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『オノマトペ効果』とは?
『オノマトペ効果』とは、無生物の動きや様子といった状態を表す擬態語(きらきら、つるつるなど)、自然界の音や物音を表す擬音語(ザーザー、ごろごろなど)、人間や動物の声を表す擬声語(わんわん、げらげらなど)などの総称を意味しています。
この「オノマトペ」を、プライベートな場面はもとより、ビジネスシーンに用いることで、説明する内容を理解されやすくなって円滑なコミュニケーションを取りやすくなったり、訴求力の高いメッセージを発信しやすくなることで購買意欲を高めるなどの効果が期待できます。
あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、世界各国と比較しても日本ではこの「オノマトペ」語が多く、数千語が使われていると言われています。
オノマトペ効果の由来
この「オノマトペ」は、特に子育ての場面で用いられることが多いことから、幼児語として強いイメージがあります。
元々の語源は、古代ギリシア語の「onoma(名前)」と「poiein(作る)」を組み合わせた「onomatopoiia(オノマトポイーア)」が由来となっています。
英語では「onomatopoeia(オノマトペア)」、フランス語では「onomatopee(オノマトペ)」、日本では「オノマトペ」のほかにも「オノマトピア」「オノマトペア」と呼ばれることがあります。
ちなみに、朝日大学保険医療学部の准教授の藤野 良孝 氏が、オノマトペ研究の第一人者として知られています。
世界各国と比較しても用いられることが多い日本
日本語におけるオノマトペ表現の豊富さは世界一と言われています。
その理由としては、「日本語は動詞などの語彙が限られていることが一因」と上述の藤野 良孝 氏は推測しています。
例を挙げると、英語では『見る』という動詞は、「see」「look」「watch」など色々な単語を使い分けられますが、日本語では『見る』という一語のみ。
そのため、『見る』という言葉の前に「じろじろ」「ぼんやり」「まじまじ」を加えることで、言語化しづらいニュアンスを分かりやすく伝えるようになったのではないか、とされています。
オノマトペ効果の活用例
このオノマトペ効果を用いることで、自分の気持ちや状況を効果的に伝えやすくなったり、記憶・印象に残りやすくなるなどのメリットを得ることが期待できます。
①訴求力が高まる
スーパーなどの小売店で販売される商品がわかりやすい例として挙げられます。
食品であれば「モチモチ」「サクサク」のような食感をイメージさせるオノマトペを、掃除用品であれば「ピカピカ」「ツルツル」のような清潔感を連想させるオノマトペを用いるというもの。
商品自体にこれらのオノマトペを掲載・表現するパターンもあれば、より強調するためにPOPを用いて訴求するパターンもありますが、どちらも活用することで購買意欲を高めることが期待できます。
②表現力が高まり直感的にわかりやすくなる
このケースのわかりやすい例として、長嶋 茂雄 氏(元プロ野球選手・プロ野球監督、現:読売ジャイアンツ終身名誉監督)が挙げられます。
「ミスタージャイアンツ」として知られる長嶋 茂雄 氏の独特の打撃指導術が有名です。
特徴的な「スッと」「キューッと」「パーンと」といったオノマトペの感覚的な表現を多用して、選手指導で大きな成果を上げたと知られています。
ほかにも有名なのが、 Apple社の共同創業者の一人であるスティーブ・ジョブズ 氏。
スティーブ・ジョブズ 氏は、「オノマトペの魔術師」と呼ばれていて、大人数の前での商品発表時、特に注目して欲しい際に「ブン」「ボン」などのオノマトペを用いて、聞き手に想像力を膨らませて惹きつけるプレゼンを行っていました。
③独自性(オリジナリティ)を付与する
詩人、童話作家である宮沢 賢治 氏は、短編小説の『風の又三郎』で「どっどど どどうど どどうど どどう」、短編童話の『やまなし』で「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ」と、独特なオノマトペを作中に用いたことが注目されています。
また、荒木 飛呂彦 氏の『ジョジョの奇妙な冒険シリーズ』での「ゴゴゴゴゴ」「ズキュゥゥゥン」、『賭博黙示録カイジ』などで有名な福本 信行 氏の作品において「ざわ・・ざわ・・」も、作品の代名詞として知られています。
④モチベーションをアップさせる
オノマトペを用いると、脳の線条体(やる気を司る部位)の活動が高まりやすくなることが、とある研究によって明らかになっています。
例えば、自身が仕事や勉強を始める前に「ピーンと背筋を伸ばしてサッとデスクに向かい、バリバリ仕事をして、テキパキと片付けてササッと帰る」とオノマトペを使ってシミュレーションすると、やる気が高まりやすいとされています。
また、部下に対してマネジメントする立場の場合でも「最近、メキメキ成長しているね」と伝えることで、相手の心に届きやすくなります。
最後に
擬態語や擬音語、擬声語などの総称である「オノマトペ」を用いて、説明する内容を理解しやすくして円滑なコミュニケーションを取ったり、訴求力の高いメッセージを発信しやすくなる『オノマトペ効果』。
通常、他者とコミュニケーションをとる中で説明したり理解してもらう際には「理屈」によって構成される言語が多いのですが、ニュアンスを伝える「オノマトペ」を用いることで、直感的にわかりやすくなったり、記憶や印象に残りやすくなり、ビジネスシーンにおいては購買意欲を高めるなどの効果が期待できます。
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