経済的なインセンティブや罰則を用いず、選択を強制することなく、無意識下に働きかけて
意思決定に影響を与え行動変容を促す『ナッジ(ナッジ理論)』。活用する際に有効な場面や活用する際に知っておきたい基本原則、
構成要素や有効に活用する方法、活用するうえで把握しておきたい心理作用やビジネスシーンでの活用例、
『ナッジ』を用いた施策の注意点やデメリットについて解説しています。
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『ナッジ』『ナッジ理論』とは?
『ナッジ(nudge)』とは、「軽く肘でつつく、そっと後押しする」という意味で、それが転じて「行動をそっと後押しする」という意味合いで使われています。
行政の現場やビジネスシーンでは、「経済的なインセンティブや罰則を用いず、選択を強制することなく、無意識下に働きかけて意思決定に影響を与え行動変容を促す戦略・手法」という『ナッジ理論』として、幅広い場面で取り入れられています。
つまり、インセンティブや罰則を用いて制限や限定せずに、無意識下にそっと後押しして働きかける行動理論のことを『ナッジ理論』と呼びます。
『ナッジ理論』を用いることによるメリット
『ナッジ理論』を用いることで、以下のようなメリットを享受することが期待できます。
- 制限や限定をせずに「そっと後押し」するため、反発を招かずに行動変容を促すことができる。
- 情報の伝達方法を工夫することで、コストを抑えて効果を得られる可能性が。
提唱した人物と注目されるようになった背景
この『ナッジ理論』は、アメリカのシカゴ大学のリチャード・セイラー教授らが提唱したことで知られています。
提唱後の2010年に、イギリスの内閣府内に『ナッジ』の活用促進を目的とする組織として「The Behavioural Insights Team:BIT」が設立。
リチャード・セイラー教授らが専門家をアドバイザーに招聘・活動を開始し、税徴収率の向上などの成果を挙げました。
この「BIT」の活動成果により、2015年にはアメリカで「Social and Behavioral Science Team:SBST」、2017年には日本で「Behavioral Sciences Team:BEST」が組織されることになり、『ナッジ』の導入が加速しました。
そして、2017年には、リチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したことで、行動経済学・『ナッジ理論』への注目度がさらに高まることになりました。
『ナッジ理論』の身近な例
人々の心理作用に働きかけて、より良い方向へ誘導する効果のある『ナッジ理論』は、日常生活など身近な場面で活用されています。
スキポール空港の「便器のハエ」とトイレ内の貼り紙
『ナッジ理論』の有名な実用例は、オランダのスキポール空港の「便器のハエ」です。
アムステルダムのスキポール空港では、男性用小便器が非常に汚く使われることに頭を抱えていました。
そこで、男性用の各小便器の中央に「小バエ」を描くことで、小便の的を無意識下に絞らせ尿の飛沫が80%程度減り、清掃費のコストダウンに成功したというケースです。
人間の「顕著に感じられる対象ほど認知が容易になる」という傾向を活かし、シンプルな方法で大きな成果が得られた例として知られています。
また、トイレ関係だと、『いつもキレイにご利用いただきありがとうございます』という張り紙も、その貼り紙を見ることで「キレイに使わないと」と無意識に促す効果が期待されます。
レジ袋の有料化に伴う実験
経済産業省は、2020年のレジ袋の有料化に伴って、『ナッジ理論』を用いた実験を各コンビニチェーン店で行いました。
- 基本的にレジ袋を「配布」することを前提に、不要な場合のみ「辞退カード」を提出する店舗
- 基本的にレジ袋を「配布しない」ことを前提に、必要な場合は「申告カード」を提出しレジ袋を受け取る
2種類のルールを課した店舗を設定して全国的な実験を行いました。
その結果、「必要な場合のみ申告する」ケースの方がレジ袋の辞退率が高い、という傾向がみられました。
人間が何事も合理的に判断するのであれば、どちらも同じような結果になるはずです。
ですが、実際は「レジ袋は必要ありません」と断るよりも、「レジ袋をください」と申し出る方が心理的なハードルが高く、「レジ袋を辞退する」という行動変化につながりやすい、というわけです。
臓器提供に関する調査
心理学者である、エリック・ジョンソン 氏とダン・ゴールドスタイン 氏が、ヨーロッパ各国の臓器移植の同意率を調査したところ、ドイツでは12%程度、オーストリアでは99%程度の同意率となり、明確な違いがあることを発見しました。
この要因としては、「臓器移植に同意する」をデフォルトにしているか、「臓器移植に同意しない」をデフォルトにしているかどうか、の違いであることが明らかになりました。
- ドイツ → デフォルト「臓器移植に同意しない」 ・・・同意率=12%程度
- オーストリア → デフォルト「臓器移植に同意する」 ・・・同意率=99%程度
この調査結果によって、臓器移植の同意は「各国の国民性」や「宗教観」などによるものではなく、『ナッジ(初期設定:デフォルト)』によって変わる、ということが判明しました。
具体的には、初期設定が許諾の意思を示す「オプトイン」か、許諾しない意思を示す「オプトアウト」どちらの形式かによって、同意率が変わるということです。
- オプトイン 提供を許諾する臓器を意思表示する形式 ドイツや日本などが採用
- オプトアウト 提供を許諾しない臓器を意思表示する形式 オーストリアやアメリカなどが採用
臓器移植の同意率のケースでは、国民の大半が「初期設定(デフォルト)に沿うようになる」ということで、どちらでもよい・もしくはわざわざ申し出をしてまで変更するものではないと捉えていると考えられます。
『ナッジ理論』が有効な場面とは?
