マーケティング活動で『炎上』などのトラブルが発生したら・・・~SNS投稿、配信メール、コンテンツ編~イメージ

『炎上』は大きく分けて2種類

炎上パターンは大きく分けて2種類

広報・PRの支援やコンサルティングを手掛ける総合PR会社のプラップジャパンでは『納得型炎上』と『論争型炎上』といった表現をしています。

納得型炎上

(内容)誰が見ても「これが炎上するのは当然」とされるタイプ。
(領域)コンプライアンス違反や異物混入、製品事故、不正行為などリスクマネジメント必須の領域。
(特徴)ネットで発見されることで「ネット炎上」と理解される、クライシスに発展する可能性。

『納得型炎上』の例としては、バイトテロや企業の不正、経営者や従業員の失言がメディアやSNSで投稿、拡散するといったケースが挙げられます。

論争型炎上

(内容)炎上する事案か人によって見解が分かれるタイプ。
(領域)これまでならリスクと想定されにくかった、テレビCMやネット動画などの領域。
(特徴)周知されることで「炎上の是非」に議論が拡大。さらなる拡散を招くことも。

『論争型炎上』は、人によって賛成派・反対派などに分かれ議論が起こるような見解が異なるテーマについて、例えば広告や記事などのコンテンツが「どのように表現しているか」を問題視するパターンのものが挙げられます。

マーケティング活動のトラブル例

マーケティング活動で起こり得るトラブルとは?

マーケティング活動における『炎上』などのトラブル例としては、主に以下が挙げられます。

・出稿した広告の表現
・SNSの投稿
・リードナーチャリング施策で配信したメール
・公開したWebページなどのコンテンツ

今回は、SNS投稿、配信メール、コンテンツを取り上げます。

SNSの投稿

SNSイメージ

BtoBの領域でSNSマーケティングを実施するメリットとしては、Webメディアなどとは異なるターゲットに対してアプローチして、商品やサービスの知名度や認知度をアップさせる、「ファン」になってもらうことを期待することが多い傾向がありますが、投稿の内容によっては、クレームや『炎上』につながるリスクもあります。

SNSの投稿における『炎上』トラブルを防ぐには?

下記のページ(※)で詳しく記載していますが、トラブルを防止するためには表現に関するトレンドや社会規範を把握・理解し、投稿前に投稿者自身だけでなく所属するチームや社内のメンバーに客観的なチェックをしてもらうことをオススメします。

※マーケティング活動で『炎上』が発生したら・・・~広告編~

SNSの投稿でクレームや『炎上』トラブルが発生したらどう対応する?

やはりトラブルが発生した際には謝罪やお詫びが必要になります。

SNSの謝罪に関して知られているのが、尾瀬ガイド協会様です。
当協会公式アカウントによるTwitterにおける多数の差別的投稿に関して

Twitterの公式アカウントで、差別的な投稿を複数回行った件とその後の対応についてお詫びをしています。

事実に基づく経緯→認識している問題点→発生させてしまった原因→今後の対応などの予定、といった流れで、発生させてしまった問題について向き合って事実を報告し、誠意を込めてお詫びをしている例として知られています。

配信メール(リードナーチャリング施策として)

リードナーチャリングメールイメージ

獲得した見込み客(リード)に対して、販売したい商品やサービスの購入検討確度を上げるために実施するリードナーチャリング。

検討確度をアップさせるために継続的に・一定の頻度で行われる施策ですが、「配信対象を間違えてしまう」「配信内容に誤りがあった」というケースが発生してしまいがちです。

配信メールにおける『炎上』トラブルを防ぐには?

最近ではメール配信システムやMAツールを使用して実施することが多いので、どちらかというとシステムやツールではなく人的な要因でミスやトラブルが発生します。

なので、SNS投稿時と同様に、配信担当以外のメンバーに校正・校閲的観点でチェックをしてもらうことをオススメします。

配信メールでクレームや『炎上』トラブルが発生したらどう対応する?

例えば、人的ミスによる配信先アドレスと氏名が不一致で配信してしまった場合。この場合はお詫びする対象は限定的になります。

ほかにも、誤った内容を配信してしまった場合。この場合は配信対象がすべてとなりますが、どちらのケースにしても、①なぜ起こったのか?②今後どう対応するのか?の2点を最低でもおさえてお詫びのメールを追送する必要があります。

コンテンツ

コンテンツイメージ

コンテンツは、大きく分けてオフラインの紙媒体、オンラインのWeb媒体があります。
オンラインコンテンツであれば、誤りがあっても差し替えは比較的容易ですが、紙媒体のような印刷物の場合は簡単にはいきません。

コンテンツにおける『炎上』トラブルを防ぐには?

オンラインコンテンツかオフラインコンテンツのどちらにしても、SNS投稿・配信メールと同様に複数名での校正・校閲が重要となります。

特に印刷物の場合は、表現ミスや誤植が大きなトラブルを招く可能性があるので、パソコンなど画面上だけでなく出力してアナログな確認をオススメします。

コンテンツでクレームや『炎上』トラブルが発生したらどう対応する?

