何度も繰り返し接触することで「その情報は正しい」と認識するようになる!?『真実性の錯覚効果』

同じ情報を何度も繰り返し見聞きすると「真実である」と認識しやすくなる『真実性の錯覚効果(真理の錯誤効果)』。
具体例や発生するメカニズム、類似した概念との違いと対策方法について解説しています。

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『真実性の錯覚効果』とは?

正誤に関わらず繰り返し接触することで真実性が高まる認知バイアス

同じ情報を何度も繰り返し見聞きすると「真実である」と認識しやすくなる『真実性の錯覚効果(真理の錯誤効果)』。

フェイクニュースや誤情報であったとしても、繰り返し接触することで真実らしく感じるようになるため、情報の真偽は関係無いのが特徴です。

提唱したのは?

反復された主張ほど「真実」だと評価する傾向があることを示した

この『真実性の錯覚効果』は、1977年に心理学者のハッシャー、ゴールドスタイン、トッピーノらの研究によって実証・提唱されました。

『真実性の錯覚効果』の具体例

真理の錯誤効果が生じやすい6つのケース

『真実性の錯覚効果』は、さまざまなシーンで生じるバイアスとして知られています。

  • 鰻(ウナギ)と梅干しの食べ合わせは悪い?
  • 嘘も百回言えば真実になる
  • フェイクニュースや都市伝説、陰謀論
  • 「キャッチコピー」の刷り込み
  • 意思決定の根拠になってしまう「通説」
  • 真偽不明な「噂」が人事評価を左右することも

鰻(ウナギ)と梅干しの食べ合わせは悪い?

①鰻と梅干を一緒に食べてはいけない?

有名なのが「鰻(ウナギ)と梅干しの食べ合わせは悪い」という迷信。

現代の栄養学・医学的観点からはまったく問題なく、むしろ脂がのった鰻を梅干しの酸味がさっぱりさせてくれる相性の良い組み合わせと言われています。

この迷信が広まった背景として考えられるのが、昔は冷蔵技術が無かったため、梅干しの酸味が鰻の傷みに気づきにくくなると恐れられていた、美味しくて箸が進んでしまう高級な鰻を食べ過ぎないための「先人の知恵」という説が挙げられます。

嘘も百回言えば真実になる

②繰り返し接触するとウソを真実だと思い込みやすくなる

「嘘も百回言えば真実になる」という言葉は、客観的な事実が嘘から真実に変わるという意味ではなく、何度も繰り返し情報に接触することで信じ込んでしまうという『真実性の錯覚効果』の一例です。

ナチス・ドイツの宣伝相であった ヨーゼフ・ゲッペルス の言葉や思想が元になっているとされる、有名なレトリック(表現技法)として知られています。

政治的プロパガンダ(心理操作・宣伝)の手法として警戒される手法の一つとして語られています。

歴史的「真実」に変わるわけではないが世論を動かす影響力を持つ

身近な例としては、日本と韓国の間での「竹島領土問題」が挙げられます。

歴史認識や政治的な対立も相まって複雑化していますが、韓国側が国際社会や自国内で「自国の領土である」という主張を繰り返すことで、既成事実化(真実のようになっていく)させようとしています。

フェイクニュースや都市伝説、陰謀論

③デマ情報が事実として定着して拡散されてしまう

ニュースサイトやSNSなどで真偽不明の情報が拡散することで、その情報に繰り返し接触すると信じてしまい、自身が広めるようになってしまうケースも、『真実性の錯覚効果』の一例と言えます。

「キャッチコピー」の刷り込み

④繰り返し接触する情報=信頼性の証拠と認識する

ビジネスシーン・マーケティング領域においては、テレビCMやWeb広告、SNSのタイムラインなどが例として挙げられます。

「●●でお悩みなら▲▲」などの同じフレーズ(キャッチコピー)に繰り返し接触することで、真偽や根拠を問わず「本当に効果があるのだろう」と、その情報を信じやすくなるのです。

意思決定の根拠になってしまう「通説」

⑤もはや常識となって定着してしまう

職場で生じるケースとしては、社内で脈々で受け継がれている根拠が不明な「通説」を妄信し、その「通説」を前提にして事業計画を立ててしまう・ルールや常識として定着してしまうことが挙げられます。

真偽不明な「噂」が人事評価を左右することも

⑥「何かしらの根拠があるからそんな噂が広まっている」と妄信してしまう

人事評価(マネジメント)の場面でも、『真実性の錯覚効果』は生じます。

例えば、「●●さんは仕事ができない」という話を社内の複数名から繰り返し聞くと、直接●●さんに確認したり仕事振りを見たこともないのに「みんながそう言うのだから事実なのだろう」と信じてしまい、評価が下がってしまうというケース。

『真実性の錯覚効果』が発生するメカニズム

何度も接触した情報=脳が処理がしやすい=真実であると勘違いしてしまう

同じ情報を何度も繰り返し見聞きすると「真実である」と認識しやすくなる『真実性の錯覚効果』が発生するメカニズムとして「処理流暢性」が挙げられます。

何度も見聞きした情報は、脳内で習慣的に処理できるようになり、簡単に思い出せるようになります。

この脳内に刷り込まれた情報の「処理のしやすさ」を、「見覚えがある=正しい」と脳が自動的に解釈(錯覚)してしまうのです。

『真実性の錯覚効果』と類似した概念との違い

類似した心理効果との違いとは?

『真実性の錯覚効果』と似た心理事象との違いをまとめると、以下のようになります。

  • ザイオンス効果(単純接触効果)
  • プライミング効果
  • 確証バイアス

ザイオンス効果(単純接触効果)

①接触頻度が高まると興味も増す心理効果

同じ人やモノに繰り返して接する回数が増えるほど、その対象に対する印象や好感度が高まり興味関心を持つようになる『ザイオンス効果(単純接触効果)』。

『ザイオンス効果』は「感情(好き・嫌い)」が変化することになりますが、『真実性の錯覚効果』は「真偽の判断(正しい・間違っている)」が変化する点が違いと言えます。

※『ザイオンス効果(単純接触効果)』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

プライミング効果

②無意識に意思決定や行動が誘導されるようになる心理効果

あらかじめ受けた刺激(情報)によって、その後の判断や行動が無意識に影響される『プライミング効果』。

『プライミング効果』は先行する刺激(情報)が大きな影響を及ぼすのに対し、『真実性の錯覚効果』は接触頻度の高さによって真実だと感じやすくなる点が違いと言えます。

※『プライミング効果』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

確証バイアス

③自分にとって都合の良い情報だけを集める心理効果

無意識に自身にとって都合の良い情報だけを取得し、不都合な情報を避けるようになる『確証バイアス』。

『確証バイアス』が「情報の探し方・選び方」に起因するのに対し、『真実性の錯覚効果』は「情報への接触頻度」に起因する点が違いと言えます。

※『確証バイアス』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

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この続きでは、『真実性の錯覚効果』への対策について解説しています。

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