企業経営に対する「説得力」を高める際に欠かせない!?『MVV』

企業経営の基盤となる重要な概念である『MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)』
『MVV』を構成する3つの要素、策定することによるメリットと3つのステップ、6つの策定事例と、
より浸透させるためのポイントなどについて解説しています。

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『MVV』とは?

企業経営上「3つの概念」を言語化することは重要

企業にはそれぞれ成し遂げたい目標であったり、目指す方向性、社会に対する存在意義があります。

それらを明文化することは、社内外のコミュニケーションにおいて、とても重要となります。そこで有用になるのが『MVV』です。

多くの企業が取り入れている『MVV』

『MVV』とは、「ミッション(Mission)」「ビジョン(Vision)」「バリュー(Value)」の頭文字を組み合わせた言葉で、企業経営の基盤となる重要な概念です。

「ミッション」は企業経営における使命「ビジョン」は実現したい理想像「バリュー」は理想像に近づくための行動指針を意味しています。

この概念は、経営学者のピーター・F・ドラッカー 氏が著書『ネクスト・ソサエティ』で重要性を提唱したことが由来になっています。

企業経営における概念とそれぞれの意味

企業理念は「ミッション」、経営理念は「ビジョン」、クレドは「バリュー」に該当

企業経営の概念には、さまざまあります。

それぞれの企業によって位置づけや使われ方は異なり、明確な定義・違いはありません。

  • 企業理念・・・「ミッション」に該当。不変性のある企業としての価値観。
  • 経営理念・・・「ビジョン」に該当。経営方針の変化に即して刷新される活動方針。
  • パーパス・・・「ミッション」に該当。企業の存在意義。
  • クレド・・・「バリュー」に該当。企業活動の拠り所になる価値観や行動規範をまとめたもの。
  • ESG経営・・・「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の略で、持続可能な経営を行う際の指標。

『MVV』の3つの要素

「ミッション」「ビジョン」「バリュー」

『MVV』を構成する3つの要素の意味は、以下の通りです。

ミッション(Mission)

①存在意義や社会に提供する価値

「ミッション(Mission)」とは、企業の存在意義や、企業が社会に対して果たすべき使命を意味しています。

その企業がなぜ存在するのか、そして社会で実現したいことを言語化したものです。

「ミッション」には、簡単に達成することができない、抽象的なものという特徴があります。

ビジョン(Vision)

②企業が将来どんな姿になりたいか

「ビジョン(Vision)」とは、掲げる「ミッション」を実現した時の状態、つまり企業の理想像・将来像を意味しています。

この「ビジョン」は、未来志向であり、中長期的な目標になるのが特徴です。

「ミッション」は果たすべき使命などをあらわすことから、一度決めると基本的には変更することはありませんが、「ビジョン」の場合は実現したい理想像であるため、外部環境などの変化によって見直し・変更することがあります。

バリュー(Value)

③ミッションやビジョンを実現するための判断基準や「やるべきこと」

「バリュー(Value)」とは、ミッションやビジョンを実現するために、どんな行動をすべきかを示す「行動指針」や、判断基準となる「価値観」を意味しています。

「ビジョン」を変更する際には、連動する形で「バリュー」に該当する行動指針や価値観も再定義する必要があります。

3つの要素の違い

ミッション→ビジョン→バリューの段階構造

「ミッション」を上位概念として、その下に「ビジョン」「バリュー」があるという構造になります。

  • ミッション(Mission):企業の「存在意義」や社会に対して果たすべき「使命」。
  • ビジョン(Vision):理想とする企業の「将来像」。
  • バリュー(Value):実現するための「行動指針」や「価値観」。

なぜ『MVV』が取り入れられるようになったのか?

