知名度や認知度アップが期待でき店舗立地の悪さを挽回できる!?『電柱広告』

法令を遵守した公道上に掲出可能な広告媒体である『電柱広告』(電柱看板)。出稿する側にどんな効果・メリットがあるのか、懸念点(デメリット)や出稿費用感、どんな業種・ビジネスが向いているのかについて解説しています。

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見かけたことはあるけど身近ではない?『電柱広告』

生活では身近すぎて意識しないと見ないかも?

販売対象が一般消費者であるBtoC(企業対消費者)ビジネスでは、昔から用いられている『電柱広告』

消費者として日常生活で見かけることはあるものの、いざ自身の事業・ビジネスで活用を検討しようと思っても、知らないことが多いのではないでしょうか。

この記事では、前段となる電柱について、『電柱広告』を出稿する側にどんな効果・メリットがあるのか、懸念点(デメリット)や出稿費用感、どんな業種・ビジネスが向いているのかについて解説します。

そもそも電柱は日本に何本ある?

フェルミ推定で有名な問題の一つとして知られていますが・・・

「わからないもの」を概算するフェルミ推定の代表的な問題として挙げられる「日本に電柱は何本あるか?」

ここでは、そのフェルミ推定で導き出すのではなく国土交通省のデータを見てみます。

出典:国土交通省 電柱本数の推移

公開されている電柱本数の推移は2016年までとなっていますが、2008年から4年単位で見てみると約25万本、年単位では約7万本ずつ増加している傾向となっています。

ちなみに、電柱には、一般家庭などに電気を送る「電力柱」と、電話などの通信を目的とした「電信柱」の2種類があります。

なぜ日本で電柱が増加したのか?

戦後復興で豊かになった日本

なぜ日本で電柱がここまで増加したかというと、第二次世界大戦後の復興期や高度経済成長期を経て先進国の仲間入りを果たした日本では、一般家庭に白黒テレビや電気洗濯機、電気冷蔵庫という「三種の神器」が普及し、また電話が各家庭に設置されるなど、生活が豊かになりました。

復興する中で電気や電話の需要が高まることで「電柱」も増加

電柱はもともと、戦後復興のために「一時的に」という名目で立てられました。

ですが、上述の高度経済成長期に電気や電話の需要が高まることで、電柱(電力柱と電信柱)を次々と立てて対応しなければなりませんでした。

そういった流れによって、本来は「一時的に」のはずだった電柱が、「当たり前」のものになってしまいました。

『電柱広告』とは?

公道上(道路上)に掲出できる広告媒体=電柱広告

『電柱広告』(電柱看板)とは、法令を遵守した公道上に掲出できる広告媒体のことです。

公道上(道路上)に掲出できることで、通行人やドライバーといった「町ゆく人々」の目につきやすく、店舗への道案内や地域生活者への知名度や認知度のアップに効果的とされています。

電柱広告の種類と規格

「巻付タイプ(2枚1組)」と「突出タイプ・掛けタイプ(両面)」

電柱広告には、「巻付タイプ(2枚1組)」と「突出タイプ・掛けタイプ(両面)」の2種類があります。

①巻付タイプ

巻付タイプ(2枚1組)とは、歩行者の目線の高さに掲出するため、通行時や立ち止まった際に目に留まりやすく、人の往来の多い場所に設置すると効果的な看板広告です。

②突出タイプ・掛けタイプ

突出タイプ・掛けタイプ(両面)とは、電柱の上部に掲出するため、遠くからでも見えやすいタイプの看板広告です。

そのため、自動車のドライバーや遠方からの歩行者に対する誘導に適していると言えます。

電柱広告の特徴・メリット

さまざまなメリットのある『電柱広告』(電柱看板)

