たくさん引用されていると「事実」だと誤認してしまう!?『ウーズル効果』

証拠や根拠が曖昧・無いにもかかわらず、頻繁に言及・引用されることにより「事実である」と誤解される『ウーズル効果』
由来と発生例、防ぐことが難しい理由、マーケティング領域での発生例と対策方法について解説しています。

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『ウーズル効果』とは?

頻繁に言及・引用されることで「エビデンス」が無いのに「事実」と誤認される現象

『ウーズル効果(Woozle Effect)』とは、証拠や根拠が曖昧・無いにもかかわらず、頻繁に言及・引用されることにより「事実である」と誤解される現象のことです。

社会科学に見られる確証バイアス』の一種として知られており、『引用による証拠(Evidence by Citation)』や単純に『ウーズル』とも呼ばれています。

この効果が生じることで、事実ではない事柄が「都市伝説」などとして扱われることになります。

この『ウーズル効果』の影響は、世間一般だけでなく、学術分野でも起こり得る事象として知られています。

『ウーズル』の由来

Wikipedia:ウーズルの痕跡であると信じて、自らの足跡を辿るプーとピグレット
Wikipedia:ウーズルの痕跡であると信じて、自らの足跡を辿るプーとピグレット

ウーズル(Woozles)とは、1926年に発表された、A・A・ミルン 氏 の児童小説『くまのプーさん』に登場する架空の動物のことで、ディズニーアニメの日本語版では「ヒイタチ」と訳されています。

プーの親友のティガーが、プーへハチミツを狙う動物として象とイタチがいることを教えようとした際、発音を間違えて、象(Elephant)を「ヘッフォラン(Heffalump、日本語訳はズオウ)」、イタチ(Weasel)を「ウーズル(Woozles、日本語訳はヒイタチ)」と教えてしまいます。

それを聞いたプーは、存在しない「ヘッフォラン」と「ウーズル」に怯え、悪夢を見るようになります。

東京ディズニーランドの『プーさんのハニーハント』でも見ることができる

ちなみに、このプーが悪夢を見る情景は、東京ディズニーランドのアトラクションの一つである『プーさんのハニーハント』で見ることができるようです(※2024年1月26日~5月24日まで休止中)。

本当は存在しないが足跡が増えることで存在を確信してしまう

ある日、プーが藪で「足跡」を見つけます。それをプーは、ウーズルの足跡だと思い込み、親友のピグレットとウーズルを追います。

すると、どんどんと足跡が増え続けていくことから、「ウーズル」の存在を確信します。ですが、その足跡は自分たちのものだったのです。

この、プーが「ウーズル」の存在を、増える足跡を追うごとに確信したように、事実ではないことが頻繁に世間で引用されることで、事実とされたり「都市伝説」となることを『ウーズル効果』といいます。

ウーズル効果が発生したケース

医療麻薬の論文とポスターのモデル、毒物事件

「医療麻薬は中毒になりにくい」という論文

麻薬の危険性が軽視されて社会問題化

『ウーズル効果』の有名な例の一つが、1980年にイギリスの論文誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』に掲載された「医療麻薬は中毒になりにくい」という論説の引用。

「医療麻薬は中毒になりにくい」という論説が「自宅用に処方された麻薬の使用においても危険ではない」と誤認

患者への「医療麻薬」の使用に関する記録から、世間で騒がれるほど危険ではないことを主張した論文で、本来は「病院内での医療麻薬の使用のみを対象」とした研究でした。

ですが、自宅用に処方された麻薬の使用においても同様に危険ではない、と主張する目的で、多く引用されることになってしまいました。

誤認をもとに製薬会社が売り出した薬品は大手メディアでも肯定的に取り上げられることに

ある製薬会社でもこの論文を引用し、モルヒネと似た目的で使用される「オキシコドン」という薬を「中毒のリスクが低い」と論じ、販売しました。

この「オキシコドン」については、アメリカ合衆国の通俗科学の科学雑誌である『サイエンティフィック・アメリカン』や有名なタイム誌などでも取り上げられ、タイム誌では「麻薬による中毒症状には根拠がないことを示した画期的な研究である」とし、NEJMに掲載された論文の引用数は「オキシコドン」の発売後に急激に増えることになりました。

こうして、論文が当初の論旨とは異なる引用をされたことで、安全性が過剰に見込まれることになり、大量に処方され、中毒患者が多発するという社会問題化してしまいました。

その結果、2007年には製薬会社とその管理職は、オキシコドンの服用に関する中毒リスクについて「規制当局や医師・患者を欺いた」とし、連邦掲示手続により告訴され有罪判決を受けました。

ポスターのモデルは誰?

Wikipedia:J・ハワード・ミラー 氏 が1943年に制作したポスター『We Can Do It!』
Wikipedia:J・ハワード・ミラー 氏 が1943年に制作したポスター『We Can Do It!』

第二次世界大戦中の1943年に、労働者を鼓舞し勤労意欲を高める目的でアメリカ合衆国で制作されたポスター『We Can Do It!』も、『ウーズル効果』の有名な例として知られています。

1994年に、このポスターの「上腕二頭筋を見せている女性」のモデルは自分であると、ジェラルディーン・ドイル 氏 が主張したのち、多くのメディアは裏どりをすることなく広めていきました。

ポスターのモデルである」というエビデンスが不明だったにもかかわらず、多くの報道機関が取り上げたこと自体が説得力を持たせることになりました。

※その後、2015年にポスターの原初となる工場労働者の写真が発見され、別人がモデルである可能性が生じ、ジェラルディーン・ドイル 氏 の主張に疑問符が付くことになりました。

日本で起こった報道被害

警察とマスコミによって生じたえん罪被害

1994年に長野県松本市で発生した、新興宗教による毒物を使用した殺人事件である、松本サリン事件

杜撰な捜査や一方的な取り調べをした警察と、警察からの発表を踏まえ偏見を含んで報道を続けたマスコミにより、第一通報者の被害者が犯人として扱われてしまった、えん罪未遂事件・報道被害事件として知られています。

この事件でのえん罪被害・報道被害も『ウーズル効果』が生じたケースと言えます。

現代では『ウーズル効果』を防ぐことは難しい。。

日々、影響が強くなっている『ウーズル効果』

インターネット・SNSの普及により、気軽に情報が発信できるようになった現代では『ウーズル効果』の影響は強くなっています。

例として、著名人のスキャンダルが挙げられます。

ネットやSNS上で根も葉もない噂が流布することで、『ウーズル効果』によって「真実」のように捉えられるケースがあります。

半永久的に「デジタルタトゥー」として残り再炎上する可能性が

一度拡散して『炎上』してしまうと、負のイメージを覆すことは難しく、ほとぼりが冷めても「デジタルタトゥー」として半永久的にネット上に残り、いつ引用されてまた火が付くかもわかりません。

こういった現象はインターネットやSNS上だけの話ではありません。学校や会社といった日常の人間関係においても起きる可能性があります。


この続きでは、マーケティング領域でも発生する『ウーズル効果』の例、対策方法について解説しています。

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