インターネットを介して「活用可能な資産」を売買・シェア(貸し借り)するビジネスモデルを意味する『シェアリングエコノミー』。
市場規模感やメインとなる5つの領域、普及が進んでいる背景やメリット、具体例や注意点、安全に利用するためのポイントについて解説しています。
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『シェアリングエコノミー』とは?

海外だけでなく日本国内でも拡大を続けている『シェアリングエコノミー』。
『シェアリングエコノミー』とは、インターネットを介して「活用可能な資産」を売買・シェア(貸し借り)するビジネスモデルのことです。
ここで言う「資産」には、モノや場所だけでなくスキルなどの無形資産も含まれます。
また『シェアリングエコノミー』は、従来の「大量生産・大量消費」型の『リニアエコノミー』ではなく、資源を循環利用し廃棄ゼロを目指す『サーキュラーエコノミー』の一類型として知られています。

企業と個人(BtoC)、企業と企業(BtoB)の取引もありますが、個人間の取引(CtoC)が多いことが、『シェアリングエコノミー』の特徴と言えます。
※『CtoC』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
市場規模が右肩上がりに拡大している『CtoC(C2C)』。ビジネス例やメリット・デメリット、CtoCビジネスの基盤である『シェアリングエコノミー』、『CtoC』以外のビジネスモデルについて解説しています。
『シェアリングエコノミー』の市場規模


一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社 情報通信総合研究所の共同調査結果によると、2024年度の『シェアリングエコノミー』の市場規模は「3兆1,050億円」と予想しています。
2022年度比で「18.7%増加」しており、コロナ禍で急減した「民泊事業(スペース)」が回復したことが要因として挙げられています。
※引用:「シェアリングエコノミー関連調査 2024年度調査結果」
一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社 情報通信総合研究所の共同調査結果
『シェアリングエコノミー』における5つの領域

今後、増加していく可能性がありますが、現状において『シェアリングエコノミー』は以下の5つに分類されます。
- 「お金」のシェア
- 「スキル」のシェア
- 「移動」のシェア
- 「モノ」のシェア
- 「スペース(空間)」のシェア
「お金」のシェア

「お金」のシェアは、資金を出し合って目標を達成させるサービスのことです。
具体例としては、「クラウドファンディング」が挙げられます。
「クラウドファンディング(Crowdfunding)」とは、インターネットを経由して「群衆(Crowd)」から「資金調達(Funding)」をする仕組みのことです。
起案者が「成し遂げたいこと」や「プロジェクト」をサイト上で発信し、それに共感した不特定多数から小口の資金を集めるもので、新商品の開発や地域活性化、社会貢献活動などに適していて、支援者は援助額や達成度合いに応じて、返礼品(リターン)や金銭的な利益を受け取ることができます。
「スキル」のシェア

「スキル」のシェアは、保有する技能や特技、労働力をシェアするサービスのことです。
具体例としては、「家事代行」や「ベビーシッター」、「家庭教師」や「クラウドソーシング」などが挙げられます。
ビジネス関連、生活サポート関連など、さまざまな分野で「スキルのシェア」が進んでいます。
「移動」のシェア

「移動」のシェアとは、自動車や自転車などの乗り物をシェアするサービスのことです。
具体例としては、「カーシェア」や「サイクルシェア」などが挙げられます。
「安価に移動手段を得たい」人のニーズを満たすもので、広く普及が進んでいます。
「モノ」のシェア

「モノ」のシェアとは、普段使わないモノを有効活用するためにシェアするサービスのことです。
具体例としては、「ファッションシェアリングなどのレンタルサービス」や「オンラインフリーマーケット」などが挙げられます。
「スペース(空間)」のシェア

「スペース(空間)」のシェアとは、使っていない場所や住宅などをシェアするサービスのことです。
具体例としては、「民泊」や「シェアハウス」、「駐車場」や「貸倉庫」、「貸し会議室」などが挙げられます。
地域が抱える課題の解決に一役買うことから、いろいろな取り組みが展開されています。
『シェアリングエコノミー』の普及が進んでいる背景

『シェアリングエコノミー』が注目を浴びている背景には、主に以下の4つの要因が影響していると考えられます。
- IT技術の進歩
- スマートデバイスの普及
- 価値観の変化
- 節約志向の広まり
IT技術の進歩

『シェアリングエコノミー』が普及している背景には、「IT技術の進歩」が挙げられます。
インターネットが普及したことによって、従来は難しかった個人間の取引が低コスト・迅速にできるようになりました。

