
自身にとって都合の悪い事象や望ましくない問題が生じた時に、無視したり、目を逸らしたりしてしまう『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』。発生例や発生することによるリスク、発生するメカニズムや克服するための方法などについて解説しています。
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『ダチョウ効果』とは?
『ダチョウ効果(Ostrich Effect)』とは、自身にとって都合の悪い事象や望ましくない問題が生じた時に、無視をしたり、目を逸らしたりしてしまう心理現象のことです。
『オストリッチ効果』とも呼ばれており、目の前の否定的な情報を直視しないことで、その情報を避けたように感じてしまう心理とも言えます。
名称の由来とは?
動物のダチョウは、危険を察知すると身を守るために頭を砂に埋めて回避する、という「俗説」「ことわざ」から生まれたとされています。
実際には、危険が迫った際にダチョウは砂の中に頭を隠さないそうですが、この俗説やことわざのように、危険などの自身にとって不愉快な情報を視界に入れないようにすることで、その情報が「存在していない」とする振る舞いが由来となっています。
提唱したのは?
不快な情報は、脳に対して「パラドックス(逆説)」を生じさせることになります。
つまり、情報を「知ろう」とする理性的な心理と、その情報を取得するには苦痛を伴うと予測して「避けよう」とする感情的な心理との葛藤が生じてしまいます。
葛藤が生じてしまうことにより、不快な情報から目を逸らすようになってしまうのです。
この、不快な情報の取得を避けるようになる「認知バイアス」のことを、アメリカにあるカーネギーメロン大学の行動経済学者である、ジョージ・ローウェンスタイン 氏が『ダチョウ効果』と名付けたとされています。
立証したのは?
ニコラス・カールソン 氏とデュエイン・セッピ 氏は、投資家に『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』が生じることを実証しました。
投資家が、自身のポートフォリオ(分散投資する形態)をチェックする頻度を調査すると、株価の上昇期よりも下降期の方がチェックする回数が少ないことがわかりました。
つまり、多くの投資家は、自身のポートフォリオを確認する際、市場が悪化した危機的状況ではなく、好転したタイミングを意図的に狙う傾向がある、ということです。
『ダチョウ効果』の発生例
この『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』は、個人においても、社会的規模や企業組織といったレベルでも起こり得る現象です。
ダイエット
ダイエット中に「体重が増加する」ことに直面するのは不快感が生じます。
そのため、「体重が増えてしまったかも」「リバウンドしてしまったかも」と思った時ほど、体重をチェックする頻度が低下してしまいます。
健康診断での「再検査」
健康診断を受けた結果、1つの項目で「再検査」となっていたが、病院へ行くことをためらってしまう、というケース。
クレジットカードを使っての浪費
例えば、現金よりもクレジットカードでの支払いも、『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』が生じやすいケースの1つと言えます。
現金を使う際には、財布の中の残金が目に止まりますが、クレジットカードで支払う場合には、使用履歴を見なければ「残金」という現実を直視することはありません。
そのため、ついついクレジットカードでの支払い額が増えてしまう、というケースも例として挙げられます。
株価の下落時
前述の『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』を立証した調査のように、自身が保有している株価が下がった場合ほど「見て見ぬふり」をしてしまう、というケース。
貧困や格差問題
社会的規模では、地球の気候変動や発展途上国での「貧困」や生じている「格差」という問題に対する無関心も、『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』の例と言えます。
不祥事や経営危機
ビジネスシーンにおいては、企業での「不祥事」や経営危機などの問題を、直視せず隠ぺいするというケースが例として挙げられます。
業務の進捗具合
ビジネスマンという個々人としては、仕事の進みが芳しくない時ほど、進捗具合を自身で確認しない・上司に報告しない、というケースが挙げられます。
『ダチョウ効果』が発生することによるリスク
否定的であったり不快な情報を「見て見ぬふり」したとしても、その情報が消えるわけではありません。
ですが『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』が生じてしまうと、そのリスクを直視せず先送りするようになってしまうため、直面した時には致命的な状況に陥っている可能性があります。
早期に向き合い対処すれば、適切な判断ができ、支払わなければならないコストも縮小できるかもしれません。
『ダチョウ効果』が発生するメカニズム
人間の誰もが持っている「不快な情報を直視したくない」という心理的傾向。
この傾向が生じるメカニズムとしては、以下の4つが要因として挙げられます。
- 損失回避バイアス
- 近視眼
- 楽観性バイアス
- 現状維持バイアス
損失回避バイアス
『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』が生じる原因としては、『損失回避バイアス』が挙げられます。
この『損失回避バイアス』とは、利得と損失を比較する際、損失の方をより重大だと感じやすく、損失を回避しようとする心理的傾向のことで、『損失回避の法則』とも呼ばれています。
※『損失回避バイアス(損失回避の法則)』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
利得と損失を比較する際、損失の方をより重大だと感じやすく、損失を回避しようとする心理的傾向である『損失回避バイアス(損失回避の法則)』。なぜ発生するのか、ほかの8つの心理効果との関係性、具体例やビジネスシーンへの応用例などについて解説しています。
近視眼
「近視眼性」も、原因の1つとして考えられます。
人間は、目先の利益やメリットにとらわれやすく、長期的なデメリットを軽視しやすい傾向があります。
状況や結果が悪化していることを恐れ、現状の確認を回避すれば、その時点では「不快感」を避けることができるため、近視眼的になってしまいます。
楽観性バイアス
自分にとって好ましいことが起こる確率を過大評価し、好ましくないことが起こる確率を過小評価する『楽観性バイアス』も、『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』が生じる原因となりえます。
※『楽観性バイアス』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
メディアなどが発信する情報に接触する際「自分自身は影響を受けないが、世間の人たちは大きな影響を受けてしまう」と考える『第三者効果』。発生することによる影響や発生例、どんな人が陥りやすいのか、マーケティングへの応用や克服・回避する方法について解説しています。
現状維持バイアス
変化させれば現状がより良くなる可能性があるとしても、「変えることによる損失」の可能性を考慮して現状を保持しようとする『現状維持バイアス』も、発生する要因の1つと言えます。
※『現状維持バイアス』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
何かを変化させれば現状がより良くなる可能性があるとしても、損失の可能性を考慮して現状を保持しようとする『現状維持バイアス』。発生する要因や発生例、予防策・克服方法について解説しています。
『ダチョウ効果』と対照的な心理作用
ちなみに、『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』とは対照的に、状況が悪化しているほど頻繁にチェックすることは『ミーアキャット効果』と呼ばれています。
集団行動をするミーアキャットは、「見張り役」が後ろ足と尻尾で立ち上がって四方に目を配り、危険が近づいた際には警戒音を発して仲間に知らせようとします。
こういった行動から、悪い状況であっても積極的に情報を得ようとすることを『ミーアキャット効果』と呼んでいます。
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この続きでは、『ダチョウ効果(オストリッチ効果)』を克服するための4つの方法などについて解説しています。
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