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『コントラスト効果』とは?
2つ以上の物事を対比させる際に、実際の差よりも大きな差として感じるという心理的な現象を『コントラスト効果』(『対比効果』)と呼びます。
例えば、最初に高額な商品を紹介された後に、それよりも安価な商品を紹介されると、安価とはいえ高い商品だとしても安く感じてしまうというものです。
『コントラスト効果』の由来とメカニズム
『コントラスト効果』は、「対比」という“Contrast”が由来となっています。
相対的に物事を捉える人間の認知特性が引き起こすのが『コントラスト効果』ですが、2つではなく、3つの選択肢を提示することで真ん中の選択肢を選びやすくする心理的傾向のことを『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』(※)と呼ばれています。こちらも有名な心理現象として知られています。
※『松竹梅の法則』・『ゴルディロックス効果』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
3つの選択肢のなかで真ん中が選ばれやすいというゴルディロックス効果・松竹梅の法則。メカニズムや活用する際のポイントを解説しています。
『コントラスト効果』の身近な例
『コントラスト効果』は、日常生活でも触れることの多い心理的傾向です。
家電量販店やアパレル店舗
身近な例としては、家電量販店やアパレル店舗が挙げられます。
店舗内で一番目につく場所に陳列・最初に提示する際に、ハイエンド(高い)商品をアピールして、その後にミドルレンジ(中程度)の商品を見せることで、『コントラスト効果』が働いて対比して、安く感じるようになるということです。
不動産の『当て馬』物件
物件を最初に紹介する際に、あえて魅力的ではない物件を紹介することで、その後に紹介する物件が『コントラスト効果』で対比され良くみえるようになるという例です。
『コントラスト効果』のビジネスでの活用例
セールスでもマーケティングでも活用できるのが『コントラスト効果』です。
『信頼感』や『価格優位性』を得る
『信頼感』を得るために活用する例としては、自社の商品やサービスを提案する際に、その業界の平均値や競合他社の数値を最初に提示し、その後に自社がアピールできる実績(業界内シェアの高さ、受賞歴など)を伝えることでより良く魅せる効果が見込まれます。
また、『価格優位性』を得るための活用例としては、最初に高額な商品・サービスを提案し、その後に価格を段階的に下げて伝えるという手法です。
これには最初に提示された数字などの情報が、最終決定に影響を与えるという『アンカリング効果』(※)も心理作用することが見込まれます。
※『アンカリング効果』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
最初に与えられた情報(アンカー)によって意思決定に影響を及ぼす『アンカリング効果』。ビジネスシーンでの活用例や注意点について解説します!
『コントラスト効果』を活用する際の注意点
『コントラスト効果』を活用しようとすると、最初に提示する情報は「あまり良くない・メリットがない」ものになりますが、あまりにも良くなさすぎる・メリットがなさすぎるものを提示してしまうと、対比差が大きくなりすぎてしまい、不信感を持たれる可能性が生じてしまうので注意が必要です。
まとめ
さまざまなビジネスシーンで活用することができる『コントラスト効果』。
対比させることで良さを際立たせますが、活用する際には提案する商品やサービスが「良いもの」であることが前提・重要なポイントになります。
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