「仕事の5つの特性」が従業員のモチベーションを左右することを示す『ハックマン・オルダムの職務特性モデル』。
モチベーションを左右する要因と「5つの職務特性」、ビジネスシーンにおける例などについて解説しています。
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『ハックマン・オルダムの職務特性モデル』とは?

『ハックマン・オルダムの職務特性モデル(Hackman-Oldham job characteristics model)』とは、「仕事の5つの特性」が従業員のモチベーションを左右することを示した理論のことです。
「技能多様性」「タスク完結性」「タスク重要性」「自律性」「フィードバック」という5つの特性が、自身の内からやる気を湧き上がらせて、仕事への「やりがい」を最大化させるとしています。
特に、部下をマネジメントする立場であれば、この理論を理解し実践することで有効な効果が期待できるようになります。
この理論は、アメリカのハーバード大学の心理学者である、J・リチャード・ハックマン(J. Richard Hackman)氏と、経営学者の グレッグ・R・オルダム(Greg R. Oldham)によって提唱されました。
モチベーションを左右する「外発的動機付け」と「内発的動機付け」

モチベーションを高める・低下させる要因には、「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2種類があります。
つまり、「外」から与えられる「報酬」によってやる気が上がり下がりするのか、仕事をする自身の「内」から湧き上がる「心理的報酬」によって左右される、というパターンがあるのです。

モチベーションの要因が、「外からの要因」によるものであれば「外的報酬」による「外発的動機付け」であり、「内からの要因」によるものであれば「内的報酬」による「内発的動機付け」ということです。
外的報酬→外発的動機付け

『外発的動機付け』とは、「報酬を与えられる」「〆切やノルマ・罰則を設けられる」「第三者から評価されて昇進する」といった、「外的報酬」によってモチベーションが高められるというものです。
内的報酬→内発的動機付け

一方、『内発的動機付け』とは、好奇心や探求心、向上心や自己成長など、本人の内面から発生する「内的報酬」によってモチベーションが高まる、というものです。
モチベーションを高めるための「中核となる5つの特性」

仕事に対するモチベーションを左右する要素として、「外発的動機付け」「内発的動機付け」がありますが、『ハックマン・オルダムの職務特性モデル』は主に「内発的動機付け」を高めるための理論です。
『ハックマン・オルダムの職務特性モデル』で挙げている「5つの特性」=『中核的職務特性(Core job characteristics)』によって、仕事の「意義」ややることに対する「責任感」などが醸成され、高いモチベーションや満足度、質の高いパフォーマンスにつながる、とされています。
- 技能多様性(Skill Variety)
- タスク完結性(Task Identity)
- タスク重要性(Task Significance)
- 自律性(Autonomy)
- フィードバック(Feedback)
技能多様性(Skill Variety)

『技能多様性(Skill Variety)』とは、単調ではなく自身が有する多様なスキルを活かせる仕事を意味します。
つまり、一つのスキルしか活かせないような単純作業ではなく、さまざまなスキルを複合的に発揮できる仕事の方が、モチベーションが高まりやすいということです。
タスク完結性(Task Identity)

『タスク完結性(Task Identity)』とは、全体像を理解した上で関わることができる仕事を意味します。
つまり、業務の最初から最後までの「工程」全体を把握できて、一部始終に関与することができる仕事だと、やりがいを感じやすくなるということです。
タスク重要性(Task Significance)

『タスク重要性(Task Significance)』とは、他者や社会にインパクトをもたらす重要な仕事を意味します。
つまり、遂行する仕事の「意義」や「価値」を認識できる仕事であれば、自己有用感が強まりモチベーションが高まるようになる、ということです。
自律性(Autonomy)

『自律性(Autonomy)』とは、やり方や手順に「裁量権」がある仕事を意味します。
つまり、職務遂行の際の裁量度が高く、自律して進められる自由度の高い仕事であると、やりがいを感じられるようになる、ということです。
フィードバック(Feedback)

『フィードバック(Feedback)』とは、業務の結果や成果といった反響を情報として得られる仕事を意味します。
つまり、自身が取り組んだ仕事による結果や成果の反響(フィードバック)を得られるかどうかは、モチベーションを大きく左右することになるのです。

『ハックマン・オルダムの職務特性モデル』の「フィードバック」には「他者からの評価」は含みませんが、マネージメントをする実際の現場では加えた方がモチベーションアップには効果的と言えます。
例えば、上司からの高い評価や同僚からの賞賛、お客様からの感謝の言葉など、自身が取り組んだ業務に対して他者から評価を受けることは、モチベーションを高めるきっかけになります。
ちなみに、賞賛などの外発的な刺激によって、やる気やモチベーションが高まる心理作用のことを『エンハンシング効果(賞賛効果)』と呼びます。
※『エンハンシング効果(賞賛効果)』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
賞賛や報酬などの外発的な刺激によって、やる気やモチベーションが高まる『エンハンシング効果』。作用する2つの要因、対照的な効果と類似した効果、ビジネスシーンにおける活用例、効果を高めるためのポイントなどについて解説しています。
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この続きでは、『ハックマン・オルダムの職務特性モデル』のビジネスシーンにおける例について解説しています。
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