拡販の起爆剤になる!?『ブーム』『流行』『バズる』現象

取り扱う商品・サービスがより売れる『起爆剤』として思い浮かぶ『ブーム』や『流行』、『バズる』といった現象
それぞれの意味と違い、発生する要因や近年ブームになった商品のブームの持続期間などについて解説しています。

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取扱商品やサービスがより売れる『起爆剤』となる現象

商品やサービス拡販の一助になるブームや流行、バズるという現象

自身や自社が取り扱っている商品やサービスに「ブームが来て欲しい」「流行して欲しい」「バズって欲しい」と考えたことはないでしょうか?

当たり前のことですが、事業者様・経営者様・セールス担当者、そしてマーケティング担当者は、取り扱う商品・サービスが今よりももっと売れて欲しいと考えているはずです。

そのための起爆剤として思い浮かぶのが『ブーム』や『流行』、『バズる』といった現象です。

この記事では『ブーム』『流行』『バズる』という現象それぞれの意味や違い、これらが「どういった経緯で起こるのか?」「どのくらいの期間続くのか?」などについて解説しています。

『ブーム』『流行』『バズる』とは?

「ブーム」「流行」「バズる」それぞれの意味と違いとは?

『ブーム』とは?

短期間で急激に需要が増す『ブーム』

一般的に『ブーム(boom)』とは、俄かに(にわかに)話題になり注目され、需要が増すことを意味しており、爆発音の「ブーン」「ドカン」などの擬音語を表現する英単語が由来と考えられています。

特徴としては、短期間で急激に人気が出る・注目を浴びる傾向があります。さらに「一時的に」勢いを増して広まる傾向があり、長期間続くことは稀で文化として定着しない『一過性の現象』であると言えます。

『流行』とは?

ゆっくりと長期的に需要が増す『流行』

『流行』とは、ブームと比較して①ゆっくりと時間をかけて人気が広まる、②長期にかけて需要が増すことを意味しています。

特徴としては、一度『流行』になれば人気がある程度の期間持続する傾向があります。さらに「良い流行」「悪い流行」といったように、良し悪しに関わらず用いられることの多い言葉です。

『バズる』とは?

ネットやSNSを介して急激に注目される『バズる』という現象

『バズる』とは、インターネットやSNSなどを介して急激に注目され、多くの人の口コミで拡散する現象を指します。

この『バズる』の語源は、英語の「buzz」と言われており、ハチなどがブンブン飛び回る様子を意味していて、ある特定の話題に多くの人が集まって騒いでいる状況を、まるでハチが群がってブンブンしていることから、バズると言われるようになりました。

そのため、継続的・永続的に注目を集める状態というよりも『一過性の現象』であると考えられます。

3つの現象を比較してみると・・・

それぞれの特徴・違いとは?

●ブーム:急激に注目が集まり、短期間で収束するため、文化として定着しない『一過性の現象』。
●流 行:ゆっくりと時間をかけて人気が広まり、持続性があり『長期的に需要が増す現象』。
●バズる:インターネットやSNSを介して口コミで拡散するが、継続性はない『一過性の現象』。

なぜ『ブーム』『流行』『バズる』のか?

さまざまあると思いますが、代表例を3つ

考えられる『ブーム』『流行』『バズる』要因は、以下の3つが挙げられます。

考えられる発生要因①広告代理店→マスメディア

①広告代理店→マスメディア

従来からの方法として、4大マスメディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)で取り上げられることによって、『ブーム』『流行』『バズる』現象を誘発し、多くの消費者の認知や興味関心を得ることが考えられます。

これらのメディアで取り上げられる際には、企画立案を主に行っている広告代理店がキーポイントとなって、意図的に訴求しようとする傾向があります。

そのため、ブーム化・流行させたい、バズらせたい側としては、広告宣伝費が多く発生することがネックと言えます。

考えられる発生要因②一般消費者→口コミ

②一般消費者→口コミ

主に若年層の消費者を起点として、口コミで拡散し『ブーム』『流行』『バズる』現象を誘発するというケースも想定されます。

例えば、自身が使った商品の良さを家族や友人などに勧めたり、SNSに投稿することで、偶発的に『ブーム』『流行』『バズる』現象が発生することが挙げられます。

このように口コミで拡散することから、広告宣伝費を抑えられる点、そして、偶発的に発生することが多いため、消費者の信頼を得やすく、販売企業・取り扱い企業のイメージ向上や購買アクションにつながりやすいこともメリットと言えます。

