(そもそも)日本語の「広告」とは?
広告とは、読んで字のごとく「広く告げる」という意味で、ビジネスにおいては、主に企業の情報や商品・サービスを世間に周知させることを指します。
つまり、広告の発信者情報が受け手である見込み客や顧客に認知してもらい、その結果として企業や商品・サービスの認識を深めてもらう・購買に寄与させることが目的となります(※)。
※広告含め、マーケターが知っておきたいマーケティングやPR、ブランディング、口コミの違いについては、こちらのページをご覧ください。
マーケティング、広告、PR、ブランディング、口コミそれぞれの役割・違いと、『イメージ』の伝え方・伝わり方の比較を図解で解説しています。
広告の種類
従来より一般的な広告は『4大マスメディア』です。
『4大マスメディア』とは、新聞、雑誌、ラジオ、テレビの総称です。新聞と雑誌を紙媒体、ラジオとテレビを電波媒体と区分することができます。
また、広告を大まかに区分するとオフラインとオンラインに分けられます。
オフラインで言えば、タクシーなどの交通、看板などへの広告が挙げられ、オンラインで言えば、Google広告などの検索連動型広告やWebメディア、DSP広告などが挙げられます。
日本の広告の歴史
日本における「広告」のルーツは諸説ありますが、江戸期から明治期に広まった「酒林(さかばやし)」と言われています。
「酒林」とは、酒屋の看板として杉の葉を球形に束ねて軒先に吊るしたものです。杉で作られているので「杉玉(すぎだま)」とも呼ばれています。
酒林が吊るされている=新酒ができたことを知らせる、という意味があり、杉の葉が枯れて茶色になっていくことで、酒の熟成度を知らせているとされています。
日本の江戸時代の識字率は全国平均で約60%以上、江戸地域では約70%以上といわれていますが、字が読めない庶民にもわかるように、そして『人の目を引く』ために始まったとされています。
その後、明治5年(1872年)に「横浜毎日新聞」で初めて「広告」という言葉が出てきたとされています。
そして、明治20年前後に広告代理店業がはじまり、明治時代の後半ころには社会に根付いていったようです。
このように、「酒林」を経て「新聞」というマスメディアで「広告=広く告げる」が広まっていったようです。
英語の「Advertising(広告)」の意味とは?
一方、英語では広告を「Advertising」と翻訳しており、略称で「Ad(アド)」とも呼ばれています。
「Advertising」の語源は、ラテン語の「advertere」であると言われており、「(人々の)注意や関心を向けること」を意味しています。
日本語と英語の「広告」の違い
日本語と英語の「広告」の意味を比較してみると、以下のようになります。
- 日本語の「広告」の意味
広く告げる、言い換えると「自社や商品・サービスの良さを知ってもらうために、繰り返してメッセージを発信すること」。
つまり、『プッシュ型』の意味となります。 - 英語の「広告」の意味
「(人々の)注意や関心を向けること」。
つまり、『プル型』の意味となります。
比較してみるとよくわかりますが、「広告」という同じ言葉ですが日本語と英語によって意味が『正反対』であるというのが重要なポイントです。
広告の理想の『型』とは?
本来であれば、日本語の「広告」も英語の意味と同様に、「注意や関心を向ける」「惹きつける」というプル型の情報発信であるはずですが、「自社や商品・サービスを知ってもらいたい」「良さを知ってもらいたい」「買ってもらいたい」という思いが強くなってしまい、相手に押しつけるプッシュ型の情報発信になりがちです。
そのため、広告という情報が届いていたとしても受け入れられず、場合によっては「うざがられる」「敬遠される」ことにもなりかねません。
大切なのは、BtoBであってもBtoCであっても、またオンライン広告であってもオフライン広告であっても、受け手の気持ちを理解したうえで「刺さる」「響く」ような『プル型の広告』を心掛けることが必要になります。
そして、広告はあくまで「知ってもらう・買ってもらうきっかけ」と理解し、そもそもの商品やサービスが良くないと売れることはないと再認識する(※)ことも必要になります。
※『マーケティング戦略』が文化を作ることで、良い商品やサービスが知れ渡り売れるようになった歴史的な例については、こちらのページをご覧ください。
「良い商品・サービスを作っただけでは売れない」。ではどうすればよいのか?歴史的な例をもとに解説しています。
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