電柱広告を出稿するとどんな効果を得られるのか、主な特徴やメリットは以下の通りです。

知名度や認知度のアップに効果的

①知名度や認知度のアップに貢献

『電柱広告』(電柱看板)は、さまざまな広告媒体の中でも「公道上(道路上)」に掲出できることが特徴と言えます。

そのため、通行人やドライバーといった「町ゆく人々」の目につきやすく、地域生活者への知名度や認知度のアップに効果的とされています。

実店舗へスムーズに誘導が可能

②視認性の高さによる店舗へのスムーズな誘導

『電柱広告』(電柱看板)の最大の特徴は「視認性の高さ」です。

そして、数十メートル間隔で電柱に連続して広告の掲出が可能なため、例えば店舗へのスムーズな誘導を促しやすいという効果が見込まれます。

比較して安価な出稿料金

③比較的安価な広告料金

オンライン・オフライン、デジタル・アナログさまざまな種類の広告媒体がありますが、それらと比較しても安価な料金設定で、お財布事情(予算)に合わせた利用が可能です。

掲出するまでの手間のかかる作業を代行

『電柱広告』(電柱看板)を掲出する際には代理店を介することから、その代理店によって生じるメリットもあります。

※『電柱広告』には、法令等により掲出場所や広告内容などに一定の制限があります。また代理店業者によって提供サービスが異なる点にご注意ください。

手間のかかるデザイン~手続~取付作業を対応

まずは、デザインや掲出場所のプランニング、取り付けや屋外広告の法的手続といった、手間のかかる作業を一括して対応が可能である点です。

定期的なメンテナンス

次に、掲出する電柱広告の管理体制が挙げられます。

代理店では定期的な点検を行っており、広告効果を妨げるような立て看板やビラの除去、美観を保つための清掃といったメンテナンスを実施しているようです。

また、計画的に掲出広告の取り替え・塗替再製を実施し、取替え時に広告デザインのリニューアルをすることも可能な業者もいるようです(伴う費用に関しては別途確認が必要です)。

電柱広告の掲出(出稿)料金の例

初期費用は数万、月額費用は数千円程度が相場

株式会社 東広によると、取付けまでの費用は¥16,000(税別)、月額広告料については、東京23区の場合は¥3,300(税別)~¥6,000(税別)といった費用感となります。

また、株式会社 電電広告によると、看板製作・設置料金など(1個/初回のみ)の巻付タイプの場合は¥23,100(税込)、突出タイプ・掛けタイプの場合は¥27,500(税込)、1か月/1個の広告料金は¥2,200(税込)~¥4,400(税込)となっています。

さらに、東電タウンプランニング 株式会社によると、突出タイプ・掛けタイプ、巻付タイプともに初期費用/1個は¥17,600(税込)、月額広告料金/1個は¥2,200(税込)~¥6,600(税込)となっています。

一般的に電柱広告の契約単位は1年単位が多い傾向で、予算や掲出目的に応じて出稿数を自由に選べ、他広告と比較するとリーズナブルな料金で利用が可能です。

※実際の費用の詳細については、各業者様へご確認ください。

電柱広告の懸念点

今後電柱そのものが無くなるかも?

電柱広告の懸念点として挙げられるのが「無電柱化」です。

「無電柱化」とは、国土交通省の中部地方整備局によると「道路の地下空間を活用して、電力線や通信線などをまとめて収容する電線共同溝などの整備による 電線類地中化や、表通りからみえないように配線する裏配線などにより道路から電柱をなくすこと」と定義されています。

「無電柱化」が遅れている日本

日本よりも世界の先進都市で進む「無電柱化」

東京都の多摩地域北部に位置する小平市の資料によると、日本の東京23区の無電柱化率は8%、大阪市は6%(ともに2017年時点)、ロンドンやパリは100%(2004年時点)、香港(2004年時点)や台北(2015年時点)、シンガポール(2001年時点)も90%~100%の高い水準で無電柱化が進められています。

このデータを見ると、世界の先進都市と比べて、日本がいかに「無電柱化」が遅れているかがわかります。

とはいえ「無電柱化」は着々と進行中

世界各国と比較すると遅れているとはいえ着々と進む「電線類地中化」

上述の「電柱本数の推移」では、2008年~2016年で年単位で約7万本ずつ増加していて、世界の先進都市と比較して「無電柱化」が遅れている日本ですが、特に都内では電柱を見かける機会が少ないのではないでしょうか?

