する際、メリットだけでなくデメリットも検討材料にします。

そのため、『片面提示』を用いてメリットという「一面」を伝えるだけでは、「デメリットを隠しているのでは?」と疑念を抱いたり警戒されてしまうことになります。

デメリットも隠さず伝えることで、相手に誠実な印象を持たれやすくなり、信頼関係を築きやすくなるのです。

説明に「説得力」が増す

②しっかりと「両面」を伝えることで説得力も得られる

現在では、大抵の情報はインターネットで調べれば得ることができます。

そのため、販売する側は「相手が事前にある程度の情報を持っている」と想定するのが賢明です。

「利点だけ」を述べる『片面提示』では、信頼されないだけでなく、不信感を抱かれることにもなります。

利点と欠点の「両面」を包み隠さず伝えることで、説得力が増すことにもつながるのです。

「クレームの予防」につながる

③後で「デメリット」が表出するとクレームになってしまう

仮に「メリットだけ」を伝え、後々に「デメリット」が明らかになると、クレームが噴出してしまいます。

「デメリット」も併せて伝えることで、クレームのリスクを減らすことにつながります。

「LTV」を高める

④継続的な関係性を築く際に大きなポイントになる

昨今のビジネスでは、顧客との長期的な信頼関係を築き、「LTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)」を高めていくことが求められます。

「利点と欠点の両方」を伝える『両面提示』は、長期的な関係性を築く・LTVを高めることに対して、ポジティブな役割を担うことになるのです。

「不安なく」購入・導入できるようになる

⑤「両面」を把握することで「不確実性」が減ることに

「デメリット(欠点)」も隠すことなく伝えることで、相手にとっては「不確実性」が減り購入や導入を躊躇する理由が解消されることにつながり、不安を抱くことなく前向きな判断ができるようになります。

『両面提示』が効果を発揮するケース

効果的な5つのパターン

この『両面提示』が特に効果を発揮するケースとしては、以下が挙げられます。

  • 思慮深く疑問を持っている人
  • 論理的に判断する人
  • 商品知識を豊富に有している人
  • まだ信頼関係を築いていない人
  • 熟慮する・納得して決断したい人

思慮深く疑問を持っている人

①疑問を持たれている場合は「良し悪し」を伝える

説得や交渉する相手が思慮深く、内容に疑問を持っていたり、思想や価値観が異なる場合、デメリットも含めて提案する『両面提示』をすることで納得してもらいやすくなります。

論理的に判断する人

②論理的な思考の人には『両面提示』が有効

教育水準が高かったり、教養のある人に対しては、論理的に判断できる材料を提示する必要があります。

そのため、『両面提示』をして思考を促すことが効果的と言えます。

商品知識を豊富に有している人

③知識を持っていれば「デメリットがあって当然」と考える

提案する・交渉する相手が商品やサービスの情報に詳しい場合、デメリット(欠点)も伝えることで信頼感・共感を得やすくなります。

まだ信頼関係を築いていない人

④信頼されていないのに「良い面」だけ伝えられても警戒心を強めてしまう

初対面など、まだ信頼関係を築く前の段階の人は、メリットや良い面だけを提示されても警戒心から「何かウラがあるのでは?」と勘繰ってしまいます。

そこで、デメリットや悪い面も含めた『両面提示』をすることで、警戒心を解き、安心してもらえるようになります。

熟慮する・納得して決断したい人

⑤熟慮したい場合には「利点」も「欠点」も

高額であったり、購入や導入に相応の手間がかかる商品やサービスの場合、メリットとデメリットの両方をしっかりと吟味したうえで決断しなければなりません。

そんなケースであれば、良し悪しの両面を伝える『両面提示』が効果的です。

ビジネスシーンにおける『両面提示』の活用例

「利点」も「欠点」も伝える6つの例

『両面提示』が実際にビジネスシーンで活用されている例としては、以下のケースが挙げられます。

  • 欠点→利点で「興味をそそる」
  • 欠点→利点で「納得感」
  • 「インパクトのある欠点」が注目を集める
  • デメリットが「誠実さ」を表現
  • 「欠点」も隠さず公開することで信頼性を高める
  • あえて「違和感」を感じさせて注意を向ける

欠点→利点で「興味をそそる」

①鰻屋「30分時間がかかる→その分おいしい」

「30分お待ちいただくのは、おいしい鰻の証拠です」

鰻屋で見るキャッチコピーですが、「30分待つ=注文の後に捌いてじっくり炭火で焼く」という、待たせるという「欠点」を、おいしく焼くという「利点」と結び付けている好例の1つです。

欠点→利点で「納得感」

②家電量販店「高額ですが多機能」

「こちらの商品は高額ですが、さまざまな機能が付いています」

家電量販店でのセールストークの一例ですが、先にデメリットである「高額」を伝えられることで、その後のメリット「多機能」に納得しやすくなります。

「インパクトのある欠点」が注目を集める

③キューサイの青汁「まずくても健康に良い」

「まずい!もう一杯!」

キューサイ株式会社の有名な「青汁」の広告ですが、「まずい!」という消費者にとっての「デメリット」をあえて言うことでインパクトを演出しています。

消費者からすると、「まずい!」と伝えられることで商品の特徴が鮮明になり、不確実性が減って「買ってみよう」という意欲を促されることになります。

デメリットが「誠実さ」を表現

④再春館製薬所のドモホルンリンクル「初めての人には売りません」

「初めての方にはお売りできません」

株式会社 再春館製薬所が製造・販売する基礎化粧品ブランドである「ドモホルンリンクル」。

この「ドモホルンリンクル」の広告で用いられているキャッチコピーですが、まず商品を試してもらって納得した顧客のみに販売する手法を表現していて、商品への自信と顧客への誠実な姿勢を裏付けています。

