自身の経験や先入観などに基づく直感が、意思決定に影響を与える『ヒューリスティック』。
発生するメカニズムやメリットとデメリット、代表的な種類、活用シーン、注意点について解説しています。
『ヒューリスティック』を解説したPDFデータを無料でプレゼント!
ご希望の方は、上記画像のクリック先のメルマガフォームに「氏名」「会社名(もしくはフリーランスなど)」「メールアドレス」、
「お問い合わせ内容」欄に『ヒューリスティック』ホワイトペーパー希望、と記載して送信をお願いします。
『ヒューリスティック』とは?
ヒューリスティック(ヒューリスティックス)とは、自身の経験や先入観などに基づく直感が、意思決定に影響を与えることを指す心理学で用いられる用語の一つです。
「発見的手法」や「発見的探索」、「経験則」とも呼ばれており、自身の感覚や推論に基づいて判断することになるため、矛盾や破綻のない論理的思考である「ロジカルシンキング」や、コンピュータのプログラムなどに活用される「アルゴリズム」(※)と対立する概念となります。
※アルゴリズム:主にコンピュータープログラミングで用いられる計算で問題解決する方式のこと。
身近な発生例
- 空模様を見て・・・「雨が降りそう」
- 青信号を見て・・・「横断歩道を渡れそう」
- 服装を見て・・・「この人の仕事は〇〇だろう」
- 4桁のパスワード欄を見て・・・「誕生日だろう」
といったように、日常生活の中には『ヒューリスティック』による思考が無意識に行われています。
ヒューリスティックが起こるメカニズム
そもそも人間は『二重過程理論』という仕組みによって意思決定をしているとされています。
- 直感的かつ素早く意思決定をするシステム
- 論理的思考で熟慮して意思決定をするシステム
この「直感的かつ素早く意思決定をするシステム」の場合が『ヒューリスティック』であり、経験や先入観に基づいて直感的に判断するため、バイアスによって偏りが生じやすくなります。
メリットとデメリット
直感的に物事を判断できるという利点ゆえのデメリットも存在します。
『ヒューリスティック』のメリット
『ヒューリスティック』によって、意思決定が簡単にできない複雑・難解なことでも簡単に判断できるため、意思決定までの時間を短縮できる、判断基準が少なくても決断ができるというメリットがあります。
『ヒューリスティック』のデメリット
一方、判断基準として用いる自身の経験や先入観は、属人的であり偏りがあるうえに、「自身の都合良く考えがち」「思い込みで行動・判断してしまう」という『認知バイアス』(※)が働いて判断ミスを誘発しやすいデメリットがあります。
また、これまでの経験から得られた事実や、自身の経験上「おそらくこうなるだろう」と考えて判断・決断することから、因果関係が不明瞭になりがちです。
※認知バイアス:直感や過去の経験に基づく先入観によって物事の判断が非合理的になり、偏った見方をしたり、ありのままに捉えることができなくなるバイアス。
代表的なヒューリスティックの種類
ヒューリスティックにはさまざまな種類があります。
代表性ヒューリスティック
見た目や特徴といった典型的なイメージに基づいて判断する、『代表性ヒューリスティック』。
- 外国人のような見た目だから・・・英語が話せる
- スポーツをやっている人だから・・・背が高い人が多い
- 経営者だから・・・良いスーツを着ている
利用可能性ヒューリスティック(想起ヒューリスティック)
『利用可能性ヒューリスティック』は『想起ヒューリスティック』とも呼ばれ、自分が入手しやすい情報や、思い出しやすいデータに頼って意思決定してしまう経験則を指します。
そのため『利用可能性ヒューリスティック』(※)では、「最短で最も効果の高い(と思われる)方法」を、自身の過去の経験や印象的な記憶、近しい人の口コミや見聞きしたニュースなどの情報から呼び出し、その情報を優先的にして判断します。
※『利用可能性ヒューリスティック』については、こちらのページをご覧ください。
意思決定をする時に、自分が入手しやすい情報や、印象に残っていること、思い出しやすいデータなどを基準に直感的に選択を行う『利用可能性ヒューリスティック』。発生するメカニズムや日常で発生する4つのシーン、ビジネスへの活用例や悪影響を防ぐ方法について解説しています。
- 口コミサイトで評価が高いから・・・その店は料理やサービスの質が良い(と考える)
- 外国人の犯罪のニュースを見て・・・最近は外国人の犯罪が増えている(と考える)
- 自分がインフルエンザに感染したから・・・最近はインフルエンザが流行っている(と考える)
- 買い物で迷った時・・・テレビCMで見た商品を購入する
ちなみに、この利用可能性ヒューリスティックは、『フォールス・コンセンサス効果』(※)が発生する要因とされています。
※『フォールス・コンセンサス効果』については、こちらのページをご覧ください。
自分の意見や判断は常に正しく、他の多くの人も同じ思考や行動をする・合意してくれると思い込む『フォールス・コンセンサス効果』。由来や発生する要因、発生しやすいシーンやビジネスシーンで発生する際の弊害と予防策、対処法について解説しています。
係留と調整ヒューリスティック(アンカリング効果)
係留(アンカリング)と調整ヒューリスティックは、最初に得た情報が船のアンカー(船舶を固定する錨・いかり)となり、その後の判断が最初の情報から離れられなくなってしまう様子を指します。『アンカリング効果』(※)とも呼ばれています。
- 「1,000円の商品」よりも「定価1,500円のところ500円引きで1,000円!」のほうがオトクに感じる
- 「お1人様10点まで」と「個数制限なし」だと、「10点まで」がアンカーとなり「個数制限なし」の場合よりも販売量が増える傾向が
※『アンカリング効果』については、こちらのページをご覧ください。
最初に与えられた情報(アンカー)によって意思決定に影響を及ぼす『アンカリング効果』。ビジネスシーンでの活用例や注意点について解説します!
