都合の良い情報だけを取得し不都合な情報を避けるようになる『確証バイアス』のポジティブな活用方法

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『確証バイアス』とは?

自分にとって都合の良い情報だけを集める『確証バイアス』

『確証バイアス』とは、無意識に自身にとって都合の良い情報だけを取得し、不都合な情報を避けるようになる心理傾向を指します。

サクランボの熟した果実を熟していないものから選別することを意味する

狭義的に「自分にとって都合のいいものをピックアップする」という同じ意味で、『チェリー・ピッキング(cherry picking)』とも呼ばれる心理事象です。

人間には、自身がすでに持っている先入観や思い込み、仮説を肯定したい願望があります。
そのため、自身の先入観や思い込み、仮説が正しくないとしても、無意識のうちに合理的ではない判断をするようになりがちです。

『確証バイアス』の由来

『確証バイアス』の由来

この『確証バイアス』は認知バイアス』(※)の一つに該当しますが、イギリスの認知心理学者であるペーター・カスカート・ウェイソンによって提唱された概念です。

『認知バイアス』の概要については、こちらの記事をご覧ください。

『確証バイアス』の身近な例

『確証バイアス』は日常的に見られる心理傾向です。

血液型性格診断

『確証バイアス』の例~血液型性格診断~

日本で特に有名な例としては「血液型での性格診断」が挙げられます。

例えば「A型は真面目、几帳面」とよく言われますが、血液型で性格が決まるという科学的根拠はないとされています。
ですが、「血液型性格診断を信じている人」には『確証バイアス』が働き、仮に自分が当てはまっていない項目があったとしても「ほかの多くの人が当てはまっているのだから正しい」と解釈をしてしまうのです。

この血液型と性格のイメージを結びつけるのも『確証バイアス』による典型例と言えます。

占い

『確証バイアス』の例~占い~

万国共通の例としては「占い」が挙げられます。

占いの結果やアドバイスなどは誰にでも当てはまるものが多く、他人の結果やアドバイスを自身のと入れ替えたとしても、自分に当てはまっていると思ってしまいやすいのですが、生年月日や名前、出身地や血液型など自身に関する質問を投げかけられるため、「自身に当てはまっている」「自身だけに向けられたアドバイスだ」という思い込みが働きやすくなる特徴があります。

血液型性格診断や占い(※)は、自身に都合の良いことばかり見てしまう、身近な『確証バイアス』の例です。

血液型性格診断や占いは『バーナム効果』という心理現象の代表例です。『確証バイアス』との関係など詳細については、こちらをご覧ください。

ポジティブな『確証バイアス』とネガティブな『確証バイアス』を回避する方法とは?

『確証バイアス』がもたらすポジティブな影響

『確証バイアス』によるポジティブな影響

自信を持てるようになる

自信を持つようになり前向きな行動につながる

『確証バイアス』によって「自信を持つ」ことにつながるという点です。
自身の先入観や思考に確固たる自信を持つことにつながり、能動的に活動するようになるのがポジティブな作用といえます。

『確証バイアス』がもたらすネガティブな影響

『確証バイアス』によるネガティブな影響

「自分が正しい」と思いたいという願望によって、自分に都合の良い情報ばかり目に行く『確証バイアス』。
これは言い換えると、情報の取得に対して視野が狭くなってしまうとも言えます。これによる悪影響が生まれるケースがあります。

人事評価でマイナスの影響を及ぼしてしまう

思い込みや先入観によって低い人事評価を判断してしまう

例えば、社内の人事評価の場面において、評価者の被評価者に対する先入観や思い込みによって、評価査定にマイナスの影響を及ぼしてしまうケースが発生してしまいます。
これは、『アンカリング』(※)と呼ばれる人事評価エラー事象の一つです。

人事評価シーンでマイナスな効果を発揮してしまいがちな『アンカリング』については、こちらのページをご覧ください。

差別意識や偏見が生まれてしまう

先入観がマイナスに働き色メガネで見るようになってしまう

血液型性格診断でいえば、「A型は細かい」「B型はマイペース」というようなネガティブな傾向を認識することによって、差別意識や偏見を持ってしまうというリスクがあります。

犯罪被害にあうリスクが高まる

情報が偏るため判断も偏ってしまい、詐欺など騙されやすくなってしまう

自身の先入観や思い込みがトリガーとなる『確証バイアス』によって被害を受ける犯罪例としては「オレオレ詐欺」や「投資詐欺」が挙げられます。

「電話をかけてきているのは身内だ」「この話は儲かるに違いない」といった心理によって、これらを否定する要因などの情報には目を向けなくなってしまうわけです。

『確証バイアス』による悪影響を回避する方法とは?

