『マーケティングの定義』は人によって多種多彩
「『マーケティング担当』『マーケター』は何をする人だと思いますか?」と聞かれた時、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
例として挙げられるのは、テレビや雑誌、新聞やWebなどのメディアへ広告を出稿する人、コーポレートサイトなどのオウンドメディアを運用する人、新商品に関するプレスリリースを打つ人、展示会にブースを出展する・自社で開催するセミナーを担当する人、ノベルティや販促ツールを運用する人、解析ツールを使ってWebサイトのアクセスなどのデータを分析する人、Webなどに掲載するコンテンツを作る人、見込み客(=リード)を獲得する人、などなど。
マーケティングに携わらない人、マーケティングに携わる人のどちらに聞いても、『マーケティング担当』『マーケター』へのイメージや認識はさまざまなのだと、事業会社の中でマーケティング業務に携わっていた際に常々感じていました。
『マーケティング担当』『マーケター』ではなく例えば、営業と聞けば「商品やサービスを売る人」、技術職であれば「商品やサービスの検証やメンテナンスを行うなどのメカニカルなイメージ」、経理であれば「入出金の管理・処理を担当する人」、人事であれば「人材を採用する人」など、マーケティング以外のほかの部署や職種であればイメージのブレは少ないと思います。
このように『マーケティング担当』『マーケター』の活動イメージは人それぞれになってします。
ですが、それは至極当然と言えます。
なぜなら、「マーケティングとは?」という定義自体、企業の経営理念やマーケターなどによって異なるため、その定義に紐づく活動イメージも異なるのは当たり前です。
特に事業会社の場合は、線引きが難しくなりがちです。事業スタート時はマーケティングの範囲が限定的であっても、実務を積み重ねていく中で「あれも」「これも」と業務範囲が広くなってしまうというケースが多くなります。
自分自身としては、『マーケティング』は「商品やサービスが『売れる仕組み』を構築すること」だと定義していますが、そうでない定義だとしても、おそらく「売上を増加させ、利益増大に貢献すること」ということにつながると考えています。
この「売上を増加させ、利益増大に貢献すること」へのアプローチはそれこそ色々あります。
上記に挙げたようなさまざまなマーケティングへのイメージの例も、マーケティングの領域に全く当てはまらないということはありません。
それぞれがマーケティングに当てはまる・当てはまらないと明確に線引きできるものではなく、「売上を増加させ、利益増大に貢献すること」の要素だと言えます。
さらに、事業会社の多くでは、同じ人間や部署が兼務しているケースも多いことも、線引きの難しさに影響を与えています。
イメージ例をカテゴリで分類すると・・・
人によって『マーケティングの定義』や『マーケティング活動』のイメージや線引きは異なりがちなのですが、上記に挙げたマーケティングに対するイメージ例をカテゴリで分けてみます。
広報宣伝
●テレビや雑誌、新聞やWebなどのメディアへ広告を出稿する人
●コーポレートサイトなどのオウンドメディアを運用する人
●新商品に関するプレスリリースを打つ人
↓
社外に企業や商品・サービスに関する情報を発信することで、知名度や認知度、ブランドイメージを向上させる活動を指します。
※おすすめ記事:オウンドメディアとは?幅広いユーザー層へアプローチしよう!
販売促進
●展示会にブースを出展する、自社で開催するセミナーを担当する人
●ノベルティや販促ツールを運用する人
↓
自社の商品やサービスを知るきっかけを作る、購買意欲を促すための活動を指します。
デマンドジェネレーション
●解析ツールを使ってWebサイトのアクセスなどのデータを分析する人
●Webなどに掲載するコンテンツを作る人
●見込み客(=リード)を獲得する人
↓
自社の商品やサービスを拡販するために対象を定め、プロモーションを実施し見込み客(リード)を獲得し、獲得したリードの確度を上げ、属性や確度、意識フェーズごとにリードを分類するといった活動を指します。
このように、一言で『マーケティング』といっても、カテゴリで分けると「広報宣伝」や「販売促進」「デマンドジェネレーション」などの領域に分類することができます。
このそれぞれに必要となるスキル・人材は異なりますので、「あれもこれも」担当している事業会社のマーケターさんは、実はスーパーマンのような存在なのかもしれません。
「ウチのマーケはコレをやる」と決めないと危険です!
マーケティングの定義や活動のイメージが異なることの弊害としては、マーケティングへの期待も人によって異なることから、マーケティングのアウトプットや成果に対して、マーケティング部署以外の社員が疑問符や物足りなさを感じてしまうという点です。
なので、事業会社のマーケティング部署、マーケター、もしくは経営者やマーケターを採用する担当者は、まず「ウチの会社のマーケティングの主なミッションは〇〇」「ウチの会社のマーケティングは〇〇と定義しています」と決め、社内の共通認識として共有することが大切です。
この共通認識が社内に浸透していないと、マーケターが「できること」と他の部署の社員・経営陣の「やってほしいこと・期待していること」との間に乖離が生じ続けてしまいます。
そして、このボタンの掛け違いが積み重なると、マーケターの業務に対するモチベーションや社内評価への納得感の低下、評価をする側・される側の間で温度差が広がり、その結果として、マーケターの離職につながる危険がありますので、自社のマーケティングを曖昧にせず、少なくとも主な担当範囲を定義する必要があります。
会社によって、経営者によって、部署によって、またマーケティング部署に所属する担当者の間でも『マーケティング』の定義やイメージはさまざまで、マーケターにとって『悩みの種』になりがちです。
株式会社SBSマーケティングでは、主にBtoB(企業間取引)マーケティング業務に携わるマーケターを支援するため、見込み客の獲得や検討確度のアップ、マーケターの採用から育成、評価策定や組織設計、ブランディング、イベントサポート、集客支援などに関するコンサルティングサービスを提供しております。
御社内の『マーケティング』の定義やイメージを共通認識にするためのサポートサービスもございます。
お悩みありましたら、まずはお問い合わせください。
マーケティングは試行錯誤を重ねる必要がありますが、リソースの制約などによって思うように時間をかけることはできません。
現状や課題、求める成果をお聞きしてマーケティングの確度を上げるために併走させていただきます。