「共通認識」によってブレない組織作りが可能に

「存在意義」や理想とする企業の「将来像」、「行動指針」や「価値観」を明文化することで、経営者・幹部~従業員まで「共通認識」を作ることができ、一貫性のある経営判断や方針の策定、目標設定が可能になることから多くの企業で採用されるようになっています。

「共通認識」があることから、企業組織の一体感を醸成することにもつながり、社内だけでなく社外とのコミュニケーションでも具体的な「企業イメージ」を発信することもできるようになります。

MVVを策定するタイミング

「ビジョン」や「バリュー」は状況に応じて変えていく必要が

ちなみに、この『MVV』を策定するタイミングとしては、本来は起業時・創業時に行うことがベストです。

ですが、「ビジョン」や「バリュー」は、市場(マーケット)・競合他社などの外部環境の変化や、社長の交代やM&A後には見直しが必要になります。

「ビジョン」と「バリュー」の2つの要素に関しては、当初の『MVV』に固執することなく、柔軟に運用する姿勢が求められます。

『MVV』を策定することによるメリット

MVVがもたらす5つのメリット

『MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)』を策定するメリットは、以下のような点が挙げられます。

  • 「一体感」が強まる
  • 「エンゲージメント」が高まり離職率が低下する
  • 採用の「ミスマッチ」を回避できる
  • 「一貫性」が担保できる
  • 意思決定が「スピーディー」になる

「一体感」が強まる

①「共通認識」を介して一体感が向上する

『MVV』を設定することで「共通認識」を持てるようになり、経営陣や従業員が目指すべき理想像や使命に向かって行動できるようになるため、企業組織の一体感が向上するようになります。

「エンゲージメント」が高まり離職率が低下する

②企業組織内の関係性が強まりやすくなる

『MVV』によって、従業員の「エンゲージメント(企業と従業員の関係性の強さ)」が高まるようになり、業務に対するモチベーションも向上しつつ、離職率を低下させる効果が期待できるようになります。

採用の「ミスマッチ」を回避できる

③「カルチャーにフィットしない」というリスクを防げる

『MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)』が策定されていない状態で、給与や福利厚生といった「待遇」だけで入社してしまうと、企業組織の風土に直結する『MVV』というカルチャーを入社後に知ることになるので、人によっては「こんなはずじゃなかった」というミスマッチが生じてしまいます。

『MVV』という共通認識に共感する人材が集まらなければ、組織が崩壊してしまうリスクが生じてしまうので、あらかじめ策定しておくことが重要です。

「一貫性」が担保できる

④ブレのない社内外への情報発信が可能に

『MVV』は、企業組織の根幹をなす「共通認識」なので、会社としての情報発信に「一貫性」を担保しやすくなります。

この「一貫性」は、社内だけでなく広報業務やマーケティング業務などの社外向けの発信にも役立ちます。

意思決定が「スピーディー」になる

⑤競合との差別化になる「意思決定の早さ」

企業活動に対する「指針」である『MVV』があることで、人によってバラバラな意思決定をすることなく、首尾一貫した意思決定をスピーディーに行えるようになります。

『MVV』を策定するための3つのステップ

3つの策定ステップ

『MVV』を策定する際の基本的な考え方としては「マクロなゴールを達成するためにミクロなアクションを決める」です。

具体的には、以下のステップで進めるのが一般的とされています。

  • 創業に至った経緯や「想い」を言語化する
  • 言語化した情報を具体的・客観的に表現する
  • 社内に浸透させる機会を設ける

創業に至った経緯や「想い」を言語化する

①「キーパーソン」にヒアリングして思想や事業を整理する

まず、創業した経営者や経営幹部・役員などにインタビューなどを実施し、その企業を設立した経緯や、事業を通じて「何を成し遂げたいのか」を言語化します。

『MVV』を策定するこの第一段階では、取り組んでいる事業に対して理解が深いメンバーから、企業組織の根幹となる情報を吸い上げることがポイントになります。

言語化した情報を具体的・客観的に表現する

②言語化した情報をシンプルにわかりやすくまとめる

言語化した企業設立の経緯や「成し遂げたいこと」を、具体的かつ端的な言葉にまとめます。

また、策定した『MVV』は社内だけでなく、市場(マーケット)やステークホルダー(株主や投資家などの利害関係者)という社外にも発信することになるため、ネガティブな印象を与える表現になっていないかなど、どんな影響を及ぼすかを考慮した上で表現を練らなければなりません