東京都では「無電柱化」が着々と進められていて、昭和61年度(1986年)の「電線類地中化計画」に基づいて整備を進めた結果、令和元年度末(2019年)時点において、整備済み延長は986kmとなったことが公表されています。

メリットが多い電柱の地中化

安全性や快適性がアップ

電柱が地中化されると、台風や地震といった災害時に、電柱が倒れたり、電線が垂れ下がるという危険や被害を抑止することができます。

また、倒れた電柱が道を塞ぐことがなくなるため、災害時の緊急車両の通行もスムーズになり、被災者の生命を守ることにもつながります。

実害として、平成23年(2011年)3月11日に発生した東日本大震災では、地震と津波によって約56,000本もの電柱(電力・通信合計)の倒壊などが原因で供給支障を起こしました。

また、電線した電線が道路を塞いでしまい、さまざまな救助作業を阻害したことが報告されています。

さらに平時においても、無電柱化により歩道の有効幅員が広がることで、通行空間の安全性・快適性を確保することができます。

観光や景観にもメリットが

他にも、地上から電柱を無くすことで、昔からの建物や歴史的町並みといった景観の保全にもつながり、インバウンドなどの観光業にも大きなメリットをもたらすことになります。

『電柱広告』はどんなビジネス・業種が向いているのか?

向いているのは「わかりにくい立地に実店舗を構えるビジネス・業種」

実店舗を構えるビジネスや業種

①実店舗を構えるビジネス・業種

『電柱広告』に向いているのは、やはり「実店舗を構えるビジネスや業種」といえるでしょう。

飲食店も

具体的には、店舗を構える個人経営のカフェやレストラン、またスナックといった飲食店、他にも直売所やクリーニング店、美容院やエステ、ヨガスタジオなどが挙げられます。

クリーニング店や美容院なども

これらの地域密着型になることの多い店舗を有するビジネス・業種の場合、例えば最寄り駅付近に『電柱広告』を掲出して「まずは」地域の生活者に認知してもらい、後々の来店機会の創出につなげるという形です。

わかりにくい立地に店舗がある場合

②店舗がわかりにくい立地にある場合

さらに、例えば住宅地などの中にあり、辿り着くまでに迷いやすい入り込んだ立地に店舗がある場合、巻付タイプの電柱看板に「QRコード」を掲載することにより、『電柱広告』が来店者の「道しるべ」になります。

電柱広告が「道しるべ」に

「矢印」を掲載して方向を示したり、「徒歩〇分」と文字情報を記載して距離感を示すだけでなく、QRコードも掲載することで、より来店を希望する人をスムーズに店舗へ誘導することが可能になるはずです。

「わからないから行くのをやめよう」を防ぐことに

まとめ

コストを抑えて地域住民に訴求しやすい『電柱広告』

法令を遵守した公道上に掲出可能な広告媒体である『電柱広告』(電柱看板)

「町ゆく人々」の目につきやすく、地域生活者への知名度や認知度のアップや店舗への誘導に効果的で、特に「わかりにくい立地に実店舗を構えるビジネスや業種」に向いています。

また、さまざまな種類の広告媒体と比較して、安価な料金で出稿(掲出)できるので、費用対効果の面で考えると客単価が低い商売にも向いているといえます。

今後、地中化によって掲出場所となる「電柱」自体が無くなる可能性があり、そもそも店舗を構える際に綿密な「エリアマーケティング」を行いその地域の特性を考慮した最適化が求められますが、デジタルとは違ったアプローチで地域密着で訴求したいとお考えの際には、『電柱広告』も選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

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