マネジメントや組織運営の「悩みの種」になる!?『ブリリアントジャーク』

「優秀だが周囲に悪影響を与える人物」である『ブリリアントジャーク』。なってしまう原因と傾向や生じるデメリット、回避する方法・対処法や実際に同僚が『ブリリアントジャーク』だった・マネジメントすることになったケースなどについて解説しています。

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『ブリリアントジャーク』とは?

「仕事はできるのに周囲を不快にさせて士気を下げる人材」

「仕事はできるけど、周りを不快にさせる言動をする人」、身近にいませんでしょうか?

こういった傾向のある人のことを『ブリリアントジャーク』と呼びます。

『ブリリアントジャーク』とは、「ブリリアント(Brilliant)」=優秀な、素晴らしい、「ジャーク(Jerk)」=嫌なヤツというスラングという意味で、「優秀だけど周囲に悪影響を与える人物」のことを指します。
(ちなみに「シャーク(Shark)」=サメではないようです)

企業や組織の規模が大きくなると必ずといっていいほど一人ぐらいは現れ、優秀な能力を持ちながらも「対人スキル」に問題があり、周囲を不快にさせたり、企業や組織の士気を下げるような言動をしてしまう傾向があることから、どう向き合うか・対処するかが、マネジメントを担う人や経営者にとって「悩みの種」になりがちです。

広まったきっかけ

「有能だが協調性がない人物」はチームに居場所はない

この『ブリリアントジャーク』は、アメリカ合衆国のカリフォルニア州に本社を置く、ドラマや映画、アニメ、ドキュメンタリーなどの幅広いコンテンツを配信するストリーミングサービスを提供している会社である、Netflix(ネットフリックス)の採用ページに登場した単語です。

この採用ページでは、Netflix社が目指す組織=ドリームチームを定義する中で『ブリリアントジャーク』に触れています。

ドリームチームには、有能だが協調性がない、いわゆる「Brilliant Jerk」には居場所はありません。そういった人は素晴らしいチームワークを損なう要因となるからです。どれほど優秀な人材であっても、他人ときちんとしたコミュニケーションがとれなくてはいけません。能力の高い人同士がうまく協力して仕事をすれば、お互いの創造性や生産性が高まり、個人で働くより大きな成功をチームとして収めることができるのです。(抜粋)

Netflix社では、「有能だが協調性のない人物」のことを『ブリリアントジャーク』と呼び、個人としてみれば優秀であるものの、チーム(組織)で見ると生産性を損ねる人物には居場所はない、としています。

『ブリリアントジャーク』になってしまう原因と傾向

他者とのコミュニケーションよりも「成果」に固執する

有能だが協調性のない『ブリリアントジャーク』になってしまう原因としては、「他人との関係性よりも仕事で成果を出すことに固執し過ぎる」点が挙げられます。

「成果」に固執するがあまり、優秀な『ブリリアントジャーク』は「自身の優位性を誇示する」「言動にトゲがある」、さらに自身の意見を押し通そうとすることから「他者の意見を聞き入れない」といったアクションをとるようになる傾向があります。

『ブリリアントジャーク』によって生じるデメリット

「野放し」にすることによる悪影響

(当たり前ですが)仕事で成果を出さなければ、企業や組織運営は停滞し、業績が悪化していくことになります。

ですが、成果を出そうとするあまり『ブリリアントジャーク』を野放しにしてしまうと、自分よりも仕事ができない人を見下したり、場の調和を乱すような言動が企業や組織内で横行するようになってしまいます。

その結果、組織やチーム全体の士気やパフォーマンスを低下させることになり、人間関係が悪化するだけでなく生産性の低下を招くことにもなります。

さらに、『ブリリアントジャーク』ではない優秀な人材が退職するリスクが生じることもあるため、企業や組織にとって『ブリリアントジャーク』の存在は大きなマイナスと言えます。

『ブリリアントジャーク』かどうか見極める方法とは?

以下のような質問を投げかけてみる

『ブリリアントジャーク』かどうかを見極める方法としては、以下のような質問を対象者に投げかけてみることです。

  • 「自分より優秀だと思う人は誰ですか?」

『ブリリアントジャーク』は、自分より優秀な人はいないと考える傾向があるため、「いない」と答えたりすぐに挙げられない可能性が高いはずです。

  • 「成功した理由を教えてください」

『ブリリアントジャーク』であるならば、周囲の貢献や「たまたま」といった運の要素を挙げずに「自身の能力」を強調する可能性が高いため、注意が必要です。

『ブリリアントジャーク』を回避する方法・対処法

どういった立場で接するかで変わる回避方法や対処法

ただの「同僚」なら距離を置く

ただの同僚の場合・・・

自分と『ブリリアントジャーク』の関係が「同僚」などのケースであれば、可能な限り接点を減らし、適度に距離感をとりつつ、できるだけその人と仕事をしないように避けるのが、一番ストレスのない対処法と言えます。

ですが、マネジメントしなければならない立場や、企業を統括する経営者の場合、避けてばかりというわけにはいきません。

見過ごしたり野放しにせず・・・

マネジメント対象の場合・・・ 

もし『ブリリアントジャーク』が、後輩や部下でマネジメントの対象であれば、①意見を「1つの見解」として認めて承認欲求を満たす、②「問題行動」をしていると認識させる、③面談などで改善を促す、といった方法が考えられます。

最悪の場合は人事異動や退職勧告も

これらの方法を行っても効果が得られない場合は、④他者との軋轢が生じにくい部署異動・業務への配置転換や、⑤退職勧告などの断固とした措置も考慮しなければなりません。

『ブリリアントジャーク』を放置してしまうと、人材の流出のリスクが高まり、企業・組織全体が崩壊してしまう恐れがあるため、注意が必要です。

自分が『ブリリアントジャーク』にならないようにするには?

福沢 諭吉 氏の著書『学問のすゝめ』冒頭の有名な一節

同僚や部下ではなく自分自身が『ブリリアントジャーク』に陥らないようにするための方法としては、「仕事ができる=人間として優れている、ではない」逆に「仕事ができない=人間として劣っている」という考えは間違っていると肝に銘じることが挙げられます。

仕事ができる・できないは、あくまで人間の一つの側面だけであり、その要因だけでは人間の優劣を判断することはできません。

福沢 諭吉 氏の著書『学問のすゝめ』冒頭の有名な一節である「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という至極当たり前なことを忘れないようにすべきです。


この続きでは、実際に同僚が『ブリリアントジャーク』だった・マネジメントすることになったケースなどについて解説しています。

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