リードナーチャリングのメール配信頻度は高い方が良い?
リード(見込み客)に商品やサービスに関する興味関心度を上げるために実施するリードナーチャリングですが、実際に行う際に疑問として思い浮かぶのが『配信頻度』です。
BtoB(企業間取引)領域では、稟議制度や策定予算の縛りなどの商文化により、すぐに受注するケースは稀なため、配信側としては、すぐ購入・受注に至るようにステップアップして欲しいので配信頻度を高くしがちです(※)。
ですが、頻度を高くしすぎるのは注意が必要です。
リードをまとめたリスト(=ハウスリスト)へ毎日のようにメールを配信する場合、「今すぐ稟議申請するから必要な情報が欲しい」段階の方々であればまだ良いのですが、「まだ広くうっすらと情報を収集している」段階の方々が対象の場合、毎日届くメールに嫌気が差し、配信停止もしくは迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう可能性が高まってしまいます。
そのため、「まだ広く情報を収集している」のか、もしくは「今すぐ稟議申請するから必要な情報が欲しい」のかなど、リードの属性情報や流入経路、これまで接触した際に知り得た内容などをもとに検討確度を分類し、どんな意識フェーズにいるのかを想定して、受信者側の状況に応じたメッセージを適度に発信する必要があります。
「1か月に何回送ってはダメ」と配信回数の上限を決めるのは中々難しいのですが、上記のフェーズごとのコンテンツを準備し、最低でも月に1回は配信するのが望ましいと言えます。
※『BtoBの商文化』に関しては、下記の記事をご覧ください。
BtoB(企業間取引)ビジネスならではの特性について理解が進んでいないと「マーケティング活動で成果が出ていない」と誤解されてしまうかもしれません。BtoB文化や商習慣などおさえておくべきポイントを解説します。
ちなみに、BtoC(企業対消費者取引)では毎日のように高頻度でメールを配信し、さらにエリアマーケティング的に位置情報を紐づけて、対象者が店舗の近くにいる場合に電子メールや端末にポップアップで店舗への誘導をすることが多いですが、これはあくまで『個人の財布』で成り立つビジネスなので、高い頻度で呼び込むプッシュ型施策が主流となっています。
BtoBではメールの配信頻度は低い方が良い?
とはいえ、実際にリードナーチャリングをするための全体設計、システムやツールの設定、リストの生成、配信テキストや貼り付ける画像、着地ページのメンテナンス、場合によって配信内容をセールスと都度調整して進めていくと、1件のメールを配信するだけでも、いろいろな準備をしなければならず大変なので時間がかかってしまいます。
そのため、事業会社内で限られた人的リソースで実行する場合、『一球入魂!』になることも多くあります。
ですが、いくら多くのリスト対象に配信するとしても、BtoBの場合、1回のメール配信を契機に大量に受注するということにはなりません。
よほど緊急性があるか必要に迫られるような商品・サービスであれば、インパクトのある成果が出るかもしれませんが、昨今の生活様式・ビジネス様式の変化から、各社プッシュ型アプローチの多くがオンライン、その中のメール配信になっているので、より電子メールがほかのメールに『埋もれてしまう』傾向が強まっています。
そのため、『一球入魂!』的に1回のメール配信ではインパクトのある成果が出にくいかと思いますが、そこは冷静に、関係性を築くという視点を大事にして継続性を持って配信することが求められます。
すぐに成果が出ないなら時間があるときに実施する?
「すぐに成果が出ないのであれば、今は忙しいからナーチャリングはしばらくストップするか・・・」としてしまうのは、機会損失を招く可能性があるため危険です。
グローバルにBtoB調査をしているアメリカの『Sirius Decisions(シリウス ディシジョンズ)社』の調査によると、獲得した見込み客の70%はすぐに自社の商品やサービスを購入しないものの、そのリードのうちの80%は、2年以内にその商品やサービスの競合他社から購入してしまう、とのことです。
このことから、競合に顧客化が見込まれるリードを奪われないためにも、「今すぐ客」でないリードに対しても継続的に情報発信し、自社の商品・サービスの認知度を保つ・高めるためのコミュニケーションが必要になります。
結局のところ、『適切な』メール配信頻度とは?
頻度高く配信しない方がよい、かといって『一球入魂!』で頻度が低すぎてもよくない、準備も大変になりがちだしすぐに成果も出にくい。。
となると、中々手を付けにくいリードナーチャリング施策となってしまうのですが、メールによるナーチャリング施策をスタートする際の配信頻度としては現実的に考えると「最低月1回~月4回(毎週1回)」をオススメします。
この頻度の前提としては「配信対象を分類」「実施するための事前準備」の2つです。
・配信対象を分類:「強く興味がある」グループ群、「あまり興味のない」グループ群などに分ける。
・実施するための前提準備:配信コンテンツ・着地ページを計画的に準備する。
配信対象を意識フェーズごとに分類、想定対象に即した配信コンテンツと、メール内に盛り込む着地Webページを準備できるのであれば、この2つをもとに1か月に1回~4回程度の配信がオススメです。
そして、数か月の単位で配信結果を効果測定してみて、受信者側の反応によって頻度を見直すという流れがベストです。
配信頻度を見直しつつ、強く反応する方々にはフィールドセールスやインサイドセールスがコールフォローで需要度を確かめるというアクションも受注に向けて重要なポイントです。
頻度に関しては「いい塩梅」が難しいところですが、対象である見込み客の方々の反応に基づいて決めていくのが現実的です。
リードナーチャリング施策の効果測定
最後に、効果測定する際に見るべき点としては、メールの開封率やメール内のURLクリック率(=着地ページ来訪率)、問い合わせ率などが挙げられます。
リードナーチャリングの最終的な目的(コンバージョン)は、該当商品やサービスの受注になるかと思いますが、上述の通り、ナーチャリングメールを配信しても受注には一定期間を要します。
そのため、配信施策の良し悪しを判断する指標が必要になるので、これらの項目を『マイクロコンバージョン』(中間指標)として設定し、配信成果を見ていくことが必要です。
株式会社SBSマーケティングでは、リードナーチャリングを含めたBtoBマーケティングに関連したコンサルティングサービスをご提供させていただいております。
≪こんな課題を解決するためのコンサルティングサービスをご提供させていただきます≫
●(なぜ=目的)成果を見定める基準やゴール設定
●(誰に=対象)誰にナーチャリングをするのか
●(何を=内容)どういった情報を発信するのか
●(どうやって=手段)どんなツールを使用するのか
●(いつ=スケジュール)どの程度の頻度で発信するのか
中規模・小規模企業様はこちら→リードナーチャリングサポートサービス
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マーケティングは試行錯誤を重ねる必要がありますが、リソースの制約などによって思うように時間をかけることはできません。
現状や課題、求める成果をお聞きしてマーケティングの確度を上げるために併走させていただきます。