オフラインの紙媒体の場合、誤り・誤植や表現ミスの内容によっては刷り直しなどが必要な事態になってしまうのですが、刷り直しまでではないケースの場合は、配布する前であれば該当箇所に訂正シールを貼る、媒体に「正誤表」を挟むなどの対応方法があります。

もし、スポットではなく定期的に発行している媒体の場合は、次号で「正誤表」を挟む、巻末などにお詫び文と訂正を掲載するのも方法の1つです。

最近は「クロスメディア」の観点でWebでもオフラインコンテンツを展開していることも多いので、その際はまずWeb上でお詫びと訂正を告知するのが無難と言えます。

一方、オンラインコンテンツの場合、広告などで他社メディアに出稿する際には時間がかかってしまうこともありますが、自社メディアであれば比較的早急に修正などの対応ができます(コンテンツの運用を社外の協力会社に委託している場合はそうではありませんが)。

例えば、公開したページの内容に誤りがある、ページ表示が崩れているといったケースが考えられます。

ちなみに、ページを公開後、社内の関連メンバーや他部署などから表示崩れを指摘されることがあるかもしれませんが、その際、表示しているPCのブラウザとウィンドウの幅、OSを聞く必要があります。

ブラウザやウィンドウ幅、OSを聞かれてすぐに答えられないといったこともよく(経験上)ありますので、そんな時には下記のサイトを共有すると素早く確認ができます。

krzm.jp/test/

(画面サイズチェック)
https://krzm.jp/test/index.htm

(ブラウザー情報の取得)
https://krzm.jp/test/brw_check.htm

オンラインコンテンツで注意しなければならないのが、商品仕様など複数ページにわたって細かな修正を行わなければならない場合、「そんなにこの商品の販売実績が無いから・アクセスが無いから、今は忙しいし業務が落ち着いたら対応作業しよう」としてしまうケースです。

Webコンテンツは、いつでも・誰でも・24時間365日閲覧できるのが特徴なので、抱えている業務を一旦止めてでもまずは修正作業を実施すべきです。

いつかは起きることが明確な問題を放置して大きな被害が起こってしまう事態を『ブラックエレファント(黒い象)』と呼ばれていますが、『ブラックエレファント』のリスクがあると認識して、オンラインコンテンツは運用していくのがポイントです。

もちろん、「てにをは」レベルの修正であれば、業務の優先順位を繰り上げるほどではないという判断をしても良いとは思います。

お詫びや釈明時の注意点

お詫びや釈明時に注意すべきポイント

SNS投稿、配信メール、(オンライン or オフライン)コンテンツに共通して言えるトラブル発生後の注意点があります。
それは、「誤解を招く表現をした」というお詫びや釈明は避ける、ということです。

なぜ避けたほうが良いかというと、問題として指摘している・『炎上』させるなど批判的な反応をしている側からすると、「自分は正しいと思い行動したが、自分が勘違いをしたことで騒動になった」と理解されてしまい、『炎上』やトラブル化した件以外にも何かしていないか、あれやこれやと詮索されてしまい騒動がさらに発展・悪化してしまうリスクがあるからです。

トラブルや『炎上』の火消しをする当事者としての心持ちや『マニュアル』について

トラブルや『炎上』を解決

常にマーケティング活動の訴求力の強さを忘れずに

拡散イメージ

マーケティング活動を日々進める中で「トラブル化しなかったけど」というケースもよく起こります。

こういった際にも「拡散・炎上しなくてよかったね」と安心するだけでなく、訴求力が強いのがマーケティングだということを忘れないことです。また、アプローチ方法がオフラインからオンラインにシフトしている中で「デジタルタトゥー」のようなケースが常に起こり得ることも失念しないことが大切です。

『マニュアル』化し過ぎるのは注意が必要です

マニュアルイメージ

『炎上』やクレームなどのトラブルが起こった際、「マニュアルを作成し徹底しよう」とすることが多く見受けられます。

もちろん、何のルールもなくマーケティング活動をするのはリスクなので、ある程度の指針としてのルールやマニュアルは必要ですが、『炎上』やクレームなどのトラブルの多くは不測の事態に発生します。

つまり、予見しにくいトラブルが発生するたびに不測の事態に対応しづらいマニュアルが増えてしまう、ということです。

トラブルは避けたいところですが、時にマーケティング活動は『攻め』の姿勢が必要です。ルールなどで縛りを強くし過ぎると『守り』の意識に傾倒してしまい、アクションしにくくなってしまいます。

自社としての「いい塩梅」を見つけるのも、必要なことかもしれません。

※(あくまで私見ですが)
ある種のマニュアル主義者には、トラブルが起こった時に必要以上に大問題にしようとする人が一定数います。
こういった人たちは、「防止ルールやマニュアルを作るために対策チームを発足しよう」などといったように、大きなプロジェクトにしたがります。

発生した事象の大きさによっては理解もできるのですが、それはともかく、事業会社にいると問題視することが生きがいになっている人も見受けられるので、こういった人たちとの余計な関わりを避けるためにも、不要な『炎上』やクレームなどのトラブルを未然に避けられるようにしましょう。

最後に

最後に

マーケティング活動は、多くの人に商品やサービスを知ってもらう、良さを理解してもらうために実施します。
能動的に活動すればするほど表現のミスや不具合などは、どんなに注意していても付いてまわるものです。

ですので、『炎上』やクレームなどのトラブルの火消しをする当事者としては、その起こった事象に向き合い、なぜこの事象が起こったのか、次に同じような活動・施策を行った際にどう防げるのか、防ぎつつ成果を上げられるのか、事象の客観的な分析と社内外に説明するための言語化が求められます。

『炎上』やクレームなどのトラブルから何を学び、次の行動にどう活かすかが大事なポイントとなります。

株式会社SBSマーケティング

株式会社SBSマーケティングでは、BtoBマーケティングに関連したコンサルティングサービスをご提供させていただいております。

中堅・小規模企業様向けサービスはこちら


個人事業主&フリーランス様サービスはこちら

お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

お問い合わせイメージ

メルマガ登録で無料プレゼント!!ご登録はコチラから

マーケティングは試行錯誤を重ねる必要がありますが、リソースの制約などによって思うように時間をかけることはできません。

現状や課題、求める成果をお聞きしてマーケティングの確度を上げるために併走させていただきます。