錯覚によってイメージを誘導できる!?『シャルパンティエ効果』

同じ重さの物体でも、視覚的に大きく見える(体積の小さい)方を重いと錯覚してしまう『シャルパンティエ効果』
由来やよく用いられる例え、ビジネスやマーケティングでの活用例などを解説しています。

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『シャルパンティエ効果』とは?

イメージによって重さを錯覚してしまう心理事象

『シャルパンティエ効果』(Charpentier effect)とは、同じ重さの物体でも、視覚的に大きく見える(体積の小さい)方を重いと錯覚してしまう心理効果を指します。

『大きさと重さの錯覚』(size-weight illusion)とも呼ばれ、無意識のうちに持つイメージによって重さの判断が変わってしまう心理的錯覚、ということです。

『シャルパンティエ効果』の由来

フランス人医師、ドイツの精神分析学者によって確立した心理効果

『シャルパンティエ効果』は、フランス人医師のオーグスチン・シャルパンティエ氏が、1891年に実験結果をまとめた著書『Size-weight illusion(大きさ‐重さの錯覚)』を発表したことで世に広がりました。

ちなみに、オーグスチン・シャルパンティエ氏の説を検証したドイツの精神分析学者ポール・コゼレフ氏の名前から、『シャルパンティエ‐コゼレフの錯覚(Charpentier-Koseleff illusion)』とも呼ばれています。

『シャルパンティエ効果』の例え

「鉄」と「綿(コットン)」

わかりやすい例としては、1kgの「鉄」と1kgの「綿」がある場合、どちらも1kgなので重さは当然同じですが、より大きく見える綿よりも、小さく重いイメージのある鉄の方が「重い」と錯覚してしまう、というものです。

『シャルパンティエ効果』のビジネス・マーケティング活用例

10つの活用例

マーケティングなどのビジネスシーンでは、商品やサービスの効果や効能をよりイメージしやすくするために、同じコトでも表現や単位を変えるという『シャルパンティエ効果』が多く用いられています。

「レモン100個分のビタミンCを配合」

活用例①:「レモン100個分のビタミンCを配合」

こういったキャッチコピーを見聞きしたことがあるかもしれません。

これは、「ビタミンCの代表的なイメージ=レモン」という先入観を用いたキャッチコピーとなります。

レモン1個分あたりのビタミンCは約20mg(※1)とされていますが、仮に「ビタミンC2,000mg配合」と見聞きしても、それがどれだけ多いのかはわかりません。

※1:「発見098:レモン1個ぶんのビタミンCって、実際どのくらい?」中村学園/中村学園大学短期大学部

そのため、事実として「ビタミンC2,000mg配合」とは表現せず「レモン100個分のビタミンCを配合」とした方が、効果がありそうと消費者にイメージさせることが見込まれます。

「ビタミンC2,000mg配合」

活用例②:「ビタミンC2,000mg配合」

「レモン100個分のビタミンCを配合」の表現の方が効果をイメージさせやすいと上述しましたが、この「2,000mg配合」という表現も、『シャルパンティエ効果』を用いています。

「2,000mg」は「2g」とイコールですが、2gと表現するよりも「2,000mg」とする方が数値の多さが際立ち、効果がありそうと思いやすくなります。

「東京ドーム3個分の広さ」

活用例③:「東京ドーム3個分の広さ」

「レモン100個分のビタミンCを配合」と同じように、「14ヘクタールの広さ」と言われてもピンと来ないかもしれませんが、「東京ドーム3個分の広さ」と表現を変えるだけで、広大な面積をイメージしやすくする効果が見込まれます。

