自他ともに厳しく人間関係が悪化してしまう！？『完璧主義者』

過度に高い目標を掲げ、完璧を目指すための努力を惜しまない特徴を持つ人を指す『完璧主義者』。
主な特徴やなってしまう原因、ビジネスシーンに及ぼすデメリットとメリット、解消する方法などについて解説しています。

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職場環境に悪影響を及ぼすリスクのある『完璧主義者』とは？

過度に高い目標を掲げ、完璧を目指すための努力を惜しまない特徴を持つ人を指す『完璧主義者』。

具体的には、「すべてを完璧に整うように徹底する」「過度な目標を設定する」「自分自身に厳しく他人からの評価を気にする」などの特徴を有し、自分自身を追い込んでしまったり、周囲の人々にも自身の姿勢を求めることがあるため、職場環境を悪化させる存在になりがちです。

特に企業組織を運営する、部下をマネージメントする管理職の方々は、この『完璧主義者』の特徴や対処法について理解しておくことが求められます。

『完璧主義者』の特徴

『完璧主義者』の主な特徴は以下の通りです。

• 「承認欲求」が強い反面、自信が無い
• 「自意識過剰」で他人からの評価を気にする
• 「自己愛」が強い
• 周囲の意見に耳を傾けない「頑固さ」
• プライドが高く「負けず嫌い」
• 失敗を「過度に」恐れる
• 「高い理想」を持ち妥協できない
• 「こだわり」が強い
• 「グレーゾーン」を拒否する
• 「責任感」が強い
• 「他人への要求」が高い

「承認欲求」が強い反面、自信が無い

他人に自分の価値を認めて欲しいと思う「承認欲求」。

『完璧主義者』はこの「承認欲求」が強く、他人から認めてもらえないと「自分には価値が無い」と思うようになってしまいます。

逆に、他人から褒められたり認められると、心が満たされて「より完璧になろう」と努力するようになりますが、評価を得ようと頑張り過ぎる「悪循環」に陥ってしまうことも。

「自意識過剰」で他人からの評価を気にする

『完璧主義』の人は、自分が周囲の人々からどう思われているか、過度に気にする「自意識過剰」の傾向があります。

そのため、仕事で成果を出すことよりも、他人から良い評価を得ることが目的になってしまうことも。

「自己愛」が強い

『完璧主義者』の中には、「完璧にこなす自分はカッコイイ」「努力を惜しまない自分が好き」という「自己愛」が強い人が多い傾向もあります。

周囲の意見に耳を傾けない「頑固さ」

「自分の考えは正しいので他人に説得されても軌道修正しない」という頑固さを持ち合わせている傾向があります。

他人から指摘されても意志を変えないことが多く、臨機応変さに欠けることから、周囲の人から「手に負えない人」と思われがちです。

プライドが高く「負けず嫌い」

完璧を求めるあまり「自分の間違いを認められない」という特徴があります。

また、「自分よりも他人の方が良い評価を得る」ことを受け入れられない、負けず嫌いの人も多い傾向もあります。

失敗を「過度に」恐れる

『完璧主義』であるがゆえ、一度の失敗も許容することができず、完璧にできることしか実行しない傾向があります。

「高い理想」を持ち妥協できない

『完璧主義』の人は、努力を積み重ねて次々と目標を達成します。

そのため、自然と理想が高くなり、自分自身に過度なプレッシャーをかけてしまうストイックさが見受けられます。

「こだわり」が強い

『完璧主義者』の多くは、掲げる高い理想に到達するために「こだわり」が強くなってしまいます。

こだわりが強くなることで、際限なく取り組んでしまうようになり、疲弊するようになることも。

「グレーゾーン」を拒否する

『完璧』を求めるあまり、「折衷案」「間を取る」といった「グレーゾーン」を拒否する傾向があるのも、『完璧主義者』の特徴の一つです。

「良い or 悪い」「好き or 嫌い」といったように、物事に白黒をはっきりとつけたいと考えるため、周囲との軋轢や衝突を起こすことも少なくありません。

「責任感」が強い

『完璧』を求めることから、引き受けた仕事にも妥協しない「責任感」も持ち合わせています。

責任感の強さが周囲から慕われることもあれば、「融通の利かない人」と思われてしまうことも。

「他人への要求」が高い

「完璧」を求めるあまり、周囲の人々がミスをしたり適当にしていると、苛立ちストレスをため込んでしまうことも。

自分自身の中に留めておけずに、他人に対して高い要求をするようになったり、完璧さを求めない姿勢に対して攻撃的になることもあるため、人間関係のトラブルの発生源となってしまいます。

『完璧主義』になってしまう原因とは？

『完璧主義』に陥ってしまう主な原因としては、以下の点が挙げられます。

• 幼少期の環境
• 生まれ持った性格
• 過去の失敗経験などが「トラウマ」に

幼少期の環境

幼少期を過ごした環境は、人格形成に大きな影響を与えることになります。

例えば幼少期に「努力した過程は評価されない」「結果だけ評価される」といったような家庭環境で育った子どもは、少しのミスでも過敏に反応するようになってしまう『完璧主義』になりやすい傾向があります。

生まれ持った性格

生まれ持った性格が「承認欲求が強い」「自意識過剰」「プライドが高い」「真面目」という傾向が強い人は『完璧主義』になりやすい傾向があります。

過去の失敗経験などが「トラウマ」に

精神的外傷を意味する「トラウマ」。『完璧主義』になってしまう人の中には、過去に「失敗した時に嘲笑された」「自分の言動をバカにされた」という経験が原因になっているケースがあります。