感情ヒューリスティック
自身が好きなもののメリットを高く・デメリットを低く評価する、嫌いなもののメリットを低く・デメリットを高く評価することを感情ヒューリスティックと呼びます。
自分自身の感情=好き嫌いを基準に意思決定を行うことと言えます。
- 自分が好きな芸能人が薦める商品だから・・・良い商品と考え購入する
- (好きではない勉強をして)資格試験に挑戦したが不合格だった・・・資格は必要ないと考え再挑戦しない
シミュレーション・ヒューリスティック
シミュレーション・ヒューリスティックとは、自身のそれまでの経験や先入観から「きっとこうなるだろう」と架空のシナリオを考えて結果を推定・判断することです。
- 前回のプレゼンで失敗したから・・・次も失敗するだろう(と考えてしまう)
- 先月の営業成績が良かったから・・・今月もきっと良いだろう(と考える)
ネガティブなものだけでなく、ポジティブなものもあります。
ビジネス・マーケティングの活用シーン
『ヒューリスティック』は、ビジネスシーン・マーケティングシーンで活用することで、商品やサービスをより良く見せる、購買意欲を高める効果が期待できます。
テレビCMで『接触頻度』を高める
想定する顧客対象の居住地域や目に触れそうな時間帯を考慮してテレビCMを流すことで、自社や取り扱う商品・サービス情報を繰り返して印象付ける『利用可能性ヒューリスティック』が働き、知名度や認知度のアップ・親近感を持ってもらうことが見込まれます。
この、何度も接する・目にすることにより、警戒心が薄れて親近感を持つようになる心理事象は『ザイオンス効果』(単純接触効果)(※)と呼ばれています。
さらに、キャッチコピーなどでより強く印象付ける・親しみやすいイメージを持ってもらうことで「あの会社の〇〇なら良いだろう」と『感情ヒューリスティック』の働きも期待できます。
※『ザイオンス効果』(単純接触効果)については、こちらのページをご覧ください。
接触回数を増やすことで興味関心や好感度が高まりやすくなる『ザイオンス効果』。どういったメカニズムなのか、ビジネスでの活用例を解説しています。
商品・サービスに『3つ』の選択肢を設ける
人間は3段階の選択肢があるとき、真ん中の選択肢を選びやすいという心理的傾向があります。
この『松竹梅の法則』(ゴルディロックス効果、極端回避性)(※)にも、ヒューリスティックが関わっています。
仮に、「¥10,000、¥8,000、¥6,000」のコース料理を用意しておくと、真ん中の「¥8,000」のコースが一番売れやすくなる傾向があります。
これは最初に見た「¥10,000」というコース価格がアンカーとなり、それ以外の価格をオトクと捉える『係留と調整ヒューリスティック』と、「高いものは良い」「安いものは悪い」と考える『代表的ヒューリスティック』の2つが働くからです。
※『松竹梅の法則』(ゴルディロックス効果、極端回避性)については、こちらのページをご覧ください。
3つの選択肢のなかで真ん中が選ばれやすいというゴルディロックス効果・松竹梅の法則。メカニズムや活用する際のポイントを解説しています。
↓
この続きでは、考慮しておきたい『ヒューリスティック』の注意点などについて解説しています。
『ヒューリスティック』を解説したPDFデータを無料でプレゼント!
ご希望の方は、上記画像のクリック先のメルマガフォームに「氏名」「会社名(もしくはフリーランスなど)」「メールアドレス」、
「お問い合わせ内容」欄に『ヒューリスティック』ホワイトペーパー希望、と記載して送信をお願いします。
株式会社SBSマーケティングでは、BtoB(企業間取引)を中心にマーケティングや集客に関連したコンサルティングサービスをご提供させていただいております。
中堅・小規模企業様向けサービスはこちら
リードジェネレーションサポートサービスリードナーチャリングサポートサービスブランディングサポートサービスマーケティング組織設計サポートサービス リードジェネレーションサポートサービス 想定されるターゲット、ご予算、社内リ …
個人事業主&フリーランス様サービスはこちら
見込み客獲得サポートサービス見込み客確度アップサポートサービススポット相談サービスイベントサポートサービス 見込み客獲得サポートサービス 想定されるターゲット、ご予算に応じた見込み客(リード)の獲得、集客を支援いたします …
お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。
- 3つの選択肢
- アンカリング効果
- ゴルディロックス効果
- ザイオンス効果
- シミュレーション・ヒューリスティック
- テレビCM
- バイアス
- ビジネス
- ヒューリスティック
- ヒューリスティックス
- フォールス・コンセンサス効果
- マーケティング
- メカニズム
- メリットとデメリット
- 二重過程理論
- 代表性ヒューリスティック
- 係留と調整ヒューリスティック
- 先入観
- 利用可能性ヒューリスティック
- 単純接触効果
- 想起ヒューリスティック
- 意思決定に影響
- 感情ヒューリスティック
- 接触頻度
- 松竹梅の法則
- 株式会社SBSマーケティング
- 極端回避性
- 注意点
- 活用シーン
- 消費者心理に訴えかける
- 無意識
- 発見的手法
- 発見的探索
- 直感
- 経験
- 経験則
- 認知バイアス
- 購買意欲を高める
マーケティングは試行錯誤を重ねる必要がありますが、リソースの制約などによって思うように時間をかけることはできません。
現状や課題、求める成果をお聞きしてマーケティングの確度を上げるために併走させていただきます。