『確証バイアス』による悪影響を回避する3つの方法

では、『確証バイアス』によるネガティブな影響を回避するにはどういった方法があるのでしょうか。

『クリティカル・シンキング』を心掛ける

『批判的思考』によって「疑いの目」を持つことで本質を捉えやすくなる

ネガティブな影響を受けないためにはまず、大前提として「疑いを持つ」ことが必要になります。
そのために有用なのがクリティカル・シンキングという考え方です。

『クリティカル・シンキング』とは、普段、自分が無意識にしている行動や考え方を意識化することで、客観的に振り返ることです。
「もしかしたら危うい思い込みなのかもしれない」「本当にこの捉え方で良いのか」と自分自身に問いかけて、じっくりと考え判断することが必要になります。

『批判的思考(クリティカル・シンキング)』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

自身の考え方に関する客観的なデータを得る

主観によらない客観的なデータを用いる

先入観や思い込み(そう捉えていないケースが多いですが)に対する客観的なデータを集めて検証することも、ネガティブな影響を避ける可能性が高まる方法です。

第三者に意見を求める

自分では気づけないことも第三者からの意見が有効なことも

ネガティブな『確証バイアス』に陥っている場合、客観的な視点が欠けている状態なので、自身にとって聞く耳を持てる第三者に意見を求めることも必要になります。

ポイントとしては、「自身にとって都合の良いことばかりを言わない」第三者に相談する、ということです。

社会学の基礎として「どんな物事にも疑いを持つ」考え方がありますが、ネガティブな影響を回避するためには、常に自助的に疑いを持って、感情論ではなく理屈で裏付けをとることを心掛けつつ、信頼できる第三者に意見を求めるという思考・姿勢が重要になります。

『確証バイアス』のマーケティングシーンでの活用例

ネガティブな影響を与えることもある『確証バイアス』ですが、ポジティブにマーケティングシーンで活用すれば、販売したい商品やサービスを認知してもらえて、興味を持ってくれる可能性が高まります。

DSP広告

マーケティングシーンでの活用例~DSP広告~

DSP(Demand-Side Platform)広告とは、ネットワーク広告サービスの1種です。

DSP広告には、オフィスターゲティング広告とリターゲティング広告があり、具体的な効果としては、ページクリック数の増加や直接CV(問い合わせなど)、ビュースルーCV(広告接触があったが、違う経路でコンバージョンが発生)などが見込めます。

オフィスターゲティング広告

ターゲットに対してバナー広告を配信できるオフィスターゲティング広告

オフィスターゲティング広告とは、配信業者が保有しているIPアドレス情報と企業情報を紐づけたデータベースと広告配信システム(DSP Admatrix)を用いて、任意の業種などのグループに区分されたIPアドレスに対してバナー広告を配信(表示)させる手法です。

例えば、製造業の企業に対して特定のバナー広告を出稿配信する、というイメージです。

このオフィスターゲティング広告によって、ターゲット企業に意識せず商品やサービスを知ってもらえるようになり、「最近よく見る商品・サービス」と認知される可能性が高まります

リターゲティング広告

追跡して再度ページを表示させるリターゲティング広告

リターゲティング広告とは、一度ホームページに来訪した人に対して、再度ホームページを閲覧してもらうために、追跡してバナー広告を配信する手法です。

以前見た商品やサービスが、別のサイトでバナー広告として表示されることで、「前に見た商品・サービスのバナーだ。よく見かけるから人気なのかもしれない」と認識してもらいやすくなるので『確証バイアス』を加速させる効果が見込まれます。

まとめ

まとめ

諸刃の剣である『確証バイアス』は、活用すれば売上アップに寄与する可能性が高まります
どういった心理傾向なのか・良し悪しをしっかりと理解して、正しくビジネスシーンで使うのが理想的です。

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