「コレってやる意味ある?」から抜け出すために必要な『3つの目』

忙殺されがちなマーケター

マーケターはやることが多い

中小規模の企業に所属するマーケターの多くは日々やるべきことに追われ、忙殺されがちです。

そのため、目の前のタスクを「やること=目的」となるケースも多く、マーケティングに欠かせない長期的な視点を持つ余裕が失われていくことになります。

実はこの事象は「計画のグレシャムの法則」と呼ばれています。事象を紐解き、どうするべきかを解説します。

『グレシャムの法則』とは?

良貨は流通が滞り、悪貨だけが流通するようになる

経済学の法則の一つとして知られる『グレシャムの法則』

計画のグレシャムの法則の起源である『グレシャムの法則』とは、経済学の法則の一つとして知られています。

16世紀のイギリスで、王室の財政顧問だったトーマス・グレシャムが、エリザベス1世に対して「イギリスの良貨が外国に流出するのは貨幣を改悪したから」と進言したことに由来します。

この発言を19世紀にイギリスの経済学者だったヘンリーマクロードが自身の著書で紹介し『グレシャムの法則』と命名し、以後この名称で呼ばれるようになったとされています。

「悪貨は良貨を駆逐する」

上述の「イギリスの良貨が外国に流出するのは貨幣を改悪したから」を要約した「悪貨は良貨を駆逐する」が有名で知られています。

この発言の意図としては、額面上は同じ貨幣でも、含まれる金の量など質の違いがある場合、質の良い貨幣は使わずに手元に置いておく、海外との取引のために流出させてしまうが、質の悪い貨幣を支払いに使ってしまうというもの。
こういった思考が働くことで、良貨は流通が滞り、悪貨だけが流通するようになる、という法則を指します。

『計画のグレシャムの法則』とは?

『目的』を見失ったルーティン業務は創造性を駆逐する

「ルーティン化した業務は創造性を駆逐する」

この「グレシャムの法則」を企業組織に適用させたものを『計画のグレシャムの法則』と呼びます。

『計画のグレシャムの法則』は、ノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモンというアメリカの学者が提唱しました。
ハーバート・サイモンは、「悪貨は良貨を駆逐する」をなぞって「ルーティン化した業務は創造性を駆逐する」と述べました。

悪影響を及ぼす『目的』を見失ったルーティン業務

ルーティン化された日常業務(悪貨)に時間を奪われてしまうと、戦略や抱えている課題の解決策といった長期的な視点が求められる業務(良貨)を行うことができず、創造性を発揮する時間を設けることができない、ということを指しています。

(企業)組織において、業務のルーティン化は効率を高めるために重要となりますが、その業務の『目的』を見失って「前任者からやっていることだから」「創業当初からずっとやっていることだから」といったような形で形骸化してしまうと、悪影響を及ぼすことになってしまいます。

『計画のグレシャムの法則』から抜け出すタイミング

ミーティングなどのルーティン化された業務

ルーティン化された業務は、気づかないうちに増えてしまうケースがあります。

形骸化したルーティン業務例:ミーティング

例えば、定例ミーティングが挙げられます。
「毎週〇曜日の〇時から時間を確保して参加しているが、実施する目的がぼんやりとしていて決まること・決めることも明確でない」といったケースです。

こういったケースの多くは、「集まること自体が目的」になっていて、形骸化してしまうというのが理由として挙げられますが、形骸化して現状共有などを報告するだけの場になっているのであれば、メールやコミュニケーションツールなどで情報共有してしまえば済む話です。

リモートワークがルーティン化された業務を見直す絶好のタイミング

環境の変化が業務を見直すタイミング

特に最近ではコロナ禍の影響もあり、テレワークや在宅ワークといったリモートワークが浸透しています。

この強制的に対応せざるを得ない業務環境の変化は、これまで慣例的に実施していたルーティン化された業務を見直す良いタイミングと捉えることができます。

組織や事業を成長させるために必要な『創造性』とそのための『時間』

創造性を担保するための『時間』が必要

(企業)組織や事業を成長させていくためには、長期的な視点での戦略策定や業務課題の改善などが必要になってきます。

普段の日常業務は短期的な視点で実施するものが多いため、戦略や業務改善に取り組む場合は思考を切り替えなければなりません。そのため、思考を切り替えて創造性を担保するための『時間』が必要になります。

「前任者からやっていることだから」「創業当初からずっとやっていることだから」といったことは継続する理由になりません。

ルーティン業務を見直して断捨離する=『計画のグレシャムの法則』から抜け出すことで、創造性を担保するための『時間』を担保できるようになるはずです。

マーケターに必要な『鳥の目』『虫の目』『魚の目』

マーケターに求められる3つの目

マーケターに求められる役割

マーケットや顧客を理解することが求められるマーケティング担当

『計画のグレシャムの法則』に陥ってしまい、目の前のルーティン業務に追われてしまう。。。

そんなケースが起こりやすいマーケターには、現場業務のほかにも日々市場(マーケット)といった環境や顧客の変化を追うことが求められます。

市場にどういった変化が起こっているのか、顧客は何を求めているのか。マーケティング担当は、理解を深める必要があります。

そんな時に役立つ3つの目、『鳥の目』『虫の目』『魚の目』があります。

①『鳥の目』で見る

マーケターに求められる視点①『鳥の目』

『鳥の目』で見るとは、鳥が空から見下ろすように、広く全体を見渡す視点を指します。

全体像を把握する、大局的に見るといった、俯瞰して全体像をつかむ視点ということです。

②『虫の目』で見る

マーケターに求められる視点②『虫の目』

『虫の目』で見るとは、細部に注目する視点を指します。

マーケターには全体像をつかむ大局的な視点とともに、細部=現場を捉える『虫の目』も必要になります。

③『魚の目』で見る

マーケターに求められる視点③『魚の目』

『魚の目』で見るとは、変化する世の中や市場(マーケット)の潮流(トレンド)を見定める視点を指します。

変化の起こる環境において、マーケターにはその変化や動きを見極めて対応することも求められます。

『鳥の目』『虫の目』『魚の目』をまとめると・・・

最後に

『鳥の目』『虫の目』『魚の目』を使い分ける

目の前の(ルーティン)タスクをやることが目的となってしまう際に有用な手法については、下記(※)にて紹介していますが、特にマーケターには、大局的に見る『鳥の目』、細部に注目する『虫の目』、変化を見極める『魚の目』を適宜用いて業務に取り組んでいくことが求められます。

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