考えられる発生要因③インフルエンサー→SNS

③インフルエンサー→SNS

有名人であるタレントや歌手、モデルや海外セレブ、インフルエンサーなどを起点にして、主にSNSなどで宣伝することで、多くは意図的に『ブーム』『流行』『バズる』現象を誘発するというケースも想定されます。

このケースはすでに広まっていることもあり、より「思わず使いたくなる・マネしたくなる」ように宣伝・訴求することが求められます。

また、この手法を案件として意図的に行う際には「ステルスマーケティング」に該当するので、2023年10月1日から景品表示法違反に該当することから、注意が一層必要になります。

ブームになったもの①タピオカ

①タピオカ

タピオカとは?

専門店が乱立し、外食チェーンやコンビニでも販売されたタピオカドリンク。

タピオカとは、キャッサバという芋からとったデンプンを丸めて作ったお団子のようなものです。

このタピオカブームは3度目と言われていて、1度目は1992年頃、2度目は2008年頃でした。

なぜブームになったか?(きっかけ)

3度目のブームとなった背景として挙げられているのが、LCC(格安航空会社)が台頭したことによる台湾ブームと「SNS映え」と呼ばれる文化です。

当時、若者の間では、友人と買ったタピオカの写真をインスタグラムなどのSNSに掲載して、間接的にPRすることが広まりました。

そういったカルチャーが、コロナウイルス感染症の拡大により廃れてしまったと言われています。

ブームの持続期間

タピオカ_Googleトレンド_20231005

『ブーム・流行した』『バズった』1つの目安として『Googleトレンド』で直近5年間の検索数を見てみると、2019年3月頃から上昇し、2019年8月をピークに減少傾向になっています。

ブームの持続期間としては、2019年3月~2020年1月と、約1年程度となっています。

ブームになったもの②パンケーキ

②パンケーキ

パンケーキとは?

パンケーキの「パン」は、「Bread=パン」ではなくフライパンなど底の平らな鍋を指す「pan」。 英語表記だと「パンケーキ=Pan cake」となります。

小麦粉に卵やベーキングパウダー、砂糖、牛乳、水などを混ぜた生地を、鉄板やフライパンなどで焼いた生地全般が、広い意味でパンケーキと呼ばれています。

なぜブームになったか?(きっかけ)

パンケーキブームは何度か来ているようで、例えば2008年にオーストラリアのレストラン「bills」が日本に上陸した際、2010年に日本に上陸したハワイの「Eggs’n Things」、2012年にはニューヨークの「Sarabeth’s」が日本上陸したことが、ブームのきっかけと言われています。

ブームの持続期間

パンケーキ_Googleトレンド_20231005

『ブーム・流行した』『バズった』1つの目安として『Googleトレンド』で直近5年間の検索数を見てみると、2019年1月頃から上昇し、2019年4月・5月をピークに2019年6月には1月と同程度になり、徐々に鈍化傾向となっています。

パンケーキの場合、一過性のブームよりも、定番化しつつあると言えますが、2019年で見ると5か月程度のブームの持続期間という傾向です。

ブームになったもの③マリトッツォ

③マリトッツォ

マリトッツォとは?

