マーケティング、広告、PR、ブランディング、口コミの役割と違いとは!?
『マーケティング』の定義は会社によって異なることが多い(※)のですが、そもそも論として、マーケティング界隈で耳にする、広告やPR、ブランディングや口コミなどはそれぞれどういった意味なのか。
併せて、マーケティングを含めた5つのアクションによる顧客や消費者への『イメージ』の伝え方、伝わり方にはどういった違いがあるのか。
理論を理解していたり、実務を進めている立場でも、ふと考えると疑問符がつくこれらについて解説します。
※人や企業によって『マーケティング』の定義が異なることに関しては、こちらの記事をご覧ください。
事業会社によってマーケティングのイメージは異なります。他の職種にはブレが出にくいのになぜマーケティングにはいろいろなイメージを持たれてしまうのか。代表的なイメージ例をもとに分類し、定義しなければ起こってしまうリスクについて解説します。
マーケティングの役割と『イメージ』の伝え方・伝わり方
マーケティングとは!?
マーケティングは、その企業の経営理念や方針によって定義が異なるため、活動範囲も違いますが、「商品やサービスが『売れる仕組み』を構築すること」、もしくは「売上を増加させ、利益増大に貢献すること」と定義することができます。
「売れる仕組みを作る」、もしくは「利益を増やす」ためのアクションとして見込み客の獲得が挙げられます。
この見込み客の獲得方法としては、大きく分けてオフライン・オンラインのアプローチ(※)があります。
オフラインのアプローチ例としては、展示会やセミナーなどのイベントなどが挙げられ、オンラインのアプローチ例としては、Webサイトやブログ、FacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルメディアなどが挙げられます。
※オフライン・オンラインでの見込み客の獲得(リードジェネレーション)に関しては、こちらの記事をご覧ください。
見込み客(=リード)とは? まず、見込み客(=リード)とは、自社の商品やサービスに興味を抱いた人の個人情報を指します。 ここで言う個人情報は、興味を持ってくれた方々にこちらからアプローチできる情報のことで、一般的には、氏 …
マーケティングによる『イメージ』の伝え方・伝わり方とは!?
『自社の商品やサービスならではの良さを伝えて推奨する』のがマーケティングによるイメージの伝え方になります。
広告の役割と『イメージ』の伝え方・伝わり方
広告とは!?
広告とは、読んで字のごとく「広く告げる」という意味で、ビジネスにおいては、主に企業の情報や商品・サービスを世間に周知させることを指します。英語では「Advertisement」と言い、Ad(アド)と略称で呼ばれることがあります。
広告=発信者の情報が受け手である見込み客や顧客に認知してもらい、その結果として企業の認識を深めてもらう・商品やサービスの購買に寄与させることが目的となります。
従来の広告でまず思い浮かぶのが『4大マスメディア』です。
『4大マスメディア』とは、新聞、雑誌、ラジオ、テレビの総称です。新聞と雑誌を紙媒体、ラジオとテレビを電波媒体と区分することができます。
そのほかにも、広告も大きく分けてオフラインとオンラインという区分ができます。
オフラインで言えば、タクシーなどの交通、看板などへの広告が挙げられます。
また、オンラインで言えば、Google広告などの検索連動型広告やWebメディア、DSP広告などが挙げられます。
広告の種別によって、『場所貸し』パターン、『最低保証』パターン、『成果報酬』パターン(※)が存在します。
※広告の3つのパターンについては、こちらの記事をご覧ください。
リード獲得サービスにはいろいろな種類がありますが、その中で一般的なのが『場所貸し』パターンです。『場所貸し』パターンのオンライン・オフラインサービスと成果を出すポイントを解説します。
BtoBマーケターにとって重要なミッションであるリードの獲得。各社ではさまざまな有償サービスを提供しています。特定の時期までに特定の件数のリードを獲得したい、予算に応じてリードを獲得したい場合に有用なサービスを解説します。
広告による『イメージ』の伝え方・伝わり方とは!?
広告の本質は『商品やサービスの良さを知ってもらうために繰り返しメッセージを発信すること』。
つまり、勝手に片思いをしている相手に急に告白をするようなものです。そんな突飛な行動を受け手の人すべてが受け入れてくれるとは限りません。
受け手である顧客や消費者の気持ちを理解しつつ、それでも諦めずに響くようなメッセージを発信し続けることがポイントとなります。
PRの役割と『イメージ』の伝え方・伝わり方
PRとは!?
