困難は分割せよ!『ディバイド&コンカー』

解決が難しい「大きく複雑な問題」を「小さな問題」に分割し、それぞれを個別に解決して統合することで、
最終的に最初の問題を解決できるようになる手法を意味する『ディバイド&コンカー』

「困難を分割」することによるメリット、分割する際の注意点、『ディバイド&コンカー』の実践例などについて解説しています。

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「困難は分割せよ!」

困難なタスクを分割して個別に処理し解決する手法

そのままでは解決が難しい「大きく複雑な問題」を「小さな問題」に分割し、それぞれを個別に解決して統合することで、最終的に最初の問題を解決する、という問題解消の手法を意味する『ディバイド&コンカー(Divide and Conquer)』

日本語では「分割統治法」「分割して統治する」と訳され、ビジネスシーンにおいては、主にプログラミングやソフトウェア開発といった領域に活用されています。

この手法はつまり、巨大で複雑な「塊(問題)」であったとしても、「小さな塊化(チャンク)」に分解することで一つずつ着実に「解決(コンカー)」できるようになり、最終的に巨大で複雑な問題が解消できるようになる、という手法のことです。

『ディバイド&コンカー』は、哲学的な思考法と歴史的な政治用語が由来になっています。

『ディバイド&コンカー』の起源と由来

政治的な統治手法が哲学的な概念として昇華

「困難は分割せよ」を意味する『ディバイド&コンカー』は、古代ローマの政治的統治手法が語源となり、それを哲学的に応用した言葉が由来になって、ビジネスシーンなどでの「効率的な問題解決アプローチ手法」として広く用いられるようになりました。

古代ローマ帝国の服属地域の統治手法が語源に

支配都市間の団結を阻止するために分断統治を行った

古代ローマ帝国では、服属させたイタリア半島内の都市などの団結・反逆を防ぐため、地域ごとに異なる自治権や市民権を与えて意図的に分断することで、被支配者同士を競わせて統治や管理を容易にしました。

この手法のことを「分割統治」「分断統治」・・・『ディバイド&コンカー』と呼ばれています。

「Divide et impera(分解して統治せよ」)」というラテン語の格言が語源と言われており、その後イギリスやフランスが植民地を統治するための政治的手法として取り入れるようになりました。

「困難は分割せよ」という概念として広まることに

フランスの哲学者の格言が概念として昇華

その後、フランスの哲学者である、ルネ・デカルトが1637年に発刊した著書『方法序説』の中で「難解な検討課題を解決するためには、問題を細かく分割する方法が有効」という格言を残し、1984年に井上 ひさし 氏が自伝的短編小説『握手』にて、「困難は分割せよ」という名言に昇華したと言われています。

政治的手法に留まらず、「何かしらの難問を解決するためには、細かく分割して(ディバイド)一つずつ着実に解決する(コンカー)」という概念として広まることになりました。

ビジネス課題解決やアルゴリズム手法として使われている

計算機科学(アルゴリズム)の手法としても活用

問題を再帰的に分割できる、複雑な課題を単純化できる特徴のある『ディバイド&コンカー』は、現在では一般的なビジネスシーンやIT・プログラミング分野などにおいて用いられています。

「困難を分割する」メリット

「困難の分割」がもたらすメリットとは?

「困難を分割する」具体的なメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 細分化することで「スムーズに処理」しやすくなる
  • 「業務負担が分散」し「短時間で処理」できる

細分化することで「スムーズに処理」しやすくなる

①分割することで円滑な進行が容易に

複雑な問題を「小さな塊(チャンク)」に分解することで、スムーズに処理しやすくなります。

ちなみに、大きな目標や複雑な問題を、具体的な解決策に細分化するアプローチを『チャンクダウンといいます。

『チャンクダウン』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

「業務負担が分散」し「短時間で処理」できる

②業務負担が軽減し短い時間で処理が可能に

課題やタスクを分割することで、一人で抱えることなく複数人で分担できるようになるため、個々人の業務負担が分散します。

また、複数人で分担することで、短時間で処理しやすくなることもメリットと言えます。

問題やタスクを分割する際の注意点

盲目的に「小さく分割」すると思わぬリスクが

「大きく複雑な問題」を解決するために「小さな問題」に分割する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 「適切なサイズ」に分割する
  • 「全体像」を把握する

「適切なサイズ」に分割する

①分割し過ぎると非効率になってしまう

「大きく複雑な問題」を「小さな問題」に分割し、それぞれを解決後に統合することで、最終的に最初の問題を解決へと導く『ディバイド&コンカー』。

小さく分割することがポイントになりますが、過度に細かくしてしまうと、個別で解決する問題数が膨大になってしまいます。

分割数が多すぎてしまうと、それだけ全体を解決するまでに時間を要することになり、業務フローの流れが非効率になってしまうため、「分割するサイズ」には注意が必要です。

「全体像」を把握する

②細部に集中してしまうと対局を見失うリスクも

分割後の「小さな問題」に取り組む際には、「全体像」を把握することを忘れてはならないポイントです。

個々のタスクに集中し過ぎると、「木を見て森を見ず」のごとく、プロジェクト全体の目標を見失いがちになってしまいます。

最終的な目標(ゴール)を含めた「全体像」をしっかりと認識することも欠かせません。

この続きでは、『ディバイド&コンカー』の実践例と「困難は分割せよ」を体現するフレームワークについて解説しています。

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