組織のトップがモチベーションの高さやバイタリティによって誤った人材を登用してしまい、組織が衰退してしまう『モルトケの法則』。
「能力」と「意欲」に基づく4つの分類法と、
「能力が低いが意欲は高い人」「能力が高く意欲も高い人」によって生じる弊害などについて解説しています。
『モルトケの法則』を解説したPDFデータを無料でプレゼント!
ご希望の方は、上記画像のクリック先のメルマガフォームに「氏名」「会社名(もしくはフリーランスなど)」「メールアドレス」、
「お問い合わせ内容」欄に『モルトケの法則』ホワイトペーパー希望、と記載して送信をお願いします。
『モルトケの法則』とは?
『モルトケの法則』とは、組織のトップがモチベーションの高さやバイタリティによって誤った人材を登用してしまい、組織が衰退してしまうという理論のことです。
元々は、「戦争を戦術的に考えることが戦況を最適化する」という思考法ですが、企業の人材育成や経営戦略に応用されています。
もちろん、企業組織や社風、業界の傾向などによって、必ずしも当てはまる「法則」ではありませんが、現代にも通じる理論として知られています。
提唱したのは?
この法則の由来は、「鉄血宰相」の異名を持つビスマルク 氏 の下で参謀総長を勤め上げた、「近代ドイツ陸軍の父」と呼ばれている、ヘルムート・カール・ベルンハルト・フォン・モルトケ 氏 の部下登用の考え方からきています。
部下を「能力」と「意欲」という2つの要素とその高低で分類して、その優先順位によって登用すべき、と唱えたことで知られています。
「能力」と「意欲」に基づく4つの分類法
モルトケ 氏 は、部下のパターンを「能力」と「意欲」で4つに分類しました。
縦軸に「能力」、横軸に「意欲」、それぞれ「高い」「低い」の要素で分類し、組織のトップが部下を登用する際に、4つの分類のどの人材を優先的に採用すべきかをあらわしています。
- 左上:能力は高いが意欲は低い
- 右上:能力が高く意欲も高い
- 左下:能力が低く意欲も低い
- 右下:能力が低いが意欲は高い
『モルトケの法則』で優先順位をつけると、以下の順になります。
- 1位:能力は高いが意欲は低い→命令に従順で、業務を遂行する人材。
- 2位:能力が低く意欲も低い→業務において扱いやすい人材。
- 3位:能力が高く意欲も高い→上司や組織内で対立する可能性があり、扱いにくい人材。
- 4位:能力が低いが意欲は高い→意欲だけが空回りしがちで組織全体に悪影響を与える人材。
なぜ「意欲」が低いと部下に適任なのか?
一見すると「能力が高く意欲も高い」人材が部下として良いのでは?と考える人も多いかと思いますが、『モルトケの法則』では「能力は高いが意欲は低い」人材が部下に適任としています。
また「能力が低く意欲も低い」人材が2位であることに「?」となるかもしれませんが、「能力も意欲もない部下は扱いやすい」ということになります。
モルトケ 氏 は、この法則を世界大戦時の軍略として用いてドイツ軍を組織し、数々の勝利を勝ち取りました。
戦時中は「戦争に勝つ」という明確なゴールがあります(近年ではそうでないケースもありますが)。
そういった環境下において、「意欲の高い部下」は自身で判断して命令に背いたり反発し統率を乱すリスクがあります。
指揮を執る立場の人間としてはそんな部下は扱いづらく、可能な限り「個々人の意思や主張を削ぎ落した組織にすれば一枚岩になる」という考え方が、法則を提唱した当時にはあったというわけです。
「能力が低いが意欲は高い」人材によって生じる弊害
この『モルトケの法則』を企業組織に当てはめて考えてみると、「能力が低いが意欲は高い」人材、つまり「やる気だけが取り柄な人」は、経営者やマネージャーにとって厄介な存在と言えます。
一般的に、意欲が高くバイタリティの溢れる人は高い評価を得ますが、意欲が高くバイタリティが溢れる「だけ」だと、意欲やバイタリティの高さが「能力の低さ」をカモフラージュしてしまうことになります。
つまり、能力(実力)という根拠なしに「頑張っているから」と高い評価をしてしまうのはリスクになる、というわけです。
高い人事評価や役職登用により「ハクがついてしまう」
しかし、企業組織を継続するうえで、「頑張っているから」というだけで高い人事評価をしてしまう・役職に登用してしまうのは大きな問題となります。
能力・実力が伴わない誤った人事評価や役職に登用すると、「地位」や「肩書き」を得ることになり『権威バイアス』(※)が働き、自身だけでなく周囲の従業員・外部からも過大評価されてしまい、より手が付けられなくなってしまい、そんな人材が組織上部にいることで組織自体が衰退してしまうからです。
※『権威バイアス』(権威性の法則)の詳細については、こちらのページをご覧ください。
権威がある地位や肩書きによって、その人物や言動に対する評価が高く歪められてしまう『権威バイアス』『権威性の法則』。なぜ効果が発揮するのか、ビジネスシーンでの活用例などについて解説しています。
「能力が低いが意欲は高い人」がロールモデルになってしまうと・・・
また、組織運営の観点から考えると、「能力が低いが意欲は高い」人材が成功例として組織内で認識されると、「理想の将来像」=『ロールモデル』になってしまう可能性が生じます。
すると『ロールモデル効果』(※)が生じて、さらに「能力が低いが意欲は高い人」が組織内に増えることにつながるため、注意が必要です。
※『ロールモデル効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
「手本・模範となる人物」を定義・提示することで、集団の活性化を促す『ロールモデル効果』。なぜ必要になっているのか、設定することによる4つのメリット、ふさわしい人物像や入社年数別・役職ごとの『ロールモデル』例、効果を発揮させるための手順について解説しています。
「能力」だけでなく「意欲」も注視する必要が
言わずもがなですが、あくまで「今のタイミング」では能力が不足しているケースも考えられるので、「やる気だけある人」を組織から排除すべき、というわけではありません。
良くも悪くも、組織運営には従業員の「能力」だけでなく、「意欲」もキーポイントになるということです。
↓
この続きでは、「能力が高く意欲も高い」人材によって生じる弊害や、
企業としての一体感を担保するための方法について解説しています。
『モルトケの法則』を解説したPDFデータを無料でプレゼント!
ご希望の方は、上記画像のクリック先のメルマガフォームに「氏名」「会社名(もしくはフリーランスなど)」「メールアドレス」、
「お問い合わせ内容」欄に『モルトケの法則』ホワイトペーパー希望、と記載して送信をお願いします。
株式会社SBSマーケティングでは、BtoB(企業間取引)を中心にマーケティングや集客に関連したコンサルティングサービスをご提供させていただいております。
中堅・小規模企業様向けサービスはこちら
リードジェネレーションサポートサービスリードナーチャリングサポートサービスブランディングサポートサービスマーケティング組織設計サポートサービス リードジェネレーションサポートサービス 想定されるターゲット、ご予算、社内リ …
個人事業主&フリーランス様サービスはこちら
見込み客獲得サポートサービス見込み客確度アップサポートサービススポット相談サービスイベントサポートサービス 見込み客獲得サポートサービス 想定されるターゲット、ご予算に応じた見込み客(リード)の獲得、集客を支援いたします …
お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。
マーケティングは試行錯誤を重ねる必要がありますが、リソースの制約などによって思うように時間をかけることはできません。
現状や課題、求める成果をお聞きしてマーケティングの確度を上げるために併走させていただきます。