『ナッジ理論』が有効に機能する場面としては、以下のようなケースが挙げられます。
- 選択するのが難しい
- 選択の結果がすぐ出ない
- フィードバックが得られない
選択するのが難しい
「自分の意思では選択するのが難しい」場面において、『ナッジ理論』は有効になります。
ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、人は1日に平均3万5,000回もの決断をしていると考えられています。
「選択できる自由があることは良い」と感じるものの、自分で選択しなければならないことはタイミングや内容によってはストレスを感じることも。
そのため、「選択しなくても良い」という状況下では、人間は負荷の少ない選択を優先する傾向があります。
『ナッジ理論』は、情報が多すぎたり、複雑で選択することが難しい場合には有効と言えます。
選択の結果がすぐ出ない
「選択した後にすぐに結果を得ることができない」場面においても『ナッジ理論』は有効です。
わかりやすい例として、ダイエットや筋トレが挙げられます。
仮にダイエットをやると「選択」し、進めてもすぐには結果は出ないため、長続きしないことになりがちです。
結果がすぐに出ない選択に誘導したい時に『ナッジ理論』を用いることで、より促すことにつながると考えられます。
フィードバックが得られない
フィードバックがなければ、良い「選択」なのか判断することはできません。
そのため、フィードバックを伝え、望ましい方向へ誘導する際にも『ナッジ理論』の活用は有効です。
『ナッジ理論』を活用する際に知っておきたい基本原則
『ナッジ理論』を活用して行動変容を促す際に知っておきたい「6つの基本原則」があります。
この「6つの基本原則」は、リチャード・セイラー教授らが提唱したフレームワークのことで、それぞれの頭文字を『ナッジ』のスペルに当て込んで『NUDGES』と呼ばれています。
- インセンティブ(iNcentives)
- マッピングの理解(Understanding mappings)
- デフォルト(Defaults)
- フィードバックの提供(Give feedback)
- エラーの予期(Expect error)
- 複雑な選択を体系化(Structure complex choices)
インセンティブ(iNcentives)
「インセンティブ(iNcentives)」とは、対象者へ動機付けするために、利益やメリットを与えることを指します。
『ナッジ(ナッジ理論)』においては、金銭的なインセンティブを提示して、強制的に行動を促すことはしませんが、『ナッジ』の基本原則においては、「行動を起こす=メリットが必要」と考えられています。
「コレをすると自分のためになる」「アレをしなければ損してしまう」というメリットやベネフィットは、選択する際の指標となります。
そのため、過度にインセンティブの要素を組み込まないよう注意し、メリットやベネフィットを明示することが求められます。
マッピングの理解(Understanding mappings)
「マッピングの理解(Understanding mappings)」とは、選択肢と結果を紐づけることを指します。
「こうすればこんな良い結果を得ることができる」と、選択肢からどういった結果を得られるかを理解しやすくすると、選択しやすくなります。
デフォルト(Defaults)
「デフォルト(Defaults)」とは、あらかじめ推奨したい選択肢を「初期設定」にすることを指します。
「変更せずに初期設定(与えられた環境)を維持したい」という、人間心理を後押しする『ナッジ』の活用例と言えます。
フィードバックの提供(Give feedback)
「フィードバックの提供(Give feedback)」とは、特定の方向へ誘導するためにフィードバックすることを指します。
行動して得られた結果をフィードバックされると、次回の行動を誘導しやすくなります。
エラーの予期(Expect error)
「エラーの予期(Expect error)」とは、あらかじめ発生しやすいエラーやミスを想定し、先手を打って対策を講じることを指します。
『ナッジ』を活用しても、誘導したい選択肢を選ぶとは限りません。
場合によって、エラーやミスが生じてしまいます。そこで『ナッジ』によって、エラーやミスを回避するための選択肢へ誘導するのです。
複雑な選択を体系化(Structure complex choices)
「複雑な選択を体系化(Structure complex choices)」とは、選択を簡略化することを指します。
人間は複雑な選択肢を避ける傾向があります。
そのため、多く複雑な選択肢を構造的に整理し、選択しやすくするということです。
『ナッジ理論』の構成要素
『ナッジ(ナッジ理論)』の構成要素は、『EAST』と呼ばれています。
- 簡潔にする(Make it Easy)
- 魅力的にする(Make it Attractive)
- 社会的にする(Make it Social)
- タイムリーにする(Make it Timely)
簡潔にする(Make it Easy)
