自分の意見や信念と対立する情報を提示された際、その反対意見を聞き入れずに自身の考えをより強固にする『バックファイア効果』。
発生する要因や具体例、効果を緩和する方法などについて解説しています。
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『バックファイア効果』とは?
『バックファイア効果(backfire effect)』とは、自分の意見や信念と対立する情報を提示された際、その反対意見を聞き入れずに自身の考えをより強固にする心理的傾向のことです。認知バイアスの一つとして知られています。
仮に自身の考えや意見が間違っていて、それを指摘する情報や証拠だったとしても、ムキになって反論し、かえって強く信じ込んで肯定しようとするため、指摘する側の意見(反論)は役に立たないどころか逆効果になってしまいます。
由来
「バックファイア(backfire)」は英語で「逆に向かう火」「裏目に出る」という意味で、そこから転じて「人間の行動が逆になる」という解釈をされています。
提唱したのは?
この『バックファイア効果』は、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州ハノーバー町に本部を置くダートマス大学のブレンドン・ニャン教授と、イギリスの国公立大学であるエクセター大学のジェイソン・エイフラー教授の両名が、2010年に提唱した理論です。
両教授は、大学生を2つのグループに分け、最初のグループには「イラクに大量破壊兵器があるとしてイラク戦争を決断したジョージ・ブッシュ元大統領を支持するニュース記事」を見せました。
そして、2番目のグループには同じ記事に加えて「戦争決断の根拠としていた大量破壊兵器は見つからなかった」というCIAの報告書を読んでもらいました。
その後に、それぞれのグループの学生に対して「『イラクは大量破壊兵器を保有していたが発見される前に廃棄した』という説を支持しますか?」と質問を投げかけました。
結果、CIAの報告書も読んでいた2番目のグループの方がより強くこの説を支持しました。
「大量破壊兵器は見つからなかった」というCIAの報告書によって『バックファイア効果』が働いて、2番目のグループのメンバーの方がより支持するようになったというわけです。
『バックファイア効果』に対して疑問視する声も
この『バックファイア現象』は科学的な証明が成されてはおらず、あくまで研究段階における理論とされています。
そのため、この心理事象を提唱する論文を分析した、ファクトチェック関連慈善団体であるFull Factのエイミー・シピット 氏は、『バックファイア効果』に対して「広く一般的に当てはまるものではない」と疑問を投げかけています。
その理由として、上述のブレンドン・ニャン教授とジェイソン・エイフラー教授が行った実験を挙げています。
この実験の対象者は200名に満たない少人数であり、実験の参加者が「アメリカの学生」という偏ったグループであったこと、さらに「イラク戦争の是非」という当時のアメリカで盛んに議論されていたテーマが故意に採用されたことを挙げて、「普遍的な心理効果を検証するには不適切」であり、もっと多くの研究が必要であるとエイミー・シピット 氏は主張しています。
このように『バックファイア効果』の存在自体を疑問視する声もありますが、研究段階における理論として引き続き取り上げます。
なぜ発生するのか?
「進化論」
発生する要因として考えられているのが「進化論」という説。
人間は進化の過程において、生存確率を上げていくために、ポジティブなことよりもネガティブなことを優先して考える必要があったため、『バックファイア効果』といった思考に至るというものです。
自分にとって肯定的な情報と否定的な情報がある場合、肯定的な情報は意識しないうちにすり抜けていきますが、自分の考えを脅かしたり、自分の主義思想と相反する否定的な情報に接すると注意を払うようになります。
その自身にとってネガティブな情報に注意を払い過敏に反応を示すことで、かえって反発しようとする心理的傾向(=バックファイア効果)が生じるというわけです。
「思考は知性からではなく感情から生じやすい」から
アメリカの神経科学者であるアントニオ・ダマシオ 氏は「思考は知性からではなく感情から生じる」と述べています。
つまり、感情は思考を生み出す大きな要因であり、感情の作用で思考は形成されやすいということです。
指摘された情報や意見が「正しい」と知性ではわかっていても、感情によってその情報を許容せずに自身の思考を正当化する・強固にするという『バックファイア効果』が生じるというわけです。
『バックファイア効果』の具体例
政治や宗教に関する信念
仮に政治や宗教に対して、間違いである根拠を提示したとしても、多くの支持者は聞き入れずに、むしろより支持を強めるケースがあります。
自然災害が発生したのは「陰謀」
自然災害が発生した際に、政府や専門家が発生原因を解説したとしても、「これは〇〇の陰謀で起こった」と思想を強め盲信する層がいます。
また、最近ではX(旧Twitter)といったSNSの普及に伴い『フィルターバブル』化(※1)したり『エコーチェンバー』(※2)によって過激になったり、極端に排他的な思想になる『サイバーカスケード』(※3)が生じやすくなっています。
※1:『フィルターバブル』の詳細に関しては、こちらの記事をご覧ください。
インターネット上で自分の思想や価値観に合わせた情報のみが作為的に表示されることで、異なる意見が目に入りにくくなり、受動的に「泡(バブル)」に包まれたように孤立してしまう『フィルターバブル』。発生する仕組みや発生例、メリットとデメリット、対策方法について解説しています。
※2:『エコーチェンバー』の詳細に関しては、こちらの記事をご覧ください。
インターネット上で自分の思想や価値観に合わせた情報のみが作為的に表示されることで、異なる意見が目に入りにくくなり、受動的に「泡(バブル)」に包まれたように孤立してしまう『フィルターバブル』。発生する仕組みや発生例、メリットとデメリット、対策方法について解説しています。
※3:『サイバーカスケード』の詳細に関しては、こちらの記事をご覧ください。
同じ思想や主義を持っている他者とインターネット上で結びつきを強め先鋭化することで、異なる考えや主張を排除が進み、閉鎖的かつ過激なコミュニティを形成する『サイバーカスケード』。なぜ発生するのか、発生することによって生じる問題点、発生例や発生を回避する方法などについて解説しています。
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この続きでは、『バックファイア効果』を緩和する方法について解説しています。
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