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「4大メディア」による影響で生じる『リーセンシー効果』
「テレビCMやDM(ダイレクトメール)で見た商品を出掛け先で見つけて思わず買ってしまった」「店舗入り口のPOPを見て商品を手にとった」などが例として挙げられる、消費者が直前に見たり聞いたりした広告が、購買行動に影響を与える効果のことを『リーセンシー効果』(※1)と呼ばれています。
※1:直前に見聞きした広告が影響して買ってしまう!?『リーセンシー効果』
購買の直前に接触した広告が消費者心理に与える影響を意味する『リーセンシー効果』。由来や発祥から、「リーセンシー」の意味、活用例や類似する心理事象について解説しています。
テレビ、新聞、ラジオ、雑誌という一般的に『4大メディア』と呼ばれている媒体による影響を指しますが、Web広告の領域でも「リーセンシー」という用語が用いられています。
Web広告領域における「リーセンシー」とは?
Web広告の領域における「リーセンシー」とは、ユーザーがWeb広告にどの程度接触するかを測定する指標を意味しています。
ユーザーに対して同じ広告が接触する間隔とも言えます。
例えば、「日に何度も同様のWeb広告を見かける(表示される)」ケースは、広告の配信元企業が「リーセンシーを短く設定している」ということです。
このリーセンシーを活用することで、Web広告における購買促進という効果を高める可能性が高まります。一般的に「リーセンシーを短くする」ことで、広告効果が高まるとされています。
リーセンシーと混同しがちな「フリークエンシー」
リーセンシーと混同しがちなのが「フリークエンシー」。
フリークエンシーとは、同じユーザーに対して広告を掲載する頻度のことです。広告の配信元からすると、ユーザーの広告への接触頻度とも言えます。
受け手のユーザー次第になりますが、一般的に短期間に何度も同じ広告を目にすると、しつこさや悪い印象を感じることがあります。
また、Webサイトへの訪問から日数が短いほど、ユーザーのモチベーションがあるため、広告が表示・接触することで購買意欲を促す可能性があります。
Web広告を運用する際には、このフリークエンシーを設定して、同一ユーザーに対する広告の接触頻度を調整することが必要です。
フリークエンシーを調整することを「フリークエンシーコントロール」、フリークエンシーが一定の回数になった際に広告表示を停止する機能を「フリークエンシーキャップ」と呼びます。
つまり、リーセンシー=広告を掲載する間隔、フリークエンシー=広告を掲載表示する頻度と言えます。
「リーセンシー」の活用例
Web広告領域で「リーセンシー」を活用することによって、購買意欲を促す可能性が高まります。
例えば、同じ商品・サービスのWeb広告に何度も接触することで、その商品・サービスが気になって問い合わせる、注文・購入するというケースが挙げられます。
ちなみに、この何度も接触することで心理効果を発揮するのは『ザイオンス効果』(※2)と呼ばれています。
※2:何度も何度も繰り返して接することで相手の興味を引き寄せる!?『ザイオンス効果』
接触回数を増やすことで興味関心や好感度が高まりやすくなる『ザイオンス効果』。どういったメカニズムなのか、ビジネスでの活用例を解説しています。
代表例は『リターゲティング広告』
Web広告領域において、リーセンシーを活用する代表例は『リターゲティング広告』です。
リターゲティング広告とは、ネットワーク広告サービスであるDSP(Demand-Side Platform)広告の一つです。
一度ホームページに来訪した人に対して再度、閲覧してもらうために、特定のメディアサイトを閲覧した際、以前に来訪したページが飛び先のバナー広告を、追跡して表示するという手法です。広告媒体によっては『リマーケティング広告』とも呼ばれています。
『リターゲティング広告』を出稿するメリットとしては、以前見た商品やサービスが、別のサイトでバナー広告として表示されることで、「前に見た商品・サービスのバナーだ。よく見かけるから人気なのかもしれない」と認識してもらいやすくなるので、『確証バイアス』(※3)を加速させる効果が見込め、成約率(コンバージョン率)が高まると考えられます。
※3:知名度や認知度がアップし売上増につながる!?ポジティブな『確証バイアス』の活用方法
自身にとって都合の良い情報ばかりを集める心理傾向である『確証バイアス』。ネガティブな影響とポジティブな活用例について解説しています。
一方、デメリットとしては、上述の『フリークエンシー』(広告を掲載表示する頻度)の調整次第では「しつこい広告」という認識を強めてしまうリスクがあります。
受け手次第なので、頻度という点は難しいところではありますが、運用調整の精度を高める必要があります。
また、そもそもとして以前にWebサイトを訪問してくれたユーザーに対する広告手法なので、Webサイトへの流入数が低い状況では狙った効果が見込みにくいという点があります。
最後に
『リーセンシー』は、Web広告の出稿時には欠かせない指標の一つです。
BtoC(企業-消費者間取引)であれば、日用雑貨などの消耗品の場合、使い切るタイミングを考慮して設定することでリピーターの獲得につながるかもしれません。
また、不動産などの高額商材の場合であれば、購入検討に数か月かかるため、忘れられない程度(かつ嫌がられない程度)の間隔に広告出稿を設定する必要があります。
BtoB(企業間取引)の場合は、価格帯によって稟議承認フローを経る必要が出てくるので、ユーザー側の購買行動やモチベーションを考慮しつつ、取り扱う商品・サービスによってリーセンシーの適切な設定は異なる、という認識をもって進めることが大切になります。
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