「デメリット」と思える内容を「メリット」として伝え、イメージアップや説得力を高めることに成功した例と言えます。

「欠点」も隠さず公開することで信頼性を高める

⑤レビューサイト「ネガティブなコメント」も掲載する

レビュー(口コミ)サイトでは、あえて「悪いレビュー」も掲載することで、ユーザーのネガティブな声という「欠点」を披露し、商品の信頼性を高めることに一役買っています。

とはいえ、「悪いレビュー」ばかりだと購入を敬遠されてしまうので、「良いレビュー」数とのバランスが必要になりますが。

あえて「違和感」を感じさせて注意を向ける

⑥ワケあり商品の販売「見た目は良くありませんが・・・」

「見た目は決して良くありません」

ワケあり野菜の販売サイトなどで見かけるキャッチコピーですが、こういった「ネガティブな情報」を提示することで、受け手である消費者は「違和感」を感じます。

人は「違和感」を感じると、自然と目が留まってしまうものです。

「広告なのになぜネガティブなことを?」と、意図的に「矛盾」を感じさせることで、受け手に『認知的不協和』を生じさせ、感じた矛盾を解消するために興味関心を持ってもらう効果が期待できます。

『認知的不協和』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

セールストークの手法はほかにも。

片面提示・両面提示以外に交渉の場面で使えるテクニック3例

営業マンや販売員の方々が提案や交渉、説得の場面で使えるテクニックはほかにもあります。

代表例としては、以下の3つの手法が挙げられます。

  • 『フット・イン・ザ・ドア』
  • 『ドア・イン・ザ・フェイス』
  • 『ローボール・テクニック』

「小さな要求→大きな要求」で承諾率アップ!?『フット・イン・ザ・ドア』

①「段階を踏む」ことで要求や依頼を承諾しやすくなるテクニック

最初に「小さな要求」を承諾すると、次の段階で「大きな(本命の)要求」を受けた際に承諾しやすくなる『フット・イン・ザ・ドア(Foot in the Door)』

ビジネスシーンにおいては、以下のようなケースで活用すると効果的とされています。

  • 最初にBtoCであれば試供品BtoBであればサービスの無料体験版などを提供することで、「良さ」を知ってもらいつつ、心理的ハードルが下がり購入に対して意欲的になりやすくなる。
  • 店舗を構える小売業においては、店頭に特売品や割引商品を陳列することで、客足を引き付けて、店内奥の高額商品のコーナーまでの導線を考慮し誘導しやすくなる。
  • 「続きはWebで」というキャッチコピーをきっかけに、Webの該当ページに流入してもらい、理解を深めてもらうことで購入の可能性が高まりやすくなる。

『フット・イン・ザ・ドア』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

「大きな要求→小さな要求」でハードルが下がり引き受けてしまう!?『ドア・イン・ザ・フェイス』

②『譲歩的要請法』とも呼ばれる『ドア・イン・ザ・フェイス』

まず「大きな要求」を提示して断られた後に本命の「小さな要求」をすることで、本命の要求を受け入れてもらいやすくする『ドア・イン・ザ・フェイス(Door in the Face)』

ビジネスシーンにおいては、以下のようなケースが例として挙げられます。

  • あらかじめ定価よりも低い「この価格までなら譲歩できる」価格を設定し、顧客へ見積もりを提示した後に難色を示し値引きを依頼された際に、設定しておいた「この価格までなら譲歩できる」価格を提示する。
  • 「譲歩できる納期日時」を社内調整しておき、取引先にはその日時よりも「遅めの日時」を伝え、急かされた時には「譲歩できる納期日時」を提案する。

『ドア・イン・ザ・フェイス』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

悪条件を「後出し」されても受け入れてしまう!?『ローボール・テクニック』

③承諾してもらった後に不利な条件を付け加える手法

まず相手に好条件を提示し、承諾してもらった後に不利な条件を付け加える『ローボール・テクニック(Low Ball Technique)』

ビジネスシーンにおける、消費者・受け手側の視点での遭遇シーン例は以下の通りです。

  • スマホアプリに割引クーポンが届いたことをきっかけに飲食店に来店したところ、その対象メニューはすでに売り切れしぶしぶ別メニューを注文してしまう。
  • スマートフォンを買い替えようとした際に「他社からの乗り換え無料」と聞いていたため契約したが、販売スタッフから契約後に解約する際に違約金が発生することなどを伝えられた。結局手続きをしてしまった

『ローボール・テクニック』の詳細については、こちらのページをご覧ください。


この続きでは、『片面提示』『両面提示』それぞれを用いる際の注意点について解説しています。

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