「ブランド力を高める」「ブランディングする」際に直面しがちな課題
『ブランド力』は「企業や店舗、商品・サービスに対してイメージする価値」、『ブランディング』は「ブランド=独自価値を高める&その価値イメージをターゲットに浸透させるための活動」と定義することができます(※)。
※『ブランド力』や『ブランディング』の定義などに関しては、こちらの記事をご覧ください。
後回しにしがちな『ブランディング』ですが、時間と工数をかけてでもやる価値があります。『ブランディング』の意味や実施することにメリット、必要なポイントについて解説しています。
「ブランド力を高めよう」「ブランディングしよう」と思い立って進めてみたものの、「こんな課題に直面してしまった・・・」というケースが多く見受けられます。
- 何をブランディングで訴求すればよいのかわからない・・・。
- 会社の価値がわからない・・・。
- 大規模ではない自社がどうやってブランドを確立できるのかわからない・・・。
- ロゴやコーポレートカラー、カタログや商品パッケージを変えても成果が見えてこない・・・。
自社独自の強み=『USP』をしっかりと理解することが重要
これらの課題を解決するためのポイントは、自社独自の強みをしっかりと理解すること。
この自社独自の強みのことを『USP(Unique Selling Proposition)』(※)と呼びます。
自社独自の価値を知る方法としては、「当たり前」を疑うことが必要になります。
自社にとって当たり前でも、他社にとってはそうでないというモノがあります。
例えば、顧客や販売方法、販売実績や商品・サービス、人材育成や経営方針など、さまざまな面に疑問を持ち、何かトレンドがないか調べてみる、客観的に業界平均などと比較することで見えてくるモノがあります。
※自社独自の強み(USP)に関しては、こちらの記事をご覧ください。
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ブランディングがもたらす効果
『ブランディング』を進める際に直面しがちな課題を『USP』を理解し、解決した先には大きな成果が待っています。
他社に左右されることなく『価格設定』ができる
独自の価値を高めて認識してもらえれば、競合他社の影響を受けずに価格を設定することができるようになります。さらに競合他社よりも高い価格の商品・サービスであったとしても購入してくれる可能性が高まります。
つまり、価格で勝負する(安売りする)必要がなくなる、というメリットが生まれます。
リピート率が上がり売上が安定する
さらに、価値を認めてくれた顧客は、繰り返し購入してくれるようになります。
そして、以下のような流れが生まれ、結果として顧客数が増え、リピート回数も増えることで売上が安定化するというわけです。
- 他社と差別化された独自の価値を認識する↓
- 商品やサービスを購入してくれる↓
- 購入頻度が上がる(リピート化する)↓
- さらに別の顧客が価値を認識する↓
- その顧客も購入し、リピートしてくれる↓
- 購入した商品やサービスを紹介してくれて口コミで広がる↓
- 売上が伸長する・安定化する・・・
ブランディングとマーケティングの関係性
ブランディング+マーケティング=効果が最大化する
企業方針によってブランディングとマーケティングを区別する場合もあれば、事業活動のステップとして考えるケースもありますが、どちらも『戦略』の位置づけであることが共通点です。
戦略とは、大局的かつ長期的な視点で、目標を達成するためのシナリオを設計し、その目標達成に必要なリソース(資源)をどう最適に配分するかを決めることを指します。
一方、戦術とは、戦略を実行するための手段(=施策)を決め具体的に実行することを指し(※)、販売促進やセールスが該当します。
※戦略と戦術の全体像に関しては、こちらの記事をご覧ください。
「まず戦略を立てる」「戦術を実行する」。マーケティング界隈でよく耳にしますが、そもそも戦略・戦術とは何なのか、なぜ必要なのかを解説します。
ブランディングとマーケティングのもう一つの共通点は、効果や成果が出るまでに時間がかかるという点です。
「独自の価値イメージを浸透させる」ため、ブランディングの方がマーケティングよりも長期的な視点で取り組むことが求められます。
いくつか共通点があるブランディングとマーケティングですが、どちらも『戦略』の両輪になるので、どちらかを実行するのではなくどちらも実行することで、事業活動を大きく加速させることができるようになります。
確かさに向き合うマーケティングと不確かさに向き合うブランディング
事業戦略の両輪となるマーケティングとブランディング。
人的リソースが限られていることから、マーケターがブランディングを兼務することがよくありますが、いくつかの共通点があるとはいえ、決定的に異なることがあるため、注意が必要です。
数値などの事実ベースで分析し戦略を構築するマーケティングと、情緒や直感をもとに「顧客に選んでもらう」ための戦略を練るブランディングでは、求められる思考や感性が異なります。
左脳的なマーケティングと右脳的なブランディングとも言えそうですが、なかなかこの両面を兼ね備えた人材は稀有な存在なので、別々の担当にする、また注意して担当者をアサインする必要があります。
大きな成果を生み出すために欠かせないのが組織間の連携
ブランディングとマーケティングは戦略を構築するために必要な両輪ですが、その二つだけでは事業は進みません。
『戦略』であるブランディングとマーケティング、『戦術』であるセールスや販売促進。
これらが互いの役割を理解したうえで、それぞれの立場で発信するメッセージに『一貫性』を持たせつつ連携(※)することで、経営に対して大きな成果をもたらすようになるはずです。
※マーケティングとセールスの連携に関しては、こちらの記事をご覧ください。
前工程を担うマーケティングと後工程を担うセールスが連携して収益を上げるのが一般的ですが、それぞれの役割・関係性を理解しておかないと余計な軋轢を生んでしまいます。あるべき姿を解説します。
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