PRとは、パブリックリレーションズ(Public Relations:公衆との関わり)の略語です。
パブリック・リレーションズを扱う企業などにより構成された公益法人である日本パブリックリレーションズ協会では、以下のように定義しています。
「PRとは、公衆の理解と支持を得るために、企業または組織体が、自己の目指す方向と誠意を、あらゆる表現手段を通じて伝え、説得し、また、同時に自己匡正(きょうせい)をはかる、継続的な対話関係である。自己の目指す方向は、公衆の利益に奉仕する精神の上に立っていなければならず、また、現実にそれを実行する活動を伴わなければならない。」
つまり、PRとは「関係性の構築・維持のマネジメント」を意味し、企業や行政組織などの社会組織がステークホルダー(利害関係者)と双方向のコミュニケーションを行い、組織内に情報をフィードバックして自己修正を図りつつ、良い関係を構築し継続していくマネジメントだと定義しています。
ちなみに、PRと広報は同義語として使われていますが、「広報」は、広く報じるという意味合いから、情報発信することが広報となり、一方向的な伝達という性質を有しています。
一方、PR(パブリックリレーションズ)は、企業や行政組織とステークホルダーの双方向でコミュニケーションを行うことを前提としていることから、その点において、PRと広報には違いがあります。
PRによる『イメージ』の伝え方・伝わり方とは!?
PRの手法としては、商品やサービスを取り扱う企業自身ではなく、第三者な位置付けのメディアなどを介してステークホルダー(顧客や消費者)に向けて情報を発信してもらうのが代表例となります。
そのため、情報の発信・伝達の段階では、メディアなどを介する間接的な発信になりますが、その情報を受け取った顧客や消費者からのフィードバックに対しては、企業や行政組織が受け取り、双方向のコミュニケーションを継続的に行っていく形となります。
ブランディングの役割と『イメージ』の伝え方・伝わり方
ブランディングとは!?
そもそも、ブランド(brand)の語源は、「burned」(酪農家が自身が所有する牛と他人の牛とを識別するために牛の脇腹に押した「焼き印」)からきていることから、他との差別化するモノとされています。
ブランディングとは、ブランド=商品やサービス独自の差別化された価値を高める+その価値イメージをターゲットに浸透させるための活動(※)を指します。
※ブランディングの詳細については、こちらの記事をご覧ください。
後回しにしがちな『ブランディング』ですが、時間と工数をかけてでもやる価値があります。『ブランディング』の意味や実施することにメリット、必要なポイントについて解説しています。
ブランディングの成果・ブランドの評価は、受け手の頭の中で起こる作用であるため、ブランディングをする側で直接的にコントロールすることはできません。
そのため、どういったイメージを持たれたいのか、一貫性を持ったメッセージ発信を意識して行うことが求められます。
ブランディングによる『イメージ』の伝え方・伝わり方とは!?
自社の商品やサービスの『独自価値=良さ』を理解してもらい、顧客・消費者自身にイメージとして認識してもらうことがポイントとなります。
口コミの役割と『イメージ』の伝え方・伝わり方
口コミとは!?
口コミとは、コトバンクによれば、家族や友人、隣人などの知人を経由して伝播される情報を指します。
上述のマスメディアなどよりも、知人や友人を介しての情報の方が受け入れやすい傾向があり、通常の広告やプロモーションよりも大きな効果が期待できます。
また、自身と直接利害関係のある知人からではなく、第三者から間接的に知る情報の方が信頼性が増す『ウィンザー効果』(※)という行動心理効果も存在します。
『ウィンザー効果』を活用したマーケティングアクションとしては、口コミマーケティング(口コミサイトやインフルエンサーマーケティング、導入事例)などが例として挙げられます。
※『ウィンザー効果』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
最初に与えられた情報(アンカー)によって意思決定に影響を及ぼす『アンカリング効果』。ビジネスシーンでの活用例や注意点について解説します!
口コミによる『イメージ』の伝え方・伝わり方とは!?
自身と近しい関係性の人間からの評価情報によって購買を決定するパターン、知人という間柄ではない第三者からの評価情報に影響を受けるパターンがありますが、どちらにしても、自身ではない第三者の評価が購買活動に影響を与えるというわけです。
まとめ
マーケティング、広告、PR、ブランディング、口コミそれぞれ、『イメージ』の伝え方は異なります。
そのため、おのずと受け手への伝わり方も変わります。
『イメージ』の伝え方、伝わり方の違いを理解したうえで、顧客や消費者に受け入れられるように最適なアクションをすることが望ましいと言えます。
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