そういった経験から「二度と失敗したくない」「つらい思いをしたくない」という思いが強くなり、『完璧主義』に陥ってしまうことも。

『完璧主義』がビジネスシーンに及ぼすデメリット

『完璧主義者』の特徴に基づく、ビジネスシーンにおけるデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

• 「自己嫌悪」に陥りやすく業務の精度が落ちてしまうことも
• 「細かいこと」が気になってしまい業務に遅れが
• 「初動」が遅く「先延ばし」にしてしまう
• 作業効率が悪く「進行スピードが遅い」
• 「迅速な意思決定」が不得意
• 「周囲に協力を求める」ことが苦手
• 「他人にも」厳しく周囲を疲弊させてしまう
• 「円滑な人間関係」を築けない

「自己嫌悪」に陥りやすく業務の精度が落ちてしまうことも

『完璧主義者』は、すべての事柄に対して「100％」を求めます。

そのため、たった一度のミスでも許容することができず、「100％」という理想に達しなければ落ち込み、自己嫌悪に陥ってしまいます。

そして、ミスを取り返そうと気持ちが焦り、またミスを繰り返してしまうという「悪循環」に迷い込んでしまうことも。

「細かいこと」が気になってしまい業務に遅れが

『完璧主義者』は「100％」を目指すあまり、緻密に積み重ねようとするために「細部」が気になる傾向があります。

そのため、「木を見て森を見ず」といった状況に陥ってしまって本質的な問題を見逃したり、想定よりも多くの時間を要してしまう可能性が生じてしまうようになります。

「初動」が遅く「先延ばし」にしてしまう

『完璧主義者』は新しい物事に挑戦する際、「完璧」を求めるあまり、慎重に慎重を期す傾向があります。

そのため、「完璧にできる」と確信を得られないと中々開始しないことから「初動」が遅くなってしまい、物事を「先延ばし」にするクセがつきやすくなります。

すると、『エメットの法則』が作用し、より多くの時間とエネルギーを要することになってしまいます。

※『エメットの法則』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

作業効率が悪く「進行スピードが遅い」

「完璧」を目指し失敗やミスを恐れるため、初動だけでなく進行（プロセス）にもスピード感が無くなってしまう傾向があります。

掲げた高い理想に到達するまで作業を派生させる・増やしてしまうため、中々終わりが見えず、結果として作業時間が長くなってしまうのです。

「迅速な意思決定」が不得意

ビジネスを進める中では、大小問わず「決断」が求められます。

ですが、「失敗・ミスをしたらどうしよう」「100％の結果を出さなければならない」と『完璧主義者』は考えるため、なかなか決断できないという傾向があります。

意思決定を迅速にできないことで、業務の停滞やチャンスを逃すなどの損失を招いてしまうことも。

「周囲に協力を求める」ことが苦手

『完璧主義』の人は、自分だけの力で「完璧」にやり遂げようとする「強い責任感」を持っています。

そのため、周囲の同僚に協力を求めることが苦手であるため、一人で作業を進めることが多くなり、逆に効率が悪くなったりストレスを抱えやすくなってしまいます。

「他人にも」厳しく周囲を疲弊させてしまう

理想が高く自分に厳しい『完璧主義者』は、他人にも求めるレベルが高くなり、些細なミスを許すことができず、周囲の部下や同僚に過度なストレスを与えることがあります。

「円滑な人間関係」を築けない

『完璧主義者』は、自身の価値観を相手にも強要する場合があります。

「自分の設定したルールにそぐわない」人に対して厳しく接してしまうため、企業組織において円滑な人間関係の構築に支障をきたすことも。

『完璧主義者』がビジネスシーンにもたらすメリット

デメリットが目につきやすい『完璧主義者』ですが、逆に良さや強みもあります。

• 仕事が「丁寧」
• 「細かいところ」に気がつきミスが減る
• 「クオリティの高い」結果を出す
• 強い責任感から「最後までやり抜く」
• スピード感を持って「成長」する
• 周囲から「信頼を得る」ことも
• 組織内の「秩序」を維持する

仕事が「丁寧」

『完璧主義者』は、仕事に対して手を抜かないというストイックさがあります。

掲げた高い理想に向けて着実に一歩一歩積み重ねていく「丁寧さ」が企業組織において大きなメリットになることも。

「細かいところ」に気がつきミスが減る

『完璧主義者』は「100％」を目指すため、人が気づかないような些細なことにも気づきやすく、ミスの発生を防ぐことにつながります。

「クオリティの高い」結果を出す

「丁寧に仕事をする」「他人が気づかないような細部にも神経を使う」ため、担当業務の質が高まるようになります。

強い責任感から「最後までやり抜く」

『完璧主義』の人は責任感が強いことから、一度始めたことを投げ出さずに最後までやり通します。

やり遂げることで、達成感や成功体験を積み重ねられるため、自信や意志を強めることが可能になります。

スピード感を持って「成長」する

自分に厳しく、最後まで担当業務をやり抜く意志が強いことで、苦手なことや弱点を克服する機会を得やすくなります。

その結果、周囲の人々と比較して成長のスピードが早まる傾向があります。

周囲から「信頼を得る」ことも

業務に強い責任感を持って取り組む『完璧主義者』。

妥協せず最後までやり抜く姿勢は、「この人ならしっかり仕事をしてくれる」「重要なタスクを任せられる」と周囲の部下や同僚から信頼を得やすくなることも。

組織内の「秩序」を維持する

『完璧主義者』は、社内のルールや規範を重んじる傾向があります。

集団になればなるほど秩序は乱れやすくなりますが、『完璧主義者』が周囲の模範的な存在となり、規律が維持されるようになりやすくなります。

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この続きでは、『完璧主義』から脱するための方法について解説しています。

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