3つのうち真ん中が選ばれやすい『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』とは!?

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『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』とは?

3段階の選択肢があるとき、人間は真ん中の選択肢を選びやすいという心理的傾向

3段階の選択肢があるとき、人間は真ん中の選択肢を選びやすいという心理的傾向を『ゴルディロックス効果』と呼びます。

『松竹梅の法則』で日本ではよく知られている

日本では『松竹梅の法則』と呼ばれています。
「松」「竹」「梅」の3つの選択肢がある場合、「竹」が選ばれやすいという傾向です。

『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』の由来

イギリスの童話が由来の『ゴルディロックス効果』

『ゴルディロックス効果』と呼ばれる由来は、イギリスの「Goldilocks and the Three Bears(ゴルディロックスと3匹の熊)」という童話です。

「ゴルディロックス」という名前の少女が熊の家に入り、テーブルの上にあった3つのスープの中で、「熱すぎるスープ」でも「冷たすぎるスープ」でもない「ちょうどいい温かさのスープ」を選んで飲んだエピソードから呼ばれるようになりました。

日本で呼ばれている『松竹梅の法則』は、中国の宋時代の「松」「竹」「梅」の画がルーツとされています。

現在の意味合いとしての源流は江戸時代の寿司屋

この時点では「松竹梅」が段階・序列的な意味合いはなく、江戸時代が起源とされています。
とある寿司屋で「特上」「上」「並」のメニューを用意していましたが、お客が遠慮して「並」を頼みづらかったことから、特上を松、上を竹、並を梅と変えたことが始まりだったようです。

『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』の原理・メカニズム

極端な選択肢を回避する心理的傾向

複数ある選択肢の中で真ん中を選びやすいという心理現象は、行動経済学では「極端回避性」と呼ばれています。

人間は物事を相対的に判断する傾向があり、似たような選択肢が複数ある場合、選択肢を比較して「損をしたくない」という思考が働き、極端な選択肢を避け真ん中のほど良いものを選ぼうとします

こういった心理現象から『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』が発揮されるということです。

『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』の応用:『おとり(Decoy)効果』

あえて「おとり」の選択肢を用意・提示する手法

特定の商品・サービスを販売したい場合、その商品・サービスを基準にして「上のランクの商品・サービス」と「下のランクの商品・サービス」を併せて用意する、もしくは2つの選択肢で迷っている場合に、あえて見劣りする選択肢(おとり)を提示することで、消費者の意思決定をより誘導しやすくなります。

購入をより後押しできるかも?

この『おとり効果』(デコイ効果)を用いることで、より強く購入を後押しすることができるようになります。

おとりの選択肢を提示することで誘導しやすくなる効果
『おとり効果』(デコイ効果)は行動経済学では別名、吸引効果や非対称優性効果、対称的支配とも呼ばれています。

『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』をマーケティングで活用する際のポイント

3つの選択肢の売上比率と『アンカリング効果』との組み合わせ

売りたい商品やサービスを選択肢の真ん中に配置することで売上アップが見込める『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』。
マーケティングの観点で見ると、3つの選択肢の場合の売上比率としては「20%:50%:30%」になるとされています。

身近な日常生活の中では、日本での起源になったお寿司屋さんなどの比較的商品単価の高い飲食店で見かけることの多い効果・法則です。

実際にマーケティング施策で活用する際のポイントとしては、別の行動心理学の一つである『アンカリング効果』を組み合わせるということです。

最初に提示された情報が判断基準になる心理作用

『アンカリング効果』(※)とは、最初に与えられた数字などの情報(アンカー)が基準となって、その後の意思決定に影響を及ぼす心理現象ですが、この二つの心理効果を組み合わせて、「高価な商品・サービス」「安価な商品・サービス」「中間価格の売りたい商品・サービス」を最初に提示し、この中のどれかを選ばなければという前提条件を植え付け、「中間価格の売りたい商品・サービス」を選びやすくなる効果が期待できます。

『アンカリング効果』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』を活用する際の注意点

4つの注意点

「2つの選択肢」「4つ以上の選択肢」になってしまっても良いのか?

「2つの選択肢」「4つ以上の選択肢」になってしまっても良い?

『ゴルディロックス効果』『松竹梅の法則』の効果を発揮しやすい例として「3つの選択肢」が挙げられますが、もし「2つの選択肢」「4つ以上の選択肢」になってしまった場合、効力は発揮されるのかという疑問が生まれます。

「2つの選択肢」の場合、安価な方の選択肢が選ばれやすくなってしまい「4つ以上の選択肢」の場合は、選択肢が多すぎると選びきれずに決断しない可能性が高まってしまいますので、やはり「3つの選択肢」が理想的な形といえます。

仮に選択肢を3つに増やせない・減らせない場合は、「数量」「契約期間」「納期」を使うことで可能になります。

「数量」で3つの選択肢に

「数量」

商品やサービスの数量を「3つの選択肢」に振り分けるという手法です。

例:「松=3セット(3個)」「竹=2セット(2個)」「梅=1セット(1個)」

「契約期間」「保守契約期間」で3つの選択肢に

「契約期間」「保守契約期間」

SaaS(Software as a Service)のような売り切りではなく、使用することに継続期間がある商品やサービスの場合

例:「松=3年契約 or 3年保守契約」「竹=2年契約 or 2年保守契約」「梅=1年契約 or 1年保守契約」

「納期」で3つの選択肢に

「納期」

商品やサービスの納期で選択肢を3つに

例:「松=特急納期」「竹=短縮納期」「梅=通常納期」

これらを組み合わせるパターンも考えられます。

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