「ソーシャルメディア」の登場も、『シェアリングエコノミー』の普及に大きく貢献しています。
個人間で取引をする際、双方のニーズのマッチングと相手についての信頼性が不明な点が課題となりますが、シェアリングサービスのプラットフォームと「ソーシャルメディア」が連携することで解決され、身近なものとなっています。
スマートデバイスの普及

スマートフォンやタブレット端末などの普及も、『シェアリングエコノミー』の広がりに貢献しています。
時間や場所に縛られることなく、手元のスマホやタブレットでインターネットに接続してサービスを利用できるようになったため、普及が広がっているというわけです。
価値観の変化

「価値観の変化」も、『シェアリングエコノミー』の普及に大きな影響を与えていると考えられます。
1950年代の戦後における経済復興の時代においては、「幸福感と所有物」間には強い相関関係がありました。
生活用品などの「モノ」が不足していた時代背景もあって「所有」に対する欲求が強く、「モノを多く所有している人ほど幸福である」という価値観が主流でした。

その後の現代では、多くのモノに溢れるようになったため「所有」に対する欲望が薄れています。
つまり、物品を所有することに価値を見出す「モノ消費」から、体験や経験を得る「コト消費」へ価値観がシフトしたことが『シェアリングエコノミー』に注目が集まる要因になっているのです。
節約志向の広まり

また、日本景気の長期的な低迷、非正規雇用の増加などによる「節約志向」の人々が増えたことも、『シェアリングエコノミー』普及の要因と言えます。
所有せずにシェアし合う『シェアリングエコノミー』であればコストを抑えやすくなるため、選ばれているというわけです。
『シェアリングエコノミー』のメリット

『シェアリングエコノミー』によってもたらされるメリットとしては、企業側・利用者(消費者)側双方にとってさまざまあります。
- 「資産」を有効活用できる
- 経済的負担を抑えて利用できる
- 経済効果が高まる
- 「環境保全」にポジティブな効果
「資産」を有効活用できる

保有している「活用できていない資産」を使って収益を得られるようになることが、『シェアリングエコノミー』のメリットの一つです。
例えば、使っていない会議室を「貸会議室」にする、押し入れの奥にしまっている衣類をシェアするケースなどが挙げられます。
経済的負担を抑えて利用できる

「モノ」を所有する必要がなくなることによる経済的負担の減少も、『シェアリングエコノミー』のメリットです。
レンタル料金などの「少額」の負担で、必要なモノを必要な時だけ利用でき、所有することで生じる「維持管理費」や「保管場所の確保」なども不要になります。
経済的な負担を抑制しつつ、シンプルなライフスタイルを実現できる、というわけです。
経済効果が高まる

消費者同士で『シェアリングエコノミー』を利用し合うことで、消費が促進されて経済効果の向上が期待できるようになります。
「シェア」すれば金銭的ハードルとともに心理的ハードルも下がるため、消費行動が活発になるわけです。
「環境保全」にポジティブな効果

モノや空間、移動手段などを有効活用する『シェアリングエコノミー』によって、新品購入の減少による資源消費の削減、廃棄物やCO2排出量の削減といった環境保全効果が期待できる点も、メリットと言えます。
『シェアリングエコノミー』の具体例

代表的な『シェアリングエコノミー』の例としては、以下の企業活動が挙げられます。
- Uber
- LUUP
- メルカリ
- クラウドワークス
- Airbnb
- notteco
Uber

2009年にアメリカで誕生した世界最大級の配車アプリ・プラットフォームである Uber(ウーバー)。
スマホアプリで一般ドライバーの車を呼び、現在地への配車、目的地への移動、キャッシュレス決済、ドライバーの評価までを完結できる「ライドシェア」サービスが主軸。
日本国内でも、2024年4月2日からUberアプリを使ったタクシー会社によるライドシェアがスタートしています。

ほかにも、飲食店と配達パートナー、利用者をつなぐプラットフォーム「Uber Eats」も展開しています。
LUUP

電動キックボードや電動アシスト自転車のシェアリングサービスを展開している LUUP(ループ)。
「街じゅうを『駅前化』するインフラをつくる」をコンセプトに掲げ、スマホアプリでポート(設置場所)を探し、街中を自由に移動・返却できます。
東京、大阪、京都、横浜、名古屋、広島など主要都市で展開しており、短距離の移動を便利にする、新しい街のインフラとして浸透しています。
メルカリ

