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『ザイオンス効果』とは?
『ザイオンス効果』とは、同じ人やモノに繰り返して接する回数が増えるほど、その対象に対する印象や好感度が高まり興味関心を持つようになるという効果です。
『ザイオンス効果』の原理
人は誰しも、初めて接する人やモノに対しては警戒する心理が働きますが、接触する頻度が増えると、その対象に親しみを覚え、受け入れやすくなるという性質があります。
初めは興味関心のなかった人やモノでも、何度も接する・目にすることにより、警戒心が薄れて親近感を持つようになるということです。
この『ザイオンス効果』を活用することで、日常生活はもとよりビジネスシーンでも効果が期待できます。
『ザイオンス効果』の由来
この『ザイオンス効果』は、アメリカの心理学者であるロバート・ザイオンスが1968年に論文内で提唱した心理効果で、日本では『単純接触効果』とも呼ばれています。
『ザイオンス効果』の身近な例
日常生活で身近な例としては、テレビCMが挙げられます。
テレビCM
想定する顧客対象の居住地域や目に触れそうな時間帯を考慮してテレビCMを流すことで、自社や取り扱う商品やサービス情報に接触してもらい、知名度や認知度のアップ、親近感を持ってもらうことを見込む施策となります。
『ザイオンス効果』のビジネスでの活用例
『ザイオンス効果』の主なビジネスでの活用例としては、下記の5つが挙げられます。
営業マンの訪問
接触する頻度を増やし、親近感を覚え受け入れてもらいやすくする『ザイオンス効果』の利用例として、営業マンの訪問が挙げられます。
購買意欲がまだ無い取引先候補に何度も足しげく訪問=接触頻度を増やすことで、まず営業マンの顔を覚えてもらい警戒感を薄め親近感を持ってもらう。
そして徐々に、営業マンからその所属企業について、取り扱う商品やサービスについての紹介、営業をすることで、購買に対する障壁を取り除いていくという形です。
BtoB(企業間取引)ではよく「御用聞き営業」「飛び込み営業」(コロナ禍を経て減少傾向ですが)といった形で行われています。
オンライン上での購入割合が増えてきているとはいえ、高額商品の場合はまだまだ『人』の接点が大きなポイントとなっています。
広告プロモーション
オフラインだけではなくオンラインの施策でも『ザイオンス効果』が発揮されます。
マーケティング施策のほとんどは『ザイオンス効果』の発揮を見込んでの活動になっています。
マーケティング施策の代表例としては、広告プロモーションです。
自社の商品やサービスを訴求したいターゲットに対して、広告媒体を介して間接的に接触を重ねることで「知ってもらう」「興味を持ってもらう」効果が見込まれます。
リターゲティング広告
広告プロモーションの中でも、『リターゲティング広告』は同じ対象に何度も接触するための手法として知られています。
『リターゲティング広告』とは、ネットワーク広告サービスであるDSP(Demand-Side Platform)広告の一つです。
一度ホームページに来訪した人に対して再度、閲覧してもらうために、特定のメディアサイトを閲覧した際、来訪したページが飛び先のバナー広告を意図的に表示するというものです。
メールマガジンの配信
『ザイオンス効果』を見込んだマーケティング施策例として代表的なのが、定期的・継続的にメールを配信することで、接触回数を増やすという『リードナーチャリング』(※)です。
※『リードナーチャリング』に関しては、こちらの記事をご覧ください。
リードナーチャリングとは?なぜ必要? 『リードナーチャリング(Lead Nurturing)』の意味とは、リードジェネレーション(※)で獲得した見込み客(リード)に対して、興味関心度・購買意欲を高めていく方法を指します。 …
ほかにも、メール配信システムやMAツール(※)、SFA(営業支援システム)を活用して、購入から〇日後にフォローメールやアップセル・クロスセルメールを自動で送信することも『ザイオンス効果』の利用例の一つといえます。
※『メール配信システムとMAツールの違い』に関しては、こちらの記事をご覧ください。
リードナーチャリングに必要なメールでのアクション BtoB領域でのマーケティング手法として広がりを見せている「リードナーチャリング」。 特に最近の普及に一役買っているのは、『マーケティングオートメーションツール』ではない …
スマートデバイスへのプッシュ通知
BtoCでよくみられる施策ですが、対象の位置情報や過去の購入情報をベースにスマートフォンへプッシュ通知して、来店や購入を促すというものです。
『ザイオンス効果』を活用する際の注意点
有用でメジャーな手法である『ザイオンス効果』ですが、使い方を誤ると相手を不愉快にさせてしまい逆効果になってしまいます。
接触回数の限度は「10回」まで
『ザイオンス効果』を使う回数には限界があるとされており、接触する回数は「10回」が限度とされています。
10回以上、接触回数を重ねたとしても効果が上がらないという結果が判明しています(とはいえ間隔を空けるなどの工夫次第で変わると考えられますが)。
マイナスのイメージを与えてしまう内容の場合、嫌悪感が増大してしまう
マイナスのイメージを与えてしまう情報や内容の場合、接触回数が増えれば増えるほど嫌悪感を抱かれてしまう、という点です。
この『ザイオンス効果』は、対象がプラスマイナス0、もしくはプラスのイメージを持っている場合のみ効果が発揮され、繰り返し発信する情報などがマイナスのイメージを与えてしまう場合、不快な思いをしてしまうリスクがあるということです。
『ザイオンス効果』を発揮させるコツ
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、テレワークやリモートワーク、在宅勤務が浸透したことにより、よりオフラインでの接触が困難になり、オンラインのアプローチが主流になってきています。
『ザイオンス効果』を発揮させる場合には、対象やマーケットの変化を捉えて施策を実施することが重要なポイントとなります。
同じ対象に繰り返して接する回数が増えるほど、印象や好感度が高まり興味関心を持つようになる『ザイオンス効果』。
接触回数や発信内容に注意し、対象やマーケットの変化を考慮して活用すれば、さまざまなビジネスシーンでも大きな効果が期待できます。
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