「簡潔にする(Make it Easy)」とは、選択や行動の難易度を下げることを指します。
煩わしさを排除し明確にするために、「デフォルト(初期設定)を活用する」「選択肢を狭めてハードルを下げる」といったことがポイントとなります。
魅力的にする(Make it Attractive)
「魅力的にする(Make it Attractive)」とは、魅力的な選択肢やインセンティブを提示することを指します。
人間の「魅力的だ」と感じる選択肢を選びやすい傾向を利用するということです。
社会的にする(Make it Social)
「社会的にする(Make it Social)」とは、周囲の状況など社会性に訴えかける・働きかけることを指します。
人間の「周囲の人々と同じように行動しよう」という心理傾向を利用して、集団の一員として取るべき行動を意識させ誘導するということです。
タイムリーにする(Make it Timely)
「タイムリーにする(Make it Timely)」とは、適切なタイミングで行動や選択を促すことを指します。
「対象が受け入れやすいタイミングでの提示」などがポイントとなります。
『ナッジ理論』を有効に活用する方法
『ナッジ(ナッジ理論)』を活用した施策の設計に役立つフレームワークに『BASIC』があります。
- 行動の観察と課題を特定(Behaviour)
- 行動を分析する(Analysis)
- 『ナッジ戦略』の立案(Strategy)
- 『ナッジ施策』の実施(Intervention)
- 『ナッジ』による行動変化を測定(Change)
行動の観察と課題を特定(Behaviour)
1つ目のステップとして「行動の観察と課題を特定」します。
意識や態度ではなく「事実ベース」で一連の行動を洗い出し、問題となっている行動を特定します。
行動を分析する(Analysis)
2つ目のステップでは「行動を分析」します。
問題となっている行動を引き起こす要因を分析し、行動する際にどんな心理が働いているか、行動の背景にある環境などにも目を向けます。
『ナッジ戦略』の立案(Strategy)
3つ目のステップでは、『ナッジ(ナッジ理論)』による対応策を立案します。
複雑にならないよう、わかりやすく簡潔なプランを立てることに留意します。
『ナッジ施策』の実施(Intervention)
4つ目のステップとして、『ナッジ施策』を実施します。
実施にあたっては、改善のためのデータ収集や分析のための環境構築も求められることになります。
『ナッジ』による行動変化を測定(Change)
最後の5つ目のステップは、『ナッジ』による行動変化を測定します。
行動の変化が『ナッジ施策』によるものなのか、もしくは対象の属性・時期の違いなどによる変化なのかなどの視点を元に、施策を検証・効果測定します。
結果をもとに、次回の施策の改善案などを検討します。
『ナッジ理論』を活用するうえで把握しておきたい心理作用
『ナッジ(ナッジ理論)』を有効に活用する際には、対象者の行動パターンや思考傾向を理解することが必要になります。
把握しておきたい代表的な心理作用は、以下の通りです。
現在志向バイアス(現在バイアス)
将来得られる利益よりも、現在得られる利益を優先する『現在志向バイアス(現在バイアス)』。
※『現在志向バイアス(現在バイアス)』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
未来の不確かな報酬よりも、目の前の確かな報酬を重大に感じる『現在志向バイアス』。発生するメカニズムや現状維持バイアスとの違い、発生例やマーケティングへの応用例、発生を防ぐ方法について解説しています。
現状維持バイアス
変化させれば現状がより良くなる可能性があるとしても、損失の可能性を考慮して変化を拒み、現状を保持しようとする『現状維持バイアス』。
※『現状維持バイアス』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
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デフォルト効果
最初に選択されている意思決定や、設定されている初期値(デフォルト)に従ってしまう・そのまま受け入れやすくなってしまう『デフォルト効果』。
※『デフォルト効果』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
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双曲割引
「遠い将来は待つことができるが、近い将来は待てずにせっかちになる」という『双曲割引』。
損失回避バイアス(損失回避の法則)
利得と損失を比較する際、損失の方をより重大だと感じやすく、損失を回避しようとする心理的傾向である『損失回避バイアス(損失回避の法則)』。
※『損失回避バイアス(損失回避の法則)』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