「タバコよりも小さいサイズ」

活用例④:「タバコよりも小さいサイズ」

商品のサイズ感を小さく表現したい場合によく用いられていたのが「タバコ(の箱)」です。

実際の商品の横にタバコを並べることで、多くの人が感覚的にサイズがわかる、という手法です。

※ですが、最近では喫煙率が年々低下していて多くの人になじみがない、また電子タバコの普及もあって、今では使いにくい手法かもしれません。

「100人乗っても大丈夫!」

活用例⑤:「100人乗っても大丈夫!」

「やっぱりイナバ。100人乗っても大丈夫!」というテレビCMを見かけたことはないでしょうか。

物置だけでなくオフィス家具なども手掛ける東証一部上場企業である稲葉製作所が、業界内で後発だった自社物置の頑丈さを瞬時に訴えるために、「大人数」というわかりやすさで表現した好例です。

「1日あたりたったの¥100」

活用例⑥:「1日あたりたったの¥100」

同じ金額でも、表現を変えると安く感じられ、購入に対するハードルを下げやすくなります。

例えば、1年契約の金額が¥36,000の場合、「1日¥100」や「1日あたり缶コーヒー1杯分ぐらい」と、1年で支払う金額自体は同じですが、表現を変えることで錯覚を起こしお得感を感じやすくなります。

ローンを組んで購入する住宅などで用いられる表現

こういった表現は、特に住宅販売などの高額・高級な商品やサービスを売り込む際に使われる手法として知られています。

「〇%OFF!さらにレジにて〇%OFF!」

活用例⑦:「〇%OFF!さらにレジにて〇%OFF!」

店舗で見かけたことがあるかもしれません。

最初に値引きした後に「さらに」値引きをする。つまり割引を2段階に分けることで、お得感を演出することができます。

例えば、「表示価格から30%OFF!さらにレジにて10%OFF!」の場合、30%OFF→10%OFFだと実際は「37%OFF」ですが、割引を2段階に分けることで40%OFFとパッと見錯覚を起こしお得感を感じやすくなります。

%ではなく「実数」に落とし込む

活用例⑧:%ではなく「実数」に落とし込む

例えば「日本人の1%が使っています」と表現するよりも「日本人の100人に1人が使っています」とする方が、直感的に理解しやすくなります。

目指す目標を「達成可能なイメージ」まで落とし込む

営業マンの目標達成にも役立つ

例えば、「単価が300万円の商品を販売して、1億円の売上を達成」という、セールスマンが年間目標を達成する際にも『シャルパンティエ効果』は有効です。

具体的には、1年の目標を日単位まで細分化することで、目標達成までの距離が近く感じやすくなります。

  • 1年間で売上1億円を達成する↓
  • 1か月で830万円を達成する=1か月で(300万円の商品を)3台販売すればいい↓
  • 稼働日ベース「22日」で3台販売すればいい→約7営業日で1台販売すればいい。

連動するマーケティングのアクションにも影響が

さらに、セールスのアクションとマーケティングが連動する組織体制であれば、マーケが獲得すべき「見込み客(リード)」の件数も明らかになります。

  • (300万円の商品を)1か月で3台販売すればいい↓
  • (3台販売するためには「10件」の見込み客が必要:実績ベース)↓
  • 1か月で「30件」の見込み客(リード)を営業マンに提供しなければならない。

落とし込むことでポジティブな発想やアクションが具体化

このように、目標をブレイクダウンすることで、「7営業日で1台売るのであれば、それほど難しいわけではないな」とか「1か月に30件のリードが必要であれば、獲得するためにはこんな手法が考えられるな」など、目標に対する難易度が下がったり、行うべきアクションが具体化しやすくなります。

同じことでも「表現を変える」だけで、受け取り方やイメージが変わる、1つの例と言えます。

美容関連の比較広告

使用前後を比較することで効果を目に見せる手法も

ほかにも、美容関連の広告における対象商品やサービスの「使用前・使用後」を表現する「比較広告」も、例の1つと言えます。

効果や効用が数値化しにくい・数値で一概には表現できない場合、使用前後を比較することで、効果を視覚情報として見せることができるようになります。


この続きでは、『シャルパンティエ効果』を活用する際のポイントについて解説しています。

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