出展前には『ゴール』設定を
見込み客(リード)を獲得する施策として有効な展示会への出展ですが、事前にいくつかのポイントをおさえておかないと、期待するような成果を出すことが難しくなってしまいます。
まず、おさえておきたいのが、展示会では多くの見込み客を獲得できる可能性がありますが、その多くが「情報収集」を目的としたリードであること。BtoBのビジネスでの出展であれば商文化も相まって受注までには相応の時間がかかります。
そして、開催までの準備や会期中は多忙になり、労力もコストもかかるので、出展の際には費用対効果の視点を持って『ゴール』を設定しておく必要があります。
詳しくは、下記の記事をご覧ください。
メジャーな手法である『展示会マーケティング』 見込み客(リード)を獲得する施策として有効な「展示会」。 展示会に出展することで、1日に100社以上の見込み客と出会うことも可能です。 たくさんの見込み客と出会えれば、自社の …
来場者の傾向を把握する
続いて事前におさえておきたいのが、出展する展示会の『来場者の傾向を把握する』ということです。
開催予定の展示会を紹介するWebサイトでは、前回開催した際の来場者情報が公開されています。
例えば、2022年4月に東京ビックサイトで開催予定の「Japan マーケティング Week【春】」の場合、こちらのページのような形で公開されています。
このページのように、日ごとの来場者数やVIP来場者数、来賓、ほかにも開催セミナー受講者数や報道関係者の来場者数などが掲載されています。
また、出展社向けの事前説明会で配布される資料や、出展検討中に事務局に問い合わせた際に提供される資料には、前回開催の来場者の業種や所属企業規模、役職などを円グラフでまとめた属性情報が掲載しています。
何気にもらう資料の1つですが、このデータをもとに販売対象がどの程度来場する傾向があるのか、大まかにでも把握することが重要です。
- 販売対象の見込み来場数を事前に把握する目的
来場する販売対象を具体化するには、前回の来場者の「業種」「所属企業の規模」「役職」の情報を、自社の商品やサービスに合致する当てはめて、展示会への来場者数やブースへの見込み来場者数を割り出します。この「販売対象が来場する見込みは〇〇〇名」と分析する目的は、会期終了後の「言い訳」を減らすためです。例えば「希望していたキーマンに会えなかった」、「検討確度が高くなりそうな来場者と名刺交換ができなかった」、「今回は来場者数が少なかった(気がする)。主催者の集客が甘かったのではないか」、「ウチの対象がそもそも来場していなかった(気がする)」、「悪天候だった」など、思っていたような成果が出なかった場合、自社=内部以外の運営事務局や天候といった外部に原因を求めがちになります。ですが、事前にこれまでの来場者傾向を分析していれば、出展するテーマの展示会に対象が来場しているのは明らかなので、もしターゲットの名刺を獲得できなかった場合には、その原因は内部=自社にあると考えなければいけません。そう考えることで、次回出展する際、今回の経験を活かすことができます。
(とはいえコロナ禍の影響もあるので、外部要因を排除しづらい状況があるのも事実ですが。。)
『ファネル』で展示会マーケティングの目標を設定
展示会マーケティング用の「ファネル」を作ると、来場者傾向とそれに紐づく目標が設定・可視化できるので、社内の関係メンバーと共有・理解しやすくなります。
ファネルは、日本語で言うと「漏斗(ろうと)」のことで、逆三角形型で表すものです。マーケティングの領域では、顧客が商品を認知し購入するまでの段階を「マーケティングファネル」として図に表すことが多くあります。
展示会マーケティングの場合、下記の6段階でまとめるのが一般的です。
※初めて出展するなどでこれまでの実績がない場合は、仮の数値を当てはめます。
≪展示会マーケティングの数値目標の設定例≫
①展示会の総来場者数
開催予定の展示会を紹介するWebサイトでは、前回開催した際の来場者情報が公開されているので、そちらをベースに算出。
↓
②自社ブースへの来場者数
展示会の総来場者数に自社の商品やサービスの販売対象として合致する「業種」や「所属企業の規模」「役職」などの属性情報の比率を掛けて算出。
↓
③名刺獲得枚数
自社のブースに来場された方の中で名刺交換をした数を指します。
↓
④有効名刺獲得枚数(見込み客数)
名刺獲得できたとしても、その中には競合企業や逆営業の名刺、取引企業のご担当者が挨拶に来たなど、フォローすべきでない名刺も含まれていますので、それらを排除した数。
↓
⑤訪問・商談数
フォロー対象外の名刺を排除した枚数の中で、訪問フォローが必要な方を指します。
↓
⑥成約数
訪問・商談したお客様の中で成約(受注)した数を指します。
上記の①~⑥に例として数値を当て込むと下記のようなファネルになります。
出展費用とリード獲得単価の根拠については、下記の記事をご覧ください。
メジャーな手法である『展示会マーケティング』 見込み客(リード)を獲得する施策として有効な「展示会」。 展示会に出展することで、1日に100社以上の見込み客と出会うことも可能です。 たくさんの見込み客と出会えれば、自社の …
最後に
展示会に来場する方々の目的・傾向を把握し、費用対効果の視点で『ファネル』という形の目標の設定をすることで、自社内の関連メンバー間での共通のゴールを明らかにすることが出展会期前には必要となります。
- ≪展示会スケジュールのダウンロードデータに関しまして≫
2022年1Q(~3月まで)の東京ビックサイト、幕張メッセ、パシフィコ横浜のいわゆる『関東3大展示会場』の、開催スケジュールをまとめたダウンロードデータをご用意しております。こちらのページ後半にございますので、出展の際、また情報収集で来場の際にぜひ、ご利用ください。
※こちらの記事も併せてご覧ください。
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マーケティングは試行錯誤を重ねる必要がありますが、リソースの制約などによって思うように時間をかけることはできません。
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