スマホから誰でも簡単に不用品を売買できる、日本最大級のフリマアプリである メルカリ。
「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」をミッションに掲げて2013年から事業を開始しています。
2025年時点では約2,300万人のMAU(月間アクティブユーザー)を記録し、2022年11月には30億品(出荷数・出品数累計)を突破しました。
クラウドワークス

仕事を発注したい企業・個人と、スキルを持つ個人(クラウドワーカー)をオンライン上でマッチングするサービスである クラウドワークス(CrowdWorks)。
Webデザインやライティング、動画編集やデータ入力、プログラミングなど幅広い案件を有している、日本最大級のオンライン・クラウドソーシングサービスとして知られています。
Airbnb

空き部屋や家を貸したい「ホスト」と、現地のユニークな宿泊先を探す「ゲスト」をマッチングさせる世界最大級の民泊・宿泊プラットフォームである Airbnb(エアビーアンドビー)。
「誰でもどこでも居場所が見つかる世界(Belong Anywhere)」をミッションに掲げるアメリカの事業者です。
notteco

同じ目的地や方面へ向かうドライバーと同乗者をマッチングし、ガソリン代や高速代などの実費を割り勘する、日本最大級の長距離ライドシェア(相乗り)サービスである notteco(のってこ!)。
主に帰省や旅行、イベント参加などの際に、格安かつ効率的に移動手段を確保できるWebサービスとして知られています。
『シェアリングエコノミー』の注意点

『シェアリングエコノミー』に関する注意点としては、以下の点が挙げられます。
- 提供者の「信頼性」に乏しい
- 提供者によって「サービスの質」が異なる
- 「責任の所在」が曖昧
- 「保険」や「補償制度」が不十分なケースも
- 「法整備」が追いついていないことも
提供者の「信頼性」に乏しい

個人の所有物を気軽にシェアできる『シェアリングエコノミー』。
一方で、提供者の「信頼性」の担保が徹底されていない点が注意点(デメリット)の一つと言えます。
提供者によって「サービスの質」が異なる

『シェアリングエコノミー』では、必ず企業や事業者がサービスを提供しているわけではないため、提供者によっては「サービスの質」が低い場合も。
事前に口コミや評判をチェックするといった対策を講じることができますが、常に同じサービスを提供できるとは限らないため注意が必要になります。
「責任の所在」が曖昧

個人間の取引が基本となる『シェアリングエコノミー』。
見知らぬ不特定多数との取引となるため、お互いの「信頼関係」に依存する形になりがちです。
そのため、責任の所在が曖昧になることがあり、トラブルが発生した際に取引相手と連絡が取れなくなる、プラットフォーマーが対応してくれないなど、解決に苦慮するケースも。
「保険」や「補償制度」が不十分なケースも

サービスの提供側・利用者側双方に課題として挙げられるのが、「保険」や「補償制度」です。
「モノ」のシェア・・・フリマサービスなどの場合、何かトラブルが生じた際に当事者間で解決することには限界があります。
そのため、仲介役のプラットフォームで「保険」や「補償」に関する規約がどの程度整備されているかがポイントになります。

「移動」のシェアの場合、利用者個人が加入している保険には「事業・商用利用」を対象外とするケースがあり、「シェア」で生じた事故に対する補償がされないというケースも。
また「空間(スペース)」のシェア・・・民泊の場合、宿泊したゲストによる設備破損や備え付けの家電や備品の持ち去りといったトラブルが想定されます。
こういった事態に備えて、ゲストへのルールの明記・徹底はもちろんですが、「民泊専用保険」などに加入しておくこともリスクヘッジになります。
「法整備」が追いついていないことも

『シェアリングエコノミー』というビジネスモデル自体、比較的新しいサービスであるため、取り扱う商品やサービスによっては法律の整備が追いついていないこともあります。
例えば、「空間(スペース)」のシェアに該当する民泊の場合、急速なサービス増加に安全面や衛生面の確保がなされず、近隣トラブルなどが社会問題になりました。
そこで健全な民泊サービスの普及を図るために、2018年6月に「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が制定されました。
つまり、まだまだ発展途上のビジネスモデルである『シェアリングエコノミー』であるが故に「法的なグレーゾーン」が存在するので、サービスや商品の提供者・利用者ともに注意を払うことが必要になります。
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この続きでは、『シェアリングエコノミー』を安全に利用するためのポイントについて解説しています。
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