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社会的選好
自分自身の利益(利己的)だけでなく、他者の利益(利他的)にも関心を示し、行動する『社会的選好』。
カクテルパーティー効果(選択的注意)
多くの情報の中から、自身が必要とする特定の情報を無意識に取捨選択するようになる『カクテルパーティー効果(選択的注意)』。
※『カクテルパーティー効果(選択的注意)』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
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松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)
3つの選択肢のなかで真ん中が選ばれやすいという『松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)』。
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選択肢過多(選択回避の法則・ジャムの法則)
選択肢が多すぎると迷いやストレスが増え、選択すること自体を避けるようになってしまう『選択肢過多』。
『選択回避の法則』や『ジャムの法則』とも呼ばれています。
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メンタル・アカウンティング
お金に関して意思決定をする際、最終的な支出は変わらないにも関わらず、自分の心の中でカテゴリー・トピックごとに分類するようになる『メンタル・アカウンティング』。
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コンコルド効果(サンクコスト効果)
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アンカリング効果
最初に与えられた数字などの情報(アンカー)が基準となって、その後の意思決定に影響を及ぼす『アンカリング効果』。
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フレーミング効果
同じ事象でも伝え方や表現を変えることで相手に与える印象を変え、意思決定にも影響を及ぼすことができる『フレーミング効果』。
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同調圧力(同調バイアス)
周囲の人々や面識のないSNSなどの多数の意見や、行動の「常識」や「普通」「ルール」という価値観に同調するように、意思決定する『同調圧力(同調バイアス)』。
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ビジネスシーンにおける『ナッジ』の活用例
セールス・マーケティング・人事採用やマネジメントといったビジネスシーンでの『ナッジ』の活用例は、以下の通りです。
セールスシーン
セールスの場面で『ナッジ』を活用している例の一つが『松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)』です。
営業の場面で、クライアントに選んで欲しい商品やサービスを「3つの選択肢の中で真ん中にする」ことで、狙った選択肢へ誘導することができるようになります。
ほかにも、最初に提示された数字を基準にして判断をするようになる『アンカリング効果』を用いることも、有効な例の一つです。
クライアントと価格交渉をする際に、最初に通常の価格を提示し、その後に値引きした価格を提示することで「値引き感」をより魅力的に伝えることができます。
マーケティングシーン
『ナッジ』と相性の良いマーケティング。
例えば、最初に設定されている初期値を受け入れやすくなる『デフォルト効果』を活用して、サービスの会員登録時に、メルマガ登録のチェックボックスをあらかじめチェックしてある状態に設定して登録者を増やそうとする施策などが挙げられます。
ほかにも、これまで投資・消費したコストを取り戻したいという『コンコルド効果(サンクコスト効果)』を用いて、「あと〇〇〇円のご利用で、ランクアップします!」「あと〇〇〇円のご利用で、送料無料!」といった形で、会員ランクの昇格を促す・購入金額に応じた特典を提示することで、追加の消費を促すケースが挙げられます。
人事・マネジメントシーン
人事領域やマネジメントシーンにおいても、『ナッジ』は活用されています。
- 勤務シフトの変更についてのリマインドメールの送信
- 報連相(報告・連絡・相談)をシステムやツールで簡略化
- ほかの従業員の状況を把握できるよう見える化
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この続きでは、『ナッジ施策』の注意点やデメリットについて解説しています。
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