マリトッツォは、イタリア発祥のパンに大量のクリームを挟んだ伝統的なお菓子(デザート)です。

本来、マリトッツォはパンの部分だけを指す言葉で、生クリームが詰められたものは、生クリーム入りのマリトッツォという意味の「マリトッツォ・コン・ラ・パンナ」と呼ばれています。

日本においては、生地に生クリームを挟んだものが多くみられ、アイスクリームや生チョコを挟んだものもあります。

なぜブームになったか?(きっかけ)

マリトッツォブームの火付け役は、福岡市にあるパン屋「アマムダコタン」と言われています。

コロナ禍の2020年3月に外出自粛の影響で売上が激減した際、インターネットでアイデアを探していて見つけたのが「マリトッツォ」だったようです。

その後、試作を重ねて2020年4月頃から販売を開始。インスタグラムで発信したところ、見た目のインパクトが大きい「マリトッツォ」は瞬く間に拡散され、人気に火が付きました。

つまり、日本における「マリトッツォ」は本場のものが流行ったわけではなく、最初から日本向けにアレンジされたものが開発されてブームとなったということです。

ブームの持続期間

マリトッツォ_Googleトレンド_20231005

『ブーム・流行した』『バズった』1つの目安として『Googleトレンド』で直近5年間の検索数を見てみると、2021年2月頃から上昇し、2021年6月をピークに、2022年3月頃には2021年2月頃と同程度になっています。

マリトッツォの場合、一過性のブームとして傾向が色濃くでていますが、期間は1年程度となっています。

ブームになったもの④ハンドスピナー

④ハンドスピナー

ハンドスピナーとは?

ハンドスピナーとは、ボールベアリングを内蔵したおもちゃです。

元々は、重症筋無力症の子ども向けに開発された、ただ単に回して遊ぶ玩具で、ブームになった頃には企業のノベルティにも採用されることもありました。

なぜブームになったか?(きっかけ)

このハンドスピナーは、2016年に開発特許が切れたことを契機に、アメリカで人気が爆発しました。

その後、日本にも波及し、手持ち無沙汰な時の暇つぶしや、集中力を高める、イライラ防止などの効果があって人気になりました。

ブームの持続期間

ハンドスピナー_Googleトレンド_20231005

『ブーム・流行した』『バズった』1つの目安として『Googleトレンド』で直近5年間の検索数を見てみると、2020年11月に大きく上昇し、2022年1月にも上昇傾向になりました。

ハンドスピナーの場合、2020年11月・2022年1月の2度、大きく上昇していますが、どちらも1か月未満の非常に短期的なブームとなっています。

ブームになったもの⑤台湾カステラ

⑤台湾カステラ

台湾カステラとは?

ふるふると揺れるやわらかさとふわしゅわ食感が特徴の「台湾カステラ」。

台湾カステラは、名前の通り台湾北部の淡水(ダンシュイ)という地域でよく食べられていたお菓子のことを指します。

台湾では「昔ながらのケーキ」という意味の「古早味蛋糕(グーザオウェイダンガオ)」や「プリンのようなケーキ」という意味の「布丁蛋糕(ブーディンダンガオ)」、「焼きたてのケーキ」という意味の「現烤蛋糕(シエンカオダンガオ)」などと呼ばれているそうです。

なぜブームになったか?(きっかけ)

この台湾カステラのブームの発端は、2016年頃に韓国で爆発的なブームになったことがきっかけとなっています。

その後、タピオカと同じように日本で「台湾グルメ」の人気が高まったことによって、広く普及したと言われています。

さらに、これもタピオカと同じく、見た目のインパクトがあることから「SNS映えする」とされ、主に若年層で人気となりました。

ブームの持続期間

台湾カステラ_Googleトレンド_20231005

『ブーム・流行した』『バズった』1つの目安として『Googleトレンド』で直近5年間の検索数を見てみると、2021年1月頃から上昇傾向に入り、2021年6月をピークに、2022年5月には従来のトレンド程度に落ち着くことになりました。

台湾カステラの場合、2021年の上半期に大きく上昇する傾向となっており、ブームの持続期間は1年程度となっています。

最後に

理想としては一過性のブームやバズるではなく流行して欲しい

取り扱う商品・サービスがより売れる『起爆剤』として思い浮かぶ『ブーム』や『流行』、『バズる』といった現象

理想的には、『ブーム』や『バズる』はあくまで一過性の現象に留まってしまうので、比較して長期的に需要が増す『流行』になるようなプロモーションを実施したいところです。

なかなか狙って発生させるのも、自然発生的に起こるのも難しいと言えますが、『ブーム』や『流行』『バズる』発生要因を理解しつつ、訴求していくことが必要になります。

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