忙殺されがちなマーケター
中堅・小規模企業に所属するマーケターの多くは日々やるべきことに追われ、忙殺されがちです。
(企業規模や社内体制にもよりますが)事業会社の場合は少数精鋭でマーケティングを進めるケースが多く、マーケティング戦略を立案し、その戦略を実行する施策を策定・実施することになります。
「施策の実施」と一言で言っても、デジタル領域であれば自社のWebサイトを運用する、サイトに掲載するコンテンツを制作する、制作したコンテンツを広めるためにメルマガを配信する、派生して販促用のパンフレットやチラシの作成も行うなど、やるべきことは多岐に渡ります。
さらに、実施した施策の効果測定、施策に反応した見込み客や既存顧客情報の管理なども併せて行うケースも多く、ほかにも、戦略を立案する・戦術を実行する際に社内調整や外部の協力会社との折衝、ディレクションもやらなければならないこともあり、やることを探せば探すほど出てくるような、さまざまな業務をパラレルにかつ同時進行で担うことになります。
忙しい時ほど陥ってしまいがちな二つのパターン
『計画のグレシャムの法則』に陥って日常業務に追われてしまう
本来、マーケターはマーケットの変化に応じた戦略の構築や業務改善といった創造性のある業務に取り組むことが肝となります。
ですが、上述のような日常業務に追われて『計画のグレシャムの法則』(※)に陥り、創造性を発揮する時間を設けることができなくなってしまうこともしばしば。
この「創造性を発揮する時間を設ける」ためには、『鳥の目』『虫の目』『魚の目』を持つことが一つの方法として挙げられます。
※『計画のグレシャムの法則』や『鳥の目』『虫の目』『魚の目』については、こちらの記事をご覧ください。
忙殺されがちなマーケターが陥ってしまう「コレってやる意味ある?」。抜け出すタイミングとマーケティング担当に求められる3つの『目』について解説しています。
“目の前にあるタスクをこなすことが目的”になってしまい“やりっぱなし”の悪循環に陥ってしまう
多忙過ぎることの弊害は、ほかにもあります。
多忙を極める状況に陥っている際には、“目の前にあるタスクをこなすことが目的”になってしまいがちで、実施した施策が“やりっぱなし”になり、成功したのか/失敗したのか判断できず、継続してやるべきか、やめるべきなのかわからなくなってしまい、効果があるのかよくわからないけどとりあえずやるという“やりっぱなし”の悪循環に陥ってしまいます。
そんな時におさえておきたいのが『PDCAサイクル』(※)。
この『PDCAサイクル』を心掛けることで、一つ一つの施策をしっかりとプランニング・実行し、実行後にはそれぞれの効果を検証し、次の活動につなげられるよう改善できる可能性が高まります。
※『PDCAサイクル』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
PDCAサイクルとは? 中小規模のBtoB事業会社内のマーケティング界隈でありがちなのが、実施するにあたって、これといった明確な根拠もなく長期にわたって踏襲されている施策が多くあるため、同時進行で実行しなければならないこ …
確保したい『ホワイトスペース(戦略的小休止)』
必要なのは『ホワイトスペース』
自然界には『真空の法則』というものが存在します。
『真空の法則』とは、空白ができるとそれを埋めようとする力学が働くというものですが、我々のビジネスシーンでも、何もすることがない時間があると不安を感じて、ついつい予定を埋め尽くしてしまうことも多いのではないでしょうか。
スケジュールが埋まっていると「やっている感」を感じて充足感を得やすいのですが、上述のような「やることが目的」となり、マーケターの腕の見せ所である、例えば生産性を高める仕組み化といった、創造性のある画期的なアイデアは中々生まれてきません。
そのため、『創造性』を発揮するために時間を設けることが必要となりますが、この『創造性』を生み出す時間のことは『ホワイトスペース』と呼ばれています。
忙殺されがちなマーケターこそ、このホワイトスペースをいかに生み出すか、確保できるかが重要になってきます。
『ホワイトスペース』とは?
この『ホワイトスペース』(※)の概念を提唱しているのは、GoogleやP&Gなどの一流企業へビジネス研修を展開している、
コンサルティング会社の創設者でCEOのジュリエット・ファント氏。
予定に空白があると何かしらのスケジュールで埋めてしまいたくなりますが、代わりに『ホワイトスペース(戦略的小休止)』を入れることが重要とされています。
※『ホワイトスペース』の詳細については、こちらの書籍をご覧ください。
『WHITE SPACE ホワイトスペース: 仕事も人生もうまくいく空白時間術』
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ホワイトスペースを生み出すことに役立つ『タイムマネジメント』
このホワイトスペースを作りだす・確保することに役立つのが『タイムマネジメント』です。
『タイムマネジメント』とは、自分自身の仕事をコントロールすることを意味していますが、『ホワイトスペース』を得られやすくなることを含め、短期的・中長期的それぞれにメリットが生まれます。
『タイムマネジメント』による短期的なメリット
仕事が効率化されることで・・・
- 仕事自体の「処理能力」がアップする。
- 「重要で緊急性のある仕事」「そうでない仕事」の振り分けがしやすくなる。
- 『ホワイトスペース』を捻出できるようになる。
『タイムマネジメント』による中長期的なメリット
- 「処理能力」がアップすることで、より高いレベルで仕事を行えるようになり、業務価値が高まる。
- 重要性や緊急性に応じた仕事の振り分けがしやすくなることで、重要な業務が可視化され対応しやすくなり、生産性がアップする。
- 『ホワイトスペース』を捻出できることで、生産性を高める仕組み化や業務の改善・改革といった創造性のあるアイデアが生まれやすくなる。
最後に
ある種どうでもよい雑務に追われて、最も重要な利益を生み出すコアな業務に集中できなくなりがちですが、『鳥の目』『虫の目』『魚の目』を持ち、『PDCAサイクル』をまわし、そして『ホワイトスペース(戦略的小休止)』を意識的に作り出すことで、生産性を高める仕組み化や業務改善案といった創造性のあるアイデアを生み出して、変化するビジネス環境に対応できるようになることが求められています。
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