社内に浸透させる機会を設ける

③「現場」の声を反映すれば「自分ゴト」として理解が深まる

策定後は、その『MVV』を従業員に周知し、社員研修やワークショップなどを通して、理解を深めてもらう機会を作ることも大切です。

また、従業員などの「現場」の声を吸い上げ反映することで、「共通認識」として理解しやすくなるはずです。

『MVV』の策定事例

民間企業だけでなく官公庁も策定する『MVV』

それでは、実際に『MVV』を策定している事例を見てみます。

トヨタ自動車株式会社

①トヨタ自動車の「トヨタフィロソフィー」

愛知県豊田市に本社を置く日本最大手の自動車メーカーであるトヨタ自動車株式会社。

『MVV』は、「トヨタフィロソフィー」という形で表現されています。

  • ミッション:幸せを量産する
  • ビジョン:可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える
  • バリュー:「トヨタウェイ」ソフトとハードを融合し、パートナーとともに唯一無二の価値を生み出す

花王株式会社

②花王の「花王ウェイ」

東京都中央区日本橋茅場町に本社を置く大手消費財化学メーカーである花王株式会社。

花王ウェイ(企業理念)」というページで、『MVV』を掲載しており、「行動原則」も掲げています。

  • ミッション:豊かな共生世界の実現
  • ビジョン:人をよく理解し期待の先いく企業に
  • バリュー:正道を歩む、よきモノづくり、絶えざる革新

キリンホールディングス株式会社

③キリンホールディングスの企業方針

日本を代表するビールメーカーであり、ビールや発泡酒、清涼飲料、食品、製薬など事業が多岐にわたるキリンホールディングス株式会社では、以下のような内容で『MVV』を定義しています。

  • ミッション:キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します
  • ビジョン:食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる
  • バリュー:熱意・誠意・多様性〈Passion. Integrity. Diversity.〉

株式会社ファーストリテイリング

④ファーストリテイリングの「FAST RETAILING WAY」

株式会社ユニクロや株式会社ジーユーなどの衣料品会社を傘下にもつ持株会社である、株式会社ファーストリテイリングでは、「FRグループ企業理念」として掲げています。

※「ステートメント」をミッション、「ミッション」をビジョンと捉えています。

  • ミッション:服を変え、常識を変え、世界を変えていく
  • ビジョン:本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します
  •     :独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、社会との調和ある発展を目指します
  • バリュー: お客様の立場に立脚、革新と挑戦、個の尊重、会社と個人の成長、正しさへのこだわり

    note株式会社

    ⑤noteのミッション・ビジョン・バリュー

    文章、写真、イラスト、音楽、映像などを投稿し、クリエイターと読者をつなぐウェブサービスを展開する note株式会社では、以下のように定めています。

    • ミッション:だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。
    • ビジョン:noteがあることで、人々は本当に伝えたいことに専念できるようになる。
    • バリュー:クリエイター視点で考えよう / Creator First
    •     :多様性を後押ししよう / Promote Diversity
    •     :クリエイティブでいこう / Be Creative
    •     :つねにリーダーシップを / Leadership
    •     :すばやく試そう / Try First
    •     :おおきな視点で考えよう / Think Big

    デジタル庁

    ⑥デジタル庁のミッション・ビジョン・バリュー

    デジタル社会の形成に関する内閣の事務を内閣官房とともに助け、その行政事務の迅速かつ重点的な遂行を図ることを目的として、2021年9月1日に発足した行政機関の一つであるデジタル庁では、以下のように定めています。

    • ミッション:誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。
    • ビジョン:優しいサービスのつくり手へ。大胆に革新していく行政へ。
    • バリュー:一人ひとりのために、常に目的を問い、あらゆる立場を超えて